クリストファー・ノーラン監督の実話を基にした作品。
「インセプション」なんかでも、その映像に驚かされたのですが、この映画もIMAXで見ると、凄く良いらしいのですよね。残念ながら普通の映像で見ました。
IMAX経験、実は無しです。だから比較も出来ないのですが、普通の映画館で見ても良かったです。
世間でも評価が高いようで、期待して観に行きました。
だけど私、きっと世間の皆様とはちょっと違う感覚で、感心してしまったかも知れません。
確かに真っ青な美しい空が出てきます。大海原も出てきます。救出を待つ大勢の人も。
だけれどこの映画から受ける印象は、その舞台の狭さだったんです。(批判ではありません。)
主人公のここに至る経緯もなければ、故郷の母とか恋人との映像もない。さらに全く自分を語るなんてシーンもありません。ダンケルクの砂浜で救出を待つ人々の為に、必死でその背後で戦う人々の攻防の姿もない。
簡単に行ってしまえば、救出を海岸で待つ人々を救うお話。
そして、私、「凄いな。」って思いました。それで2時間の映画を作ったなんて。
でもその「狭さ」こそがリアルなのかもしれません。実際にそこで救出を待てば、見えないのは未来ばかりではなく今ある状況もなのですから。自分たちを助けに命をはって、こちらに向かう小さな船の存在すら知りえない事なんですよね。
まったく自分を語らない主人公たちですが、それでも感情移入は出来ました。
そして悲しかった・・・・
とここからはネタバレし・・・、ああ、その前に、「ダイナモ作戦」についてですが、他のサイト様で詳しく述べて説明していらっしゃるところもあって勉強になりますよね。でもそんなに詳しくなくてもいいんだと言う方で、映画の「つぐない」などを見ていたりすると、なんでだかその背景が良く分かると言う感じがしました。
そしてここからは、ほんの少々のネタバレ感想です。
良き人が死ぬのは、映画の中と言えども悲しい・・・・。
良い人でしたよね、ギブソン。
彼がいたからって言うシーンがたくさんあったのに。少々気持ちを引きずってしまいました。
民間人の船のドーソンの息子も良い人だと感じました。ジョージの死も悲しかったですが、彼は死ぬ間際に言った彼の夢(新聞に載る)を、叶えてあげた彼の行為に、思わず声を出して泣きそうになりました。
燃料切れになるまで、空でスピットファイアで戦ったファリア。
美しい空での戦いは印象的でした。
誰もあの時自分たちのために空で戦っていたパイロットはどうしたのかなんて考えないと思います。
大勢の人を助けたのに、自分はドイツ兵の捕虜になってしまいました。
静かにプロペラが止まり、音もなく不時着していくシーンは美しかったです。
「紅の豚」みたいにカッコいいなと思いました^^
ネタバレが嫌なので、映画の予習はしない方です。だけど、マイケル・ケインが隊長の声だったなんて聴き逃してしまいました。やっぱりある程度の情報は入れた方が良い場合もありますね。