思えば中学生の時の真夜中、姉に
「ねえねえ、この曲、凄く良いよ。」と揺り起こされて聴いた「夏休み」。
あの時から、ずっと私は吉田拓郎氏のファンなのでした。
彼の声と音楽と詩の言葉が、いつも私の脳波を振幅させ心を鷲掴みにして来たのです。
彼のLIVEに行ったのは初めてではありませんが、今回の千葉文化会館で行われたこのLIVEは私にとって特別なものになったような気がします。
なんて言うか・・・・・
最高でした。
彼は68歳。
でも彼の音楽を聴いていると、何かまだまだいけるとそんな気がしてくるのです。
負けていられないわ。私も頑張るわ。
近頃の私は、どんなに頑張っても生きてきた時間より生きていく時間の方が絶対に短いわけですし、生を見つめてと言うより、シビアに少しずつ死んでいく準備をしながら、できる範囲の少々のおまけのようなものが見つかればいいや的な覚めた感覚でいたように思います。
でもなんだか血が沸きたちました。
そして心が躍りました。
ああ、そうだった。
私はこの感覚に飢えていたのだと思いました。
ダイレクトに心に伝わってくる音楽の力に圧倒されながら、どんなに生きてきた時間より生きていく時間の方が短かったとしても、最後までしっかり生きていこうと思ったのでした。
※ ※ ※
以下はLIVEの雰囲気と内容のメモ。〈いわゆるネタバレってやつ、しています。全会場が同じというわけではないですが、これから行く方はお気をつけて〉
「AGAIN」を何回も聞いて予習していったのも良かったように思います。
AGAIN | |
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1曲目「今はまだ人生を語らず」
2曲目「今日までそして明日から」
3曲目「落葉」
この「落葉」の時、後ろのスクリーンに花火が上がりました。
拓郎さんはそれを見つめるようなそぶり。
ああ、これはあれですね。「つま恋」再現ですよね。
実はワタクシ、3階の一番後ろ。この席、私にとっては最高でした。
下を見下ろすと、一階の席は1曲目から総立ち、手を振りもうノリノリです。
3階の一番後ろだって負けてはいませんよ。まるで1階の席の人たちの間にいるかのような同じ感覚でノリノリでしたよ。
すると、隣の席のおばちゃんが…と、失礼、女性が
「タクロー。かっこいい!!!」と叫びました。
うひょー!!!
それ、羨ましい。
やってみたいけれど、それだけは自信がないのよね。途中で声がかすれたり、声量不足でまるで歯が立たなかったら恥ずかしいじゃない。
ワタクシ、この女性を凄くかっこいいと思いました。
舞台ではかっこいい拓ちゃん。そして元気なかっこいい観客の人々。なんだか幸せな気分です。
だけどこの時なんで3階で良かったと思ったのかと言うと、1階の人たちはこのまま最後まで総立ちの雰囲気です。まるで若者のライブの様です。
言っちゃあなんだけれど、皆さんおばちゃんとおっさんの集まりです。私は最上級ではないけれど比較級で言うとその中でも若い方だと思うのです。でも元気さから言うと、私の方がよっぽど年寄り。
ずっと立ってるなんて絶対に無理だわーと思ったのでした。
でもさすがの拓郎さんですよ。
3曲が終わった時に言いました。(おとといの事なのでセリフは不正確。いや、おとといでなくてもいつもセリフは不正確と書くべきか。〉
「ええと3曲のアンコールを歌いきりました。もうすべて出し切った感じがしますので、後は惰性でやります。だからみなさんもどうぞお座りください。」と。
みんな園児のように素直に従いました。もちろんこの先も何度も総立ちシーンは多数でしたが♪」
私もこの先も後ろの人に気を遣う必要もなく、立ったり座ったり自由に楽しみました。
舞台と客席はとっても近いと感じました。(実際は広いですよ、文化会館は)
やっぱり3階席の外れから、若い女性の声が飛びました。
「かっこいい~!!」
すると拓郎さんは
「1970年にエレックレコードに入ってから、僕はずっとかっこ良かったんです。」と言い、
1階の方から男の人の
「愛してる~!!」と声が飛べば
「1970年にエレックレコードに入ってから、ずっと愛されています。」と返す。
「たくろー」「たくろー」「たくろー」とあちらこちらから声が上がれば
「そのうち選挙に出ようと思います。」などと言う。
掛け合いも楽しかったですが、拓郎さんの物語風おしゃべりも面白かったです。
〈ここは千葉だったので〉千葉の海沿いのを旅していた時にふらりと立ち寄った小さなBAR。そこでヘミングウェイが気に入っていたというモヒートを注文して飲んでいると、そのBARの片隅で飲んでいた二人の元青年が居て、その中のひとりが拓郎さんの存在に気がついた。一緒に飲もうということになって、拓郎さんはその二人の若かった頃の話を聞いた。ひとりは
「僕は拓郎さんと一緒で若い時にやんちゃしていましたよ。」と言う。だけれどもう一人は
「僕はおとなしいもんですよ。ただまじめに生きてコレということもなかったです。」と言った。
二人と別れて、そのBARを立ち去り外に出ると、見上げた空のビルとビルの間に月が出ていて、ああ、僕の68年間はいったいどんなだったろうと、秋風が吹く街角でふと思い、石を蹴って去っていったのでした・・・・・というような内容だったかな。
今度のLIVEは9月にwowowで放映するんですよ。いい気になって書いていると、まったく違うじゃんってなこともあるかも。
聞いたオハナシと言うのは聞き手の感覚にも左右されるから、20%引きぐらいで読んでくださいね。
この二人の男って、拓郎さんにとってどういう存在だったのかなとかふと思ったりもしました。いつかこのオハナシがベースになった歌が生まれてくるかもしれませんね。
小田さん、谷村さんエピも面白かったです。
でもこのLIVEで一番良かったのは、やっぱり音楽そのものです。
選曲もですが演奏と歌に、もう、本当に酔いしれました。
その選曲の件ですが、もう頭の中はごちゃごちゃです。曲名はなんとか羅列できそうですが、順不同になりそうです。検索していたら、このような所を作っていてくれた方が〈って、有名な方ですよね^^〉。そちらの掲示板などを参考にしていただけたらと思います。
この先読むのも楽しいような気もします。
アンコールは「こうき心」から4曲。
この歌は、本当に今の私へのエールのような気がします。
歌詞は載せられないので、こちらからどうぞ→「こうき心」
ラストは「純情」
阿久悠さんも加藤和彦さんも大好きでした。
「まだ足りないまだ足りないまだ心が軽い」
そっか~・・・・・。
って、何がそうかなのか分かりませんが、心が揺さぶられたのは確かです。
ありがとう、拓郎さん。
私、今日からまた頑張るよ―。