お墓と言っても、父のではないです。父のお墓は新品でピカピカですから。って、言ってみて虚しくなる私。
お墓、義父のです。
義父は60で心筋梗塞を患って、10年間家で静かに暮らして70で肺がんで死にました。
お酒をこよなく愛し、規則正しい生活をしていた義父。おしゃべりも好きで、訪ねた時には二人で顎が痛くなるほどしゃべりました。そんな事を義母に言うと
「へえ~」と不思議そうな顔をされたものです。
リタイアしてから義父の世界は狭かったので、時には他の嫁さんの悪口をよく聞かされました。
もしかしたら、他の嫁さんと会っていたときは、私の悪口を言っていたのかもね。
これといった趣味もなかった義父の家の庭は雑草一本生えないピシっとしたものでした。チョットでも生えると彼が抜きに行くからです。そして庭の入口から玄関までの敷石は、汚れると彼はそれらを振るって洗いなおし、いつでも綺麗にしていました。
敷石というものは、このように洗うモノなのかと思いこむほどでした。
義父が死んで、誰も庭の石など洗う人などいなくて、あっ違うのかと分かったようなものです。
そんな義父のお墓なのに、いつの間にか墓石の周りの敷石が黒ずんで汚くなってしまいました。そしてお墓参りに行く度に草もぼうぼう。ある時、お墓のお隣さん〈もちろんそのご家族の方。本人さんじゃホラー〉が除草シートを敷くと良いよと教えていただいたのです。
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それで汚い敷石を除き、それを敷き石を交換しようということになりました。
だけど季節は夏に向かっていた頃。
とても大汗をかくような事は出来ません。
そしてこれから季節はどんどん寒くなっていってしまうのですよね。決行は程よい陽気の今しかありません。
最初はうちの家族だけでやろうかと提案しましたが、夫は三人兄弟なんですよね。みんなで集まってやることにしたのです。
時間にしたらあっという間でした。でも決して楽ちんな作業ではありませんでした。
今日、男たちは背中痛とか腰痛とか大変だと思います。
汚くなってしまった敷石は土のう袋に持てる範囲の重さまで入れ片付けました。これは義母が裏庭に巻く予定。
それから砂を入れ、その上にシートそして新しい石を敷きました。
お墓のお掃除も念入りに。石は水に濡れたら青っぽく変わって更に綺麗に見えるようになりました。写真はチョット遠慮して撮らなかったのですが、義父はその綺麗な石を見てきっと満足したことだと思います。
上にシートの画像を貼ったので、ついでにこれも貼っておきます。
お墓の洗剤は専用のものを使わないとだめなんですって。知らないで最初の頃はクレンザーなんて使っちゃっていたかもしれません。
今は↓。
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最後にお花を飾って、みんなで満足して祈ってきました。次に来るのはお正月。まあ、うちは私の実家に帰るんで行かないことが多いのですが、日頃の貢献度を考えたらお義父さんだって許してくれるってもんですよ。
ところで、義父の近くのお墓のお花には蜂が来ていました。お墓参りに来たばかりなのねと思い墓碑を見たら11月10日がご命日でした。ついでながら軽く手を合わさせていただきました。
ふと頭を上げて見回すと、綺麗なお花が飾ってあるお墓の所が幾つかありました。興味に惹かれて近づいた義姉が
「これ、造花よ~。」と言いました。
常に花を絶やさないようにする家の仏壇に、ブリザーブドのアレンジを花の持たない夏などに飾るのは良いアイデアだと思います。でもお墓の花は参る時に咲いていれば良いのですよね。咲き続けるものではないはずです。もしも咲き続けることを望むなら、脇に花を植えてしまえばいいわけですから。だから枯れることを嫌って造花と言うのは・・・むにゃむにゃ
まあ、清少納言が生きていたら〈本当に生きていたら、それもホラー〉、言うかも知れません。
「凄まじきもの。お墓の造花。」って。
近くの空き地に種がこぼれて咲いていた花。トップ画像のも。