CLASS3103 三十三組

しがない個人ホームページ管理人の日記です。

西陣興聖寺

2022-02-05 18:10:20 | 陶磁器を探す旅と名物

実に40年ぶりに公開になるのだそうで、
古田織部ゆかりの寺として有名な西陣興聖寺に朝から行ってきたのでした

1603年建立で、その発起人となったのが古織だったそうで、
時期からすれば、関ケ原のあと、幕府が開いたかどうかといった感じかと
色々感慨深く思うのでありますが、おそらくは幕府指南役の茶頭になってたんじゃないかと
そんな折に禅寺として建てられたんだそうで、一般公開はほとんどされておらず
なかなか入ることもかなわない寺院であります

と、まぁ、そういう話を聞いてきたということなんだが、
京の冬の旅というツアーみたいなのが企画されておりまして、
その一つとして拝観できたのでありました


本堂
基本的に外観的なところしか撮影が許可されていないので、
この本堂内がかなりよかったんだが、写真がこれしかないありさま
禅寺の本堂というわけなので、下が床敷きではなく、石が敷き詰められていまして、
鏡天井という、床面と並行になった龍の絵天井が荘厳なつくりでありました
この作りだと、音がよく反響してお経とかがとかく響くんだそうで
試しに手を叩いてみてといわれて、やってみてびっくり、
わんわんというか、ジンジンといった感じで音が反響したのでありました
非常に面白い体験だった

本尊にお釈迦様、左右に文殊と普賢、さらには藤堂高虎寄進と伝わる達磨大師像などなどありまして
大変ありがたい内容となっておりました、
そして当然のごとく禅寺なので、座禅をこの本堂内で組むことができるそうで
なんか機会があったら、やってみたいなと思わされたのでありました
すげぇ寒そうだが、ご利益というか、なんかよさそうな感じがする



続いて、北に位置する館というか、方丈の間にやってきてみる
仏教によくある、「月を指さす」の扁額と、檀家さんが納めたというフィジーの海の写真をそのままふすまにした
なかなかへうげたものが飾ってありました
天井も四季を表した絵天井なんだが、こちらも檀家さんの寄進だそうで
なんともありがたいものを見たのであります
さらには、ここにしかないという、非常に珍しい一切経もあったりして
今回の公開はこの一切経保管のための募金も兼ねてるとのことで、
なんとなし寄進せねばという雰囲気に、とりあえず特別御朱印を買わせていただいたのである


こちらがそれ、紺紙金泥で織部の文字がなかなかイカすところである
私は御朱印帳については神社のそれしか持ってないので
そのコレクションには入れられないわけだけども、
とりあえず寄進の代わりにもなったしよかろうと満足なのである



そして、織部寺というだけあって、茶室もちゃんとあるんだが
これが茶室でありながら、織部像を安置する場所になっておりまして、
茶室自体はこの建物の端に作られていて、燕庵と同様の窓が多い明るい茶室になっておりました
どうやら、昭和になってから再建されたものだそうで、
薮内家監修とのことだから、そりゃそうかといった感じであります
もう一つ、こことは別に茶室があるらしいのだが、そっちは公開されておりませんでした
とりあえず、織部像にありがたく手を合わせてみたのである



そしてもう一つの見所、降り蹲なるもの
蹲がすり鉢状の底に設置されていて、どういうものかわからんが
ともかく面白い造形だとみてきたのでありました
傍らには織部灯籠も立ってたし、なんというか、約束のものを見た
みたいな楽しさをかみしめたのであります

ひょっとすると蹲はなんらか音でも楽しむものだったのかもしれませんが、
なんせ寒くてそれどころではないというか、ちゃんとそこまで気が回らなかったのでありますが
ともかく、楽しく見て回ったのでありましたとさ

すげぇ久しぶりに京都のお寺を見たという感じだが
たまには、観光寺巡りもよいかなと、どんどん趣味が年よりじみてきたのである
いや、年相応なんだろうと思うのであった

【読書】真夜中乙女戦争

2022-02-02 20:55:44 | 読書感想文とか読み物レビウー
真夜中乙女戦争  作:F

だいぶこじらせた中二病症例みたいなお話だと思いつつ
最終的には、ごく単純な、誰かを好きなのかどうか、
そして、好きな人とどうありたいか、そういう話だったように思う
壮大なというか、ヤバい事件の渦中にありながら、
ただただ好きな人と会話をしたかっただけ
そうともとれるような物語なんだけども、なかなか面白かった

とはいえ、場面というか、展開が急激に変化していくので
途中どっか読み飛ばしたんじゃないかと不安になるくらい
SFのような世界に足を踏み入れていくのが衝撃的だったんだが
色々勢いで読んで、そして、物語の本筋かのような世界を破壊するという目的に気を取られていると
つと、ただのもじもじした恋愛小説だったのでは?という読み応えで終わるというのが
正直なところ小説として、これでいいのかと思わなくもないくらいの
なかなかの潔さにあふれていて面白いと思えたのでありました
こういう流れそのものが、おおよそ、中二病っぽくてステキ

