森の中の一本の木

想いを過去に飛ばしながら、今を見つめて明日を探しています。とりあえず今日はスマイル
  

花燃ゆ第10回「躍動!松下村塾」から第14回「さらば青春」

2015-04-08 01:13:40 | ドラマ (大河)

近頃すっかりご無沙汰になってしまった「花燃ゆ」の感想ですが、ドラマは毎週かなり楽しみに見ています。

このドラマのああなってこうなっての流れ的なものが、けっこう私好み。それはとっても自然に流れているように感じるからで、また枝葉が分かれて物語が進んでいるように見えるのに、それが微妙に絡んでいくところがとっても良いと思うのです。

タイトルは乱暴にも10回から14回までの感想を書くかのごときですが、そんな事は無理なので今思っている事だけを書かせていただきますm(__)m

 

友人が言いました。

「今年の大河は、とっても勉強になるよね。」

私もそう思います。

吉田松陰も松下村塾も知っていましたが、教科書レベルで言ったら中学高校で5行程度の知識がせいぜい。今までの大河で勉強していても、吉田松陰とその塾生のエピソードはそんなになかったのではと思います。確かに「八重の桜」では脱藩して東北に見聞を広め、江戸での松陰の姿など貴重なエピソードが描かれていて「花燃ゆ」ではそこはセリフのお話で終わってしまったので頭の中で合体させたように思います。

「八重の桜」の小栗松陰は、ちょっと甘いマスクゆえに癖のある塾生の先生と言うものには見えなかったところが厳しかったようにも思うのですが、年齢的にはどんぴしゃりで、なぜ彼は死罪になったのかを分かりやすく見せてくれたように思います。

そのシーンを「花燃ゆ」はいかに見せてくれるのかも、ある意味見どころかもしれませんね。

 

第14回のタイトル「さらば青春」。私は凄く良いなあと思いました。

もう文が思うような松下村塾の一つの時代は終わりを告げてしまったのです。

 

10回のタイトルは「躍動!松下村塾」、身分は低いけれど志の高い吉田稔麿を江戸に送り出すまでの物語でした。

「何のために学ぶのか」と問う寅次郎も素敵だけれど、青年たちを見守り、実はそっと導いていた小田村も素敵でした。

そして寅次郎は、

「諸君 !  狂いたまえ。」ですものね。

「思う存分、自分の思った通りにやってごらん。」なんて事は言わないんですよね。

吉田稔麿は文に淡い恋心を持っていましたが、とうとうそれを告げずに江戸に旅立っていきます。

髪に絡まった落ち葉に自分の気持ちを重ねて言うばかり。

「文さんの事が好きなのかな。」

しかしお約束のごとく、何も気が付かない文なのでした。

 

そして次の回ではその文と久坂の恋のお話。

つかの間の華やいだ時間だったと思いました。

祝言の時の文はとっても美しかったのに、

「あの手の顔は好みではない」と照れで言った言葉を高杉に持ち出され、むっとした文。なんだか散々な祝言になってしまったように感じました。

だけれど二人の時間は本当に短くて、久坂もまた江戸に去って行ってしまいます。

文の事を思って冷たい言葉を投げかけて去って行こうとする久坂でしたが、彼の本当の心を知った文は待っていると食い下がり塾生に頼み別れの会をするのでした。

このまとめ方の何と雑な事か。

でもああなってこうなってと流れるように進むので、書ききれないのでこれで良い事に。

 

胸がキューンとなると言う経験をした文。

恋を知って、そして妻になった文。

遠くで離れて暮らし始めた夫の安否を気遣い、手紙を待つ文。

普通の暮らしとは言えないけれど、そこにはその時代をけなげに生きている一人の女性の姿が描かれていていたと思います。

 

私が「花燃ゆ」で好きな所はそこなんです。

歴史を学ぶ時、または感じる時、まずは想像力でイメージを作り上げる事をしたりすると思うのですね。

 

維新の志士をたくさん生んだ松下村塾。

そう思うと、そこはさながら英知の集まった場所で男臭さがプンプンと言う私のイメージを覆してくれたのがこのドラマだったのです。

考えてみれば、年頃の娘が共に暮らしている吉田家なんですものね。

塾生は日本の未来を憂いながら真剣に松陰の言葉に耳を澄まし、そして時々家の奥の方の気配にも耳を澄ましたりしていたんじゃないかと思うんです。

だって

「人間だもん」

 

そしてそれから松陰、寅次郎の描き方も好きです。青年寅次郎。優秀であっても若さゆえに未熟で真っ直ぐ。

10代の頃の私から見れば、29歳の男性と言ったら、立派なおじさんに見えていたわけです。だから子供だった頃、人材を輩出した松下村塾って凄いな、その人たちを育てた松陰って凄いなと尊敬していました。だけれど今この年になってみると、もう仰ぎ見るように尊敬するようなことはなく、むしろ若い人を見守るような気持ちになってくるから不思議です。

 

だからあのシーンは好きなシーンでした。

河原での地雷の実験をする時に、足が地に着かなければいいと小野が背負い河原に向かいますが、途中でその背を降りて走って行くシーンです。

何と晴れ晴れとした顔だったのでしょうか。

「諸君!狂いたまえ。」

それは自分に言った言葉に他ならなかったのではないのかと思ってしまった私です。

 

そしてその対比のように、黒煙を見て不安を感じる文なのでした。

 

「さらば青春」はもう一気に過激な思想に加速していく松下村塾を描いていました。

子供の頃、松陰も赤穂の殿様も朱子学と言うものを学んでいたと聞きました。思った事=行動をする。それはとっても危ない思想だとも。

寅次郎を見ていると、まさにそうだなと感じてしまいます。

 

だけれど時代は様々な時を経て、今を作り上げてきたのです。

危ない男、寅次郎はどうなっていくのだろう。塾生たちはどうしていくのだろう。

その時は文は何を見て何を考えていくのでしょうか。

 

今後も楽しみな「花燃ゆ」ですね。

 

 

 

 

 

 

 

 

 


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