おとわ姫が無事に第二回を終える事が出来たのは、もちろんヒロインだからに他ならないのだけれど、ただひとえに運が良い人だからなのだと感じました。
亀と衣服を交換しておとりになった事も、母上殿が言った、
「その場で切り殺されてしまったらどうするのです。」
(いつもながら不正確なセリフで申し訳ありませんが、)まさしく正論だったと思います。
少年のような恰好をして野山を早朝から誤解されるように走っていたのはいかにも不自然。今川の家来なども
「なぜ姫は・・・」と聞くと
「竜宮小僧を探していたのだ。」と子供らしい事を言ってごまかします。
このような事が出来るのは、この年代の子供だからこそ。
でもそれだって、今川の者が親がやらせたに違いないと疑ってしまったら元も子もないと思うのですが。
子供が主役の子供向きドラマでは常套のエピソードでも、これは大河の歴史ものなので、そうとう危うい展開だと感じました。
だけど母上のお叱りなどが入りフォローして、たぶんライターさんはかなり計算しているなと思いました。
亀之丞を逃がしてしまった償いに、小野政直が目付となり鶴丸と夫婦約束させよと言う下知が下ります。
でも亀との夫婦約束を守ろうとするおとわは、一回目は家出。二回目はとんでもない事を・・・と言う事で以下次回なわけですが。
下知に逆らうとするおとわは
「亀が可愛そうなのじゃ。何も悪い事をしていないのに故郷を追われ命を狙われ、帰ってきたら私が他のものと夫婦になっていたらと思うと・・・」みたいな事を言います。
戻ってきたら恋人は自分を陥れたものと結婚してた…って、どっかで聞いたことのある物語だなあと思ったら「モンテ・クリスト伯」ですよね、そうなったら。
亀は復讐の鬼となり・・・・って、おとわが鶴とは結婚しないので、そうはならないわけです。
だけど父は
「井伊の民もかわいそうじゃと思ってくれんかのう。」と、今を乗り切るためにはそれしかない事を諭そうとします。
「答えは一つではないと和尚様が言っていました。父上も母上も阿呆なのですか。」などと、他の策を考えようとしない両親に向かって言うおとわ。
親に向かって「阿呆」などと言い、母上の怒りを買って閉じ込められてしまいますが、そこで亀の父の残してくれたつつみを打ち閃いたのが家出。このつつみはきっとこれからもしばしば出てくるに違いありません。今はなんとなく下手くそなのが良いですよね。
家を出た先で出会ったあばら家に住む謎の男はこれからどのようにかかわってくるのかも楽しみな所です。
物語が丁寧に描かれていて、その緩さがこのドラマを好きか嫌いかに分けてしまうような危険な展開だと思いました。
少なくとも、おとわと言う少女は利発で大胆で行動派であることが十分すぎるくらい分かりました。
そして一途である事も。
それゆえに、同じく夫婦約束の話が持ち上がっている当の本人を前に、何とかそれを阻止できぬものかなどと言う相談をしてしまうー。
「そうじゃな。」と寂し気に言う鶴への気遣いなど全くないおとわ。
悲劇の序章はこんな所からも始まっていたのかも知れません。少女の明るい笑顔で隠されてしまってはいても。
私的には、やっぱり子役1か月は長いと感じました。もう次回で交代して頂いても良いのになあと思ってしまったのは本音です。
まあ、子供たちは可愛いのですが。