CLASS3103 三十三組

しがない個人ホームページ管理人の日記です。

【読書】夜に星を放つ

2023-02-04 21:10:09 | 読書感想文とか読み物レビウー
夜に星を放つ  作:窪美澄

不安を抱えていたり、何かを失っていたりと、
傷んだ人たちが主人公の短編集
それぞれが、そういう心の傷ともいえるようなものを抱えている話なんだが、
内容に星座や、星にまつわるエピソードがちょっとだけ出てくる
そういう話になっていて、別に連作ではないのだけども、
共通して、落ち込んでいた人生のターニングポイントともいうような
変化を予感させる物語になっていて、なかなかよかった
でも、すごく地味なんだけども、ありそうなというか
心の機微がよくわかる物語で、なんとなし身近に感じる内容だった

正直なところ、とても普通の物語というか、
起伏が優しいにすぎるといった感じで、多分俺は、来月には内容を覚えていないんじゃないか
そう思ってしまうような印象が薄い物語なんだけども、
双子の妹が死んでしまって、その彼氏と月命日を過ごすだとか、
再婚した家族とうまくいってない少年の話、
隣に越してきたシングルマザーとなんかあるのかないのかという話
そんな感じだけども、それぞれ切ないとも違う
なんともいえない、落ち込んでいるときにある妙なイベントに遭っている
そんな瞬間で、そこを抜けると新しいことに慣れてくるんだよなと
思わされる内容だった
なんか、直木賞とったそうだが、芥川賞っぽい雰囲気というか
人間を描いているなと思ったのでありました

変化は描いているんだけども、明るい兆しとも異なる、
でも不穏や、不安ではないという
不思議なそれだったと思うのである