姉に電話で、
「その件は、私がバンクーバーから帰って来てから決めよう。」と言い、ふと
―、あれっ、今なんか私・・・と思い
「今、なんか私カッコいい事を言ったような気がする。」と姉に伝えました。
「うん。聞いていてカッコいいなと思ったよ。」と姉が言い、二人で笑いあいました。
私には海外に何度も旅行に行き旅慣れた友達がいて、いつかご一緒したいと思っていました。
それが今年になるとは予想外の事でしたが〈なんたって私の新年の目当てのようなものには、今年は地味になどと言うような事が書かれているわけですから。〉、誘って頂いた時がチャンスと思って、思い切って4月16日から20日まで出かけてまいりました。
言葉の響きと言うものは不思議なもので、「バンクーバー」と言う響きは、何かカッコいいようなそんな何かを持っているような気がしました。
その事を友人に言いますと、
「そうそう、そう思う、私も。伸ばすところにそう感じるものがあるのかも。『イスタンブール』とか。」と答えてくれました。」
「うん、それも感じる。」
「マレーシアとか・・・。」
「いや、それは・・・・?」
『マレーシア』の国自体がどうとかの問題ではありません。言葉の響きの話題なのですが、『バンクーバー』と聞いた時に、その響きに惹かれたのは長音と濁音の組み合わせにあったのかもしれないと、その時に感じたのでした。
ヨシ!そこに行こうと決めた後、テレビでその都市の特集があり見てみる事にしました。
その番組を一緒に見ていた妹が、ニヤニヤして
「ここになぜ行こうと思ったの?
マイナーな所が好きなのね。」と言いました。
実はそのテレビを見ながら一番眠くなってしまっていたのは私だったので、何も反論も出来ませんでした。
・・・・ギャスタウンの蒸気時計と、ええと、つり橋と、ええと・・・・
歴史的な名所旧跡と言うものが、ここにはないのかしらー?
そう言う所が好きな私にとっては、そのテレビの特集は、結構テンションを下げる結果になってしまいました。
でも名所旧跡古い町並み以外にも、私は自然の美しい所は大好きなんです。
海も好きですが森も好き。
バンクーバーはきっとそんな場所がたくさんあると思い気持ちを盛り立てました。
その街から帰って来て今思うことは、バンクーバーは本当に美しい街だったと言う事です。
―何もない、だけどいっぱいある。
そんななぞなぞのような言葉がぴったりな街、バンクーバー。
そんな街を訪れた旅の記録です。
タイトルを見て映画「バンクーバーの朝日」を思い出す方も多いかと思います。その映画は飛行機の中で見ましたが、なんといっても意識が飛ぶことが多かったので、映画の感想を書くことは出来ません。でもこの映画タイトルには意識してしまうものがあるのです。
朝日が昇って夕日が沈むー。
それを遠い過去に日本からこの地にやって来た人や、その子供たちはこの地で見たのです。
日常の生活の中で毎日のように見る夕日は、家の窓から見る事が多い私です。
でもこの数日だけは、このバンクーバーで見たのです。
同じ太陽の沈んでいくシーン。
それを見る日常と非日常。
日常の生活に戻って、その非日常を懐かしみながらゆっくりと書いていけたらと思います。