森の中の一本の木

想いを過去に飛ばしながら、今を見つめて明日を探しています。とりあえず今日はスマイル
  

もしも三日前のアンパンマンが来たら

2009-11-03 10:40:10 | 家族スナップ

「ある日・・4」なので、「ある日・・3」の続きです。

別のある朝、ラッタ君が
「だめだ、腹が減って死にそうだ。」とリビングにやってきました。
「トーストなら焼いてあげる。」と私。

でも本当はラッタタはパンが基本的に好きではないのです。
「美味しいんだよ、こんがりパンにマーガリンを塗って。」

またラッタッチはマーガリンは毒と思い込んでいるので、嫌な顔をします。でも死にそうなので妥協です。ムシャムシャ美味しそうに食べながら彼は例の如くのたまいます。

「アンパンマンでさあ、『ああ、だめだ。腹が減って死にそうだ。』って言う時に『さあ、僕の顔を食べたまえ』って飛んできたのが、アンパンマンやカレーパンマンならいいけれど、食パンマンだったら、ちと凹むな。」

「カレーパンマンは、超人気者と言う設定らしいよ。」
「だろうな。」
「でもドキンちゃんは食パンマン様命でしょ。・・・・・ああ、だから食パンってかびやすいのか。」とショウモナイ事を・・・

 子供に人気のアンパンマンって言うのは、アンパーンチとかの必殺技を持っているみたいだけれど、基本的には、寂しい人や弱っている人、困っている人の所に飛んで行き、自分の顔を食べさせ元気を出させると言うヒーローだったと思います。

要するに励ます事によって自己解決をさせると言うわけで、自分の変わりに敵をやっつけてくれると言う他力本願と言うわけではない様な気がします。考えてみると、もともとの発想には素晴らしいものがあったのですね。

♪ 愛と勇気だけが友達さ~

この歌を聴くと、私は微妙な本当に微かではありますが、寂しさを感じるのです。「だけ」と言う限定の言葉が、その気持ちを誘発するのかと思います。アンパンマンと言うキャラクターの歴史は結構古くて、若い時に「詩とメルヘン」と言う本の中で、夕日を背にポツンと立っている彼を見た様な気がします。誰かを助け癒しても、そのヒーロー自身は孤独。

本来はそんな夕日のガンマンみたいなキャラだったのかも。

そんなキャラだった(かどうかは不明ですが)アンパンマンがブレイクして、さらにとんでもないファミリーを築き上げ、アンパンマンワールドを作り上げていった事は、知らない人の方が少ないかもしれませんね。
でもそんな事で私が思い浮かべる事は、横溝正史と共に歳イッテからブレイクして大金が入ってきてもショウモナイよねえと言い合っていたと言うエピソード。
これは私にとっては、とっても印象深いお話。いろいろ考える所があります。

 ついでですが、劇団金子のK君が多摩美時代に架空畳のY君を主役(別に彼らは名前を書いてもいいような気もするのですが、一応・・)に、「フォグ・オブ・ア・チムニー」と言うお芝居を作っていましたが、モチーフに使っていました。「愛と勇気だけ・・」の歌詞に微妙な寂しさを感じるのは、多分に彼のお芝居からの影響だと思います、たぶん。←こう言うところがおばちゃんモード?
一応その記事は→こちら

なんだか「小公女」より、熱く語ってしまいました。

「あたしが昔、君達に「アンパンマン」の本を読んであげて、一番印象に残ったのがジャムおじさんの『アンパンマンや、お前は食べ物なんだから、汚い所にいってはいけないよ。』と言うセリフだったわ。」と、私はラッタ君に言いました。アンパンマンは顔が汚れると、ヘナヘナになってしまうのです。

「『お前は食べ物』ってセリフも凄いな。でも、『さあ、コレを食べたまえ』って、あの手のイメージでちぎられても、かなり大きくて『ええ~、こんなに』って思っちゃう。」

「あっ、今気が付いた。『アンパンマン、あんこ入っていないよ。』『じゃあ、もっと真ん中から』って、・・・あんまり想像したくないかも・・」

「しかも焼きたてアンパンマンが来てくれたら、やっぱり嬉しいけれど、毎日平穏で、アンパンマンの顔を取り替えなくてすんだ場合、三日前のアンパンマンが来て、
『さあ、僕の顔を食べたまえ。』って言われてもなぁ。『えっ、ウーむ』とか言っちゃいそう。『アッ、いいです。』とか言いたいけれど、側でアンパンマンがあの顔でニコニコしているかと思うと、食べないわけにはいかないし・・・ああ、微妙だ。」

「平気よ。アンパンなんて三日ぐらい、何の問題もないから。」

って、真面目に答えるなって・・・。

 

ちなみに本当の「アンパンマン」は、毎朝ジャムおじさんが美味しいパンを焼きます。あなたが困っていたり、寂しくて一人涙するとき、飛んできてくれるアンパンマンは焼きたての美味しいアンパンマンで、食べればお腹も満たされて、元気もヤル気も出てくると言うものですね。


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