ホテル・カイザリン 作:近藤史恵
表題作を含む短編集
ミステリのようでもあるけど、サスペンスや不思議話に近いような
後味の悪いものもあれば、ほのかな希望を描いたものもある
多種多様でバラバラなんだけども、なんか通底したものを感じる
不思議な物語ばかりだった
情念や、人間の感情といったものを取り扱った、
あるいは、そういう側面をまだ言語化されてないものとして描いた
そういう作品が多くて、単純に嫌だなとか、その動機がわかるなとか、
気持ちや感情ではそう判断しているけども、一言では言い表せない
まだ言葉になっていない事象を取り扱っていたように思う
単純な悪意というものを描いたりもしていて、
その悪意が、明確に意識したものと、そうではないが正義心と思っていたものとで、
結果がどうであったか、そこに宿る後悔とも異なるものは何かと
誰が悪いとも言い難い、救いようのない悲しい話もあれば、
何かから逃げてきて、でも、異邦の地でそれが何か、どう向き合うか初めて気づくという
スタンダードな復活回復の話もあったりして、
一冊読むと、トータルで、負でも正でもないというバランスの良さが見事だったと思う
嫌な話ばっかりでも詰まるし、いい話ばっかりでは面白くないという
贅沢な悩みを見事に解決してくれている短編集だった
表題作は、はたして友情や恋情の話だったのかと
いぶかるようなものだけども、そこに灯っていた感情は、
似たものに対する好意という点では、どちらでもあったように思えたり
それが心からのものであるかどうかは、わからないけども、
そうであってほしいのかどうなのか、それすらもわからない事件とオチで
なんというかすごく印象的で面白かった
どれも、結局本人がどうであったかということと、客観的に読者として見てそれがはたしてどうなのかの
物凄いギャップを楽しめるというか、読者の思うことが結局他人事のようでもあるという
不思議体験ができるのが面白いと
全編すごく楽しく読み終えたのでありました
表題作を含む短編集
ミステリのようでもあるけど、サスペンスや不思議話に近いような
後味の悪いものもあれば、ほのかな希望を描いたものもある
多種多様でバラバラなんだけども、なんか通底したものを感じる
不思議な物語ばかりだった
情念や、人間の感情といったものを取り扱った、
あるいは、そういう側面をまだ言語化されてないものとして描いた
そういう作品が多くて、単純に嫌だなとか、その動機がわかるなとか、
気持ちや感情ではそう判断しているけども、一言では言い表せない
まだ言葉になっていない事象を取り扱っていたように思う
単純な悪意というものを描いたりもしていて、
その悪意が、明確に意識したものと、そうではないが正義心と思っていたものとで、
結果がどうであったか、そこに宿る後悔とも異なるものは何かと
誰が悪いとも言い難い、救いようのない悲しい話もあれば、
何かから逃げてきて、でも、異邦の地でそれが何か、どう向き合うか初めて気づくという
スタンダードな復活回復の話もあったりして、
一冊読むと、トータルで、負でも正でもないというバランスの良さが見事だったと思う
嫌な話ばっかりでも詰まるし、いい話ばっかりでは面白くないという
贅沢な悩みを見事に解決してくれている短編集だった
表題作は、はたして友情や恋情の話だったのかと
いぶかるようなものだけども、そこに灯っていた感情は、
似たものに対する好意という点では、どちらでもあったように思えたり
それが心からのものであるかどうかは、わからないけども、
そうであってほしいのかどうなのか、それすらもわからない事件とオチで
なんというかすごく印象的で面白かった
どれも、結局本人がどうであったかということと、客観的に読者として見てそれがはたしてどうなのかの
物凄いギャップを楽しめるというか、読者の思うことが結局他人事のようでもあるという
不思議体験ができるのが面白いと
全編すごく楽しく読み終えたのでありました