森の中の一本の木

想いを過去に飛ばしながら、今を見つめて明日を探しています。とりあえず今日はスマイル
  

それから僕は

2006-07-01 01:15:26 | 詩、小説

 

夢なんかみんな捨ててきちゃたよ

生きていくって言うのはさ
今日を明日に繋いでいく   ただそれだけの事なんだ

それだけの事なのに   どうして心は多くの言葉を欲しがるのだろう
まるで乾ききった大地のようだよ
「意味」とかさ
「なすべき事」とかね
・・・「結果」とか

みんな言葉で欲しくなる

でもさ、 
kyoukaraasita  kyoukaraasita  kyoukaraasita
命紡ぐ糸車、何時しか金糸銀糸が織り交ざり
やがて  一枚の布になっていく

完成しては消えていく
surusuru  surusuru  surusuru 

世界中に乱舞する人生という名の布たちよ
僕は 手をかざして  その手に触れる布たちの感触に酔いしれている

そこにはさ
言葉なんて要らない「意味」とか「結果」があるんだよ
「ただひたすら」   「ただひたすら」  そこにはそんな思いだけがある

 

夢なんてみんな捨ててきちゃったよ

そうじゃないよ、交換してきたんだよ
掛替えのないものたちと    もっと大切な何かと

だから  僕の夢が入っていたポケットは
そんな取り替えてきたもので  一杯に膨らんでいるんだ

 

だけど  あるとき僕は   そのポケットの奥底に夢の欠片を見つけた

握り締めてみれば   冷たくて心の芯まで冷えていく
頬ずりすれば   暖かくて   僕の涙をいざなうよ

夢の欠片のその中には  手に触れた布たちの一瞬の煌きが詰まっていた

心の中で  過ぎていった者たちの手を取りて
僕は 語りかけている

僕は  忘れないよ
僕が  覚えているからね

僕は  忘れないよ
僕が  覚えているからね

ー沼のほとりにてー

 

  



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