森の中の一本の木

想いを過去に飛ばしながら、今を見つめて明日を探しています。とりあえず今日はスマイル
  

鬼の国へ帰る船

2006-07-18 23:30:37 | ’08/12/7までの未整理日記

 

〈おえかきツール はまりまくっています〉
記事には関係ありません。これは鉛筆だけで描いたものです。黒だけで描けばよかったかな。

毎日毎日暑いですね。家で仕事をしていると、時計代わりにテレビがつけっぱなしなんてことが度々です。そんな時でも、時々仕事の手が止まる時があります。それは、ニュースを見ていて思わず泣いてしまう時です。

毎日毎日テレビをつける度に、新しいニュースが飛び込んできて、しかも信じられないような事ばかりです。日本はなぜこんな国になってしまったのだろう、そう思っている人も大勢いるに違いないとは思うのですが、私はなすべき事も見つからず、ただ泣いているのです。

「ア、熱い、やめて。」と言っている子供に、なぜ熱湯をかけることが出来るのだろう。どうして、人の形をしながら鬼になっていくことが出来るのだろう。鬼は鬼の国に帰れ。そう思って泣いているのです。

ある事件の判決が下りました。サレジオ学園の通学中に車が突っ込んでしまった事件です。この事件覚えていましたか? 私は忘れていました。判決を聞いて、そういえばと思い出したのです。余りにも、日々いろんなことがありすぎで、覚えていてあげる事ができません。でも、15歳や16歳の子供たちの命は、誰もが忘れてしまっても、その時まで光り輝いていたのです。

その父の話。「前日は、その子の誕生日だった。家族で祝ったのに・・」また別の方の話「その日から鍵がかけられない。夕方になると、『ただいま』と言って帰ってくるような気がする。」

そんなニュースが流れると、思考が止まってしまいます。

秋田の子殺し母は我が子の死の真相についても、やっと話し始めました。だけど、今更日本中で驚く人なんて誰もいないと思うのです。この人のことを思うとき、いつもこの人の後ろにいるもう一人のモンスターのことを考えてしまいます。

「モンスター」・・これは浦沢直樹の漫画ですが、これを読んだ人は私が誰の事をさしているのかが分かるとは思うのですが・・

この、子殺し母は、必死でそのモンスターをかばっていますね。死んでしまった子供が、食事も作らない自分の母の悪口を言わなかったのと似ていませんか。

一瞬の怒りで人は鬼にもなることもあるとは思いますが、やはり人でありながら鬼になっていくには、それなりのその人の歴史があるのではと思うのです。

たまに街に出ると、どうしてこんなに人がいるのだろうと思うほど溢れ返っています。一つ一つの器には、いったい何が詰まっているのでしょう。煌く幸せ、ダークな憂鬱、悲鳴のような憎しみ・・・

子供の頃、夏の夜は全ての窓が開け放され、そのまま眠りについたのですよ。夜風が頬を撫ぜつけて、虫の声も心地よく、通りすがりの人々の声も楽しげに聞こえてきたものです。大昔のことではありませんよ。つい、ちょっと前のことではないですか。そんな日本の夏に戻ってみたい・・

夕べ見た夢、星がさらさら流れています。何の流星群がやってきたのでしょう。流星群でもここまで流れているのは見た事がありません。夢の中の流れ星に祈りましょうか。明日の朝目が覚めたら、何も起きてはいませんように・・と。

    ―鬼の国へ帰る船はどこから出ますか。きっと一番知りたいのは、当の鬼達に違いない―


  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする