森の中の一本の木

想いを過去に飛ばしながら、今を見つめて明日を探しています。とりあえず今日はスマイル
  

「功名が辻26回」―吉兵衛、勝利の旗を振れ

2006-07-05 21:43:15 | ドラマ (大河)
 「戦から戻ったら必ず迎えに来る。」と吉兵衛が言った時、嬉しさで崩れた、たきの泣き笑いの顔に切なくて胸がいっぱいになってしまいました。

これはこれから起きる事を劇的にするための、演出なんだ。分かっていても、私はこういう演出の罠に、自ら進んで落ちてしまうタイプなので悲しかったですね。


吉兵衛の
「なんの、ここが功名が辻じゃー。」
一豊の
「共に参れ、共に参ってわしの城の天守に立て。」
これは、それぞれのアドリブのセリフらしいですが、とってもいいですよね。心打たれてしまいました。

吉兵衛の最後は、華々しく彼の花道が飾れたと思います。たきの事があったので、オープニングの5分で終わることはないとは思いましたが、本能寺のことがあったので、引っ張っておきながら、半端に終わるのではと疑っていました。でも、その心配は無用でしたね。

戦のシーンも、今までで一番良かったと思いませんか。

城壁を一番乗りで登りきった吉兵衛が、槍を城郭の屋根に投げ、山内家の旗が翻った時、嬉しくなってしまいました。こういう細かいけれど派手な演出は、武田鉄矢の好みですよね。あのおじ様はお顔は地味だけれど、本当は派手な人なんじゃないかなと思うのです。

亀山城を攻める前夜、吉兵衛と一豊との会話のシーンもほのぼのとしていて良かったです。一豊が吉兵衛の事を母のように慕っていたと言うように、吉兵衛の言葉は母の注意のように具体的で細かいです。

言葉一つで、家来は命捨てる覚悟でついてくると言われれば、すぐその手を取って実践する一豊さんは、本当にいい人です。

その時「明日は山内家の名が天下に知れ渡るか落ちていくかの境の戦い」と吉兵衛は言いますが、それが運命を決める分かれ道、功名が辻で、前述の吉兵衛のセリフに繋がっていくのです。

吉兵衛の言葉には、吹っ切ったような迷いのない覚悟の響きがあり、「今、ここで」と言う思いが伝わってきて、心打たれたのでした。


私の生活にはあまり出世と言うものが関係ないため、今までこの「功名」と言う言葉に何か共鳴できないものがありましたが、彼のセリフで違ったものが、ふと見えてきました。

自分の進むべき道の岐路。己が決めたとおり、一豊のために命かけた吉兵衛は自分の人生に勝てたと言えるのではないでしょうか。

コメント (6)
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