お正月には上質のドラマのスペシャルが多い年もあったり全くなくて、拷問のようにバラエティを見せ続ける年もあるじゃない。
もちろん気に入らなければ、テレビなんだから「消す」と言う選択肢を選べば問題がないわけだけれど、ドラマ好きとしてはドラマのスペシャル豊富年を望むわけですよ。
元日にやる「相棒」以外は、今年は他に何かあったかしら。〈テレ東京は見る事が出来なかったんだm(__)m〉
そんな感じだったので、11日12日に二夜連続でやった「オリエント急行殺人事件」は、本当に楽しみだったしそして楽しみました。
1夜目はアガサ・クリスティの原作に忠実な展開。
野村萬斎がポワロならぬ勝呂武尊役。
私もアガサの作品は大好きで、原作物をやる以上そのファンのイメージを損ねないと言うのはとっても大切なポイントだと思います。まったく原作も知らないでポワロにも何も興味がなかった人には、この萬斎さんの演技はどのように感じたのでしょうか。ちょっと興味のあるところですが、ポワロ好きな私にとっては、「凄いよ、萬斎さん!!!」と言うのが、その感想です。
「オリエント殺人事件」は1974年に劇場公開された映画が有名だと思うのですが、2夜連続の1夜目はこの映画のイメージに忠実であったように感じました。
もう一度見て、比較してみたいものだと思ったぐらいです。
ところで私はこのような感想を書くときも、少々の間違いや思い込みは許していただきたいのですが、あまりインチキな事は書きたくないので、一応ウィキ様を頼って確認はしておくのです。
で、三谷氏のこの作品への憧れのようなものを感じたのですが、あながちそこは間違いではなかったのだと思いました。
だけどだからこそ三谷氏は凄いなと思いました。
「オリエント急行殺人事件」はその犯人からそして選択された結末まで斬新で、本で読んでも映像で見せられてもその世界に引き込まれますが、その引き込まれた先でそれぞれの登場人物に物語を与え、そこに至るまでの別のお話を作り上げてしまったのですから。
言われてみれば、その犯行に至るまでの彼らの短くて長い歴史があったのですよね。
〈言われないと考えもしなかった…💦〉
きっと氏の脳内では、それらの人たちがいつか世に出るまでいきいきと殺人計画を練っていたのに違いありません。
2夜目。
夫が
「なんだかこれ、忠臣蔵みたいだな。」と言いました。
ツイッターを覗いてみたら、同じような事を言ってる人がいて、そしてドラマ内でも「女大石」と言うセリフも出てきましたね。
「正義の殺人」ーそんなものはないですよ!
だけれど日本人は好きなんですよ。「忠臣蔵」が。
ーそうか。「忠臣蔵」だったら仕方がないな。
と言う構図になっていくわけで、それを意識させたのも三谷氏のさりげない罠なんだと思いました。
我が家での終わった後のミニ討論会。
夫と私の共通項がドラマ視聴と言う・・・・('◇')ゞ
私が
「杉下右京には絶対に出来ない選択だな。」と言いました。
彼
「だって右京は警官。ポワロは探偵だからね。この人だって本当は苦渋の選択だったと思うよ。凄く悩んでこの結論を出したと思う。」
ー えっ、そんなシーン、あったっけ?
だけど、私は夫殿の意見と同じ。
まったく描かれていなかったけれど、アガサの〈一応〉遺作でポワロ最後の作品「カーテン」を読んでしまっては、そのように解釈するしかないのですよね。
だから子供の時に見た映画の「オリエント急行殺人事件」の明るい雰囲気には違和感がなかったのに、このドラマの爽やかな終わり方には、ビミョウな「なんか違うな」感を微かに感じたのでした。でもそれは三谷氏の犯人に優しいという特徴でもあり、また映画の「オリエント急行・・・」への憧れなんだなと感じたのはそこでだったんですよね。
ところが今朝Wikiさまでリサーチしていたらデヴィッド・スーシェ氏がポワロを演じている「名探偵ポワロ」のこれのあらすじが出ていて〈実は未見〉、そこにはポワロの苦悩が描かれているのだそうです。思わず
「ありゃ? あやつ〈夫〉はこれを見たのかや?」
って、思った次第。
最後にまたこのドラマの事に戻りますが、セットも衣装も素敵でしたね。そして女優さんたちが凄く綺麗でした。メイクさんにも拍手です。
もちろん俳優さんたちには大拍手ですね。
野村萬斎/松嶋菜々子/沢村一樹/二宮和也/杏/玉木宏/池松壮亮/八木亜希子/青木さやか/藤本隆宏/富司純子/小林隆/草笛光子/西田敏行/佐藤浩市/
高橋克実/笹野高史/吉瀬美智子/石丸幹二/黒木華/小林星蘭/山寺宏一
豪華でした♪♪