ひとり日和 作:青山七恵
ふわっとした感じの小説だった
たしか芥川賞受賞作品だったと思うんだが、
なんともいえない空気管というか、モラトリアムとも違うんだが、
何か、ふわふわした身持ちから、独り立ちする、ひとりというものに身を投げる
その移ろいを描いていたように思うのであります
遠い親戚のおばあさんの家に下宿するという設定なんだが、
こういう状況というのが、現在においては絶無じゃなかろうか
発刊が2007年だそうなんだが、それでもなかなか、お目にかからないような気がすると
思いつつも、そういう、あまり親しくない親戚と暮らすという
不思議な生活が、家から出たという状況でもありながら、
まだ何かの庇護下にいるという感じで、
でも、そこではなく、ただ居心地が悪いということに終始する主人公
そんな描写の中で、自分のこととして、
続かない恋愛が二件ほどあってということなんだけども、
その恋愛の移ろいと同じ速度で、おばあさんと親しみでもないが、
不思議な連帯、生活感というものが醸成されているのが緻密で上手い
別に何がということではないけども、
気づいたら、そこは自分の家、とでもいうような、住んでいるところになっている
そして、そこから出ていくということが、
ここに来たときとまるで違う、本当の巣立ちのようになってて、
なんともいえない感情があふれてくるようでよかったのでありました
別に独り立ちするということは、いいことに決まっていないというわけでもなかろうが、
主人公が、一人になり、既婚者と競馬を見に行くなんていうセリフで終わるあたり、
独り立ちというもの、何から出て、どうなるのが一人なのか
考えさせられる内容で、すごくよかったと感じたのでありました
起伏というか、事件のない物語だけど
読んで、いいなと思えたから
これはきっと名作なのだろう
ふわっとした感じの小説だった
たしか芥川賞受賞作品だったと思うんだが、
なんともいえない空気管というか、モラトリアムとも違うんだが、
何か、ふわふわした身持ちから、独り立ちする、ひとりというものに身を投げる
その移ろいを描いていたように思うのであります
遠い親戚のおばあさんの家に下宿するという設定なんだが、
こういう状況というのが、現在においては絶無じゃなかろうか
発刊が2007年だそうなんだが、それでもなかなか、お目にかからないような気がすると
思いつつも、そういう、あまり親しくない親戚と暮らすという
不思議な生活が、家から出たという状況でもありながら、
まだ何かの庇護下にいるという感じで、
でも、そこではなく、ただ居心地が悪いということに終始する主人公
そんな描写の中で、自分のこととして、
続かない恋愛が二件ほどあってということなんだけども、
その恋愛の移ろいと同じ速度で、おばあさんと親しみでもないが、
不思議な連帯、生活感というものが醸成されているのが緻密で上手い
別に何がということではないけども、
気づいたら、そこは自分の家、とでもいうような、住んでいるところになっている
そして、そこから出ていくということが、
ここに来たときとまるで違う、本当の巣立ちのようになってて、
なんともいえない感情があふれてくるようでよかったのでありました
別に独り立ちするということは、いいことに決まっていないというわけでもなかろうが、
主人公が、一人になり、既婚者と競馬を見に行くなんていうセリフで終わるあたり、
独り立ちというもの、何から出て、どうなるのが一人なのか
考えさせられる内容で、すごくよかったと感じたのでありました
起伏というか、事件のない物語だけど
読んで、いいなと思えたから
これはきっと名作なのだろう