劇中でちょろっと触れていた、「夜は短し歩けよ乙女」と「何者」とのクロスリンクじゃないけど
そのエッセンスを中二病というので描いてみたという感じにも読めて
興味深かったのでありました、多分劇中に出てきた映画もあれこれエッセンスとして存在するんだろう
そういうものをごたまぜにした、ある種のオマージュというか、コラージュというかと
そんな小説だったのかとも思ったりするのである

全体的に文章がとがりすぎているというか、疾走感で押し切るようなところがあって、
好みが分かれそうだなと思いながら、結構読むのに苦戦してしまったのだけども
あまり深く考えて読むというよりは、描写と割り切って
そのスピードを堪能して、物語に轢き逃げされるみたいな読み方が
一番楽しいそれだなと思ったりしたのでありました

出てきたキャラクタというか、ヒロインはいい女だと
こう思わされるあたりもまた、すごく中二病的だと感じるのであった

【ドラマ】岸部露伴は動かない シーズン2

2022-02-01 20:56:17 | ドラマ映画テレビ感想
昨年末、NHKが味をしめたとみえて、
続編が放映されました
実写ドラマなのに、完全にジョジョじゃんという感想が
とても心地よいそれこれでありましたが
今回も、基本ベースは前回と同じような感じで
3本で一つというくくりで、掴み、狂演、不思議オチといった感じで
どの回も等しく面白かったのでありました
が、前回もそうだけど、オチになる最後のそれが
難解というか、難しいそれで終わるよなと正直な感想をしたためておくのであります
とはいえ、すべて面白かったので
また今年の年末もあるのか、もう無理なのか
楽しみな感じでありました
役者も年齢重ねてしまうから、やっても今年までなのかしらね

今回も、前回と同じく、話と役者が完璧にあってて
すごい面白かった第一話、
役者の怪演が原作を取り込んで、より怪物化したみたいな第二話
そんな塩梅で、甲乙つけがたい面白さでありました
個人的には、きわどく、第一話の方が好みだったんだが、
まさか、筋肉の神役が、渋沢の孫役の人だったとは
まったく気づかなくて、役者さんてすごいなと
改めて感動したのでありました

筋肉の神については、もう、なんというか、
あの体で仕上がっているという、ただそれだけで十分によかったわけだけど、
話しのホラー加減が、かなり現実に近いというか、
本当にありそうな感じが、他のに比べて特に高いからか
サスペンス味もあってすごくよかったと思うのでありました
ああいう、ちょっと常軌を逸してしまった感じの人って
いそうだよなぁというところと、それが得体のしれないものに憑かれたというのが
すごくよくわかるというか、
原作はこのちょっと前にアニメでやってるのを見ただけだけども、
あれだけでは、ジョジョ知らないと受け入れにくい感じかもと思った部分が、
3つ揃いで、すべて妖怪に取りつかれたからという話しになると
解りやすいというか、なるほどと思えるあたり
よくできてて、よかったなとほれぼれしたのでありました
ともあれ、ナチュラルに筋肉に取りつかれていく感じが
筋肉のためというのではなく、どこか、可笑しくなってきていると
ごく当たり前に壊れるというか、変化していくのが
演技としてもすごいよかったので、一番楽しめたと思うのでありました

二作目については、前回のくしゃがら相当のそれで、
これは、無理というか、かなりジョジョっぽい内容を役者の怪演で
なんとか実写ドラマとして成功させたといっても過言ではない、
もう、猿之助さんの違和感しかないのに、ものすごくスムースな演技が抜群で、
ある意味、ジョジョという物語自体が、歌舞伎っぽいのかもしれんと
けれんみと、ある種の見栄に近い、ジョジョ立ちを巧妙に潜り込ませるそれこれが
すごくよかったと感じ入ったのでありました
それを向けられての、高橋さんもこの物語の時の演技が
個人的には一番好きだったように思う
いや、筋肉の時の、好奇心に抗えない顔もすごくよかったから、
甲乙つけがたいけども、
これに関しては、やはり、このオチ部分である
顔が見られないのが残念なところが、すごくよかったと思うのである

そして、一番妖怪っぽいというか、
そもそも妖怪の本筋だった、3つめ
これは、ヒモ男が想像とだいぶ違った感じだったのと
漫画だとまぁ、そういうもんかと思えるけど、
実際のところ、あの状態でバレないように、軍平くんを隠すのは絶対無理だよなと
そこを実写だと、どうしてもぬぐい切れないように思えてしまったので
個人的には惜しいとか思ってしまったのである
でも、なんだかんだすごい面白かったというか、
セリフが、一番ジョジョっぽくて好きだった
「~じゃぁないか!」ってセリフがそれなんだけども、
館の女にもあったし、露伴にもあって、どっちもさりげないというか
違和感ないのに、ものすごくジョジョだという感じで大好きだった
あと、オチ要員としても、編集者の女の子がきわめて優秀なのがすごく好きだ
というか、このシリーズにもはや欠かせない存在になってしまっているのが
本当、とてもよいことだとほれぼれしたのでありましたとさ

まぁ、長々、他愛のない感想を書き連ねてしまうわけだけども、
とてつもなく楽しめたので、是非もう一回やってほしいなと
制作班に要望と、今回の感謝のためにここを記すことにしたわけである

今回もすごい面白かった