風が吹いたら遅刻して
雨が降ったらお休みで~ なんちゃって・・
ラッタ君がそんな事言いながら、部屋にやってきた。ふしを付けていないけれど、何かの歌みたい。聞いた事あるけれど、なんだっけなぁ。なんだかすこぶるいい歌詞だなぁ。
今日はそんな歌詞に憧れてしまう様な、強い雨が一日中降っていた。そんな風に気楽に暮らせたらどんなにいいだろう。と思ってふと目の前を見ると、ラッタ君が珈琲を飲んでいた。いた、ここに、そんなお気楽生活の見本が。
「行かないの、学校?」
「課題は、パソコンで送れるからサ。こんな雨の中自転車で出かけたら遭難しちゃうじゃない。」
「ルート君は行ったよ、バスで。」
「バスで行けとブス。」
「な、何・・」
「いやいや、ゴロがいいから言っただけ。そういえばみんなバスの綴りの練習の時ブスブスと言って覚えるよね。」
「そうね、bus,bus,busとね。」
「ブスブスとブスが言うバス」
「あのなぁ~。」
「いやいや、これも意味ないですよ。」
「しかし、君の学校の一時間には、万単位のお金がかかっていると思うと・・」
「・・・・・・・・・」
あれっ? 見ると彼は両耳に指を突っ込んで、にっこり微笑んで地蔵のポーズ。
その時テレビに注意報のてんこ盛りの速報が出ている。
「ほら、行ったら帰って来れなくなっちゃうでしょ。」
―そう、この子は学校まで2時間半かかるらしい。でも、ルート君だって1時間半かかるよ。
「なんだか心配になってきた。もう、ルートにも学校なんかどうでもいいから早よ帰って来いってメール送っちゃおうかな。」
「何言ってんだか、この人は。」―お前が言うなって。
「しかし凄いな。大雨暴風洪水波浪警報」
「3回続けて早口で言ってみな。」・・・・・なんて遊んでいる場合じゃないね。
どうも子供と話すのは楽しくて、本当は忙しいのに、時間を割いてしまう。でも、もう仕事しなくちゃ。
「さぁ、こうしちゃいられない。よーし!働くぞー」
「働くぞ! 母が言ったから ニート記念日」
ニャニオー こんな奴は カメハメ波~~
あっ、思い出した。ハメハメハだった。
南の島の大王は
子どもの名前もハメハメハ
学校ぎらいの子どもらで
風がふいたら遅刻(ちこく)して
雨がふったらお休みで
ハメハメハ ハメハメハ
ハメハメハメハメハ