今年も後60日になってしまいました。
書ききれてなかった分の、今年観たお芝居の振り返り感想日記です。
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5月25日土曜日に青山劇場にて。
「スウィーニー・トッド」を観た日を忘れるわけがありません。このお芝居に誘われたからこそ、私は父の臨終に立ち会えたようなものです。
そう言った意味でも想い出の深い作品となりました。その経緯はこちらで→「四季の家、往復」
5月23日実家にて一族で会った時に、この芝居を観に行くのだと言ったら、
「今このような気持ちが重くなるような時に、観に行くお芝居がそれなんだ~。」とみんなに突っ込まれたのは確かです。
ジョニー・デップ主演の映画にて内容は知っていました。
ちなみにその映画の感想はこちらです。→「スウィーニートッド フリート街の悪魔の理髪師」
映画を見てからかなり日にちが経っている訳ですから、アレヤコレヤと詳しいことを覚えているわけではありません。ただいつまでもインパクト強く覚えているのは、ミセス・ラベットの最後でした。
お芝居とか関係なく、何かの折にそのシーンを想い出すこともあって、かなりの恐怖のトラウマです。
ご一緒した方は、このお話に対して何も事前情報を持っていなかったので、そこを観る前に熱く語るわけにもいかず、、このお芝居ではそのシーンはどのように描かれるのかと一人ドキドキしていました。
もちろんそこだけを待って見ていたわけではありませんが。
市村さんのトッド、重すぎなくてとっても良かったです。映画を観た時にはジョニー・デップを絶賛していたように思うのですが、心は思わずそれを裏切ってしまったように思います。
表情が豊かと言うか、ホッとするような人間らしさが垣間見えるというか・・・・。
またその表情とセリフの抑揚からトッドの気持ちが分かりやすく、説得力がありました。
だからなのか見終わっても物語の重さにクタクタになるようなことはなく、
そして救いのないような物語であるにもかかわらず、何故か元気のようなものが沸き上がってきたのでした。
もしかしたらそこに映像と生の舞台の違いがあるのかもしれません。
「歌の力」―やはりそこにもそれは存在していたのだと思います。
そしてミセス・ラベットの恐怖のトラウマから、私は開放されたように思うのです。なぜならカーテンコールで大竹さんのラベットは
「まったく、もう~、なんてことしてくれるのよ。」と言う風にプンプン怒って出てきます。
そりゃあ、怒って当然だよねって見ている私達も、思わず笑ってしまいました。
コミカルで可愛いミセス・ラベット。
ちょっとお茶目なトッド。
もちろんカーテンコールでの二人です。
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「元気出たな~。よ~し、頑張ろう。」
そしてその足で私は実家に向かいました。
父はこの日の翌日にー。。。。。。。。。。。
市村正親/大竹しのぶ/キムラ緑子/ソニン/武田真治