10月5日の日にライブビューイングにて「髑髏城の七人・風」を観てまいりました。(敬称略で書かせていただいています。)
劇団☆新感線にとって、「髑髏城の七人」は特別な代表作だと思います。
私も一応、物語は知ってます。この「一応」と言う怪しげな書き方は、以前に観たからと言う意味です。
だけれどIHIステージアラウンド東京にて、360度回転の新劇場のこけら落としに1年3か月のロングランで上演され、その間キャストから演出まで変わって行くこの舞台に「知ってる」はあまり意味がないように感じるのです。
因みに、私が以前観たのは通称「ワカドクロ」と言われるバージョンので「ゲキ×シネ」で観ました。その感想は→ゲキ×シネ「髑髏城の七人」
そして今回の捨之介は松山ケンイチです。天魔王との一人二役バージョン。
「ワカドクロ」は、別々の配役だったので初めて見るバージョンなのです。
松山ケンイチの捨之介も凄く良かったです。彼の捨之介は決して軽くない。でもそれが彼には似合ってました。
笑わせてもくれるけれど。彼の底辺に潜む悲しみがちゃんと伝わって来た捨之介だったと思います。
それから…ええと…着流しから見え隠れする太ももが色っぽかったですね^^;
そして色っぽいし、なんちゅー美しさだって思ったのは、無界屋蘭兵衛の向井理ですよ~。
この人って、本当に綺麗な男だったんだなあと惚れ惚れしました。
だからあのマツケンと向井理のあのシーン、つまり・・・・ってこれはネタバレになってしまうのか。
じゃあ、もうちょっと後から書くことにして、本当に舞台全体がカッコ良くて、ちょっと予定が立て込んでいて無理かと思うのですが、出来たら本当の舞台で見たいと言う衝動に駆られました。
それから後の祭りの話ですが、これの前の「シーズン鳥」は歌あり踊りアリのバージョンで、やっぱりライブビューイングがあったのですよね。
どうして今頃それを知ったのだろうかと悔いるばかりです。「ワカドクロ」よりさらに成長したと言われていた小栗旬の「花」も観たかったです。兵庫が青木崇高だったし。
基本の物語は一緒なのに、キャスト・演出が違うだけで、本当に違うものの様な気がしてしまいます。欲が出ますよね~。
歌・踊りのないストレートプレイの風。でも本当にすべての者にそれぞれの物語の終わりがちゃんとあって感動で胸がいっぱいになりました。
だけど一つだけ驚いたのは、今回は殺陣が剣舞みたいだと思った事です。
新感線の舞台の殺陣は、スピードと過激さで、本当に目を見張るものがあると思うのです。でもなんていうか優雅な剣舞。効果音と光の演出が生きてはいたけれど、これも初めて見たように感じたのです。
これは勝手に私が思った事ですが、役者にその人に合わない無理を強要して、舞台をつぶすことをしないと言う事なのかも知れないと感じました。
広い舞台で優雅な向井理には、この剣舞のような殺陣が似合っていました。
極楽太夫の田中麗奈は綺麗で、沙霧役の岸野ゆきのは可愛らしくて、そして兵庫役の山内圭哉ははまり役。
もちろん、生瀬勝久も橋本じゅんも最高でした。
贋鉄斎が出てくると、なんかホッとしたりして^^
このお芝居、「いのうえ歌舞伎」って言われていますが、時代活劇。だけど、私はアニメ世代にぴったりな作品だと思うのです。
観れば、そうだなと納得していただけるような気がします。
さてこうなってくると「シーズン極」のキャストが気になります。やっぱり捨之介は古田新太かなって思うのだけれど、もしかしたら藤原竜也だったらどうしましょうって、思わず思ってしまうのがファン心と言うものなのですよね。
と言うわけで、ほんのちょっとだけネタバレ感想です。
☆ ☆ ☆
だからマツケンと向井理のあのシーン、トキメキました。
キャー !!
って。キャーって言いながら、美しいって思ってしまいました。もう腐女子と言う歳ではありませんが、少々の名残りの感情が萌えました(笑)
無界の里の惨殺シーンでも涙は無縁でしたが、あるところで一瞬ううっとなりました。
兄さんが、決意を固めて遅れて荒野を二つの釜を持って追いかけて行くシーンです。
「えっ、」「えっ、なんでここで?」って、自分自身でもそう思いました。
だけどあそこで、この「髑髏城の七人」は揃うって事なんですよね。バーンってドラマのもう一つの幕が開いて行くって感じが、雨降る荒野をひとり行く兄さんをドラマチックにして、私を感動させたのだと思うのです。
ちっとも美しくはないのに・・・・スマヌ。
美しく並んでいるメインキャラポスターに騙されてはいけないのですよね。
そうそう。
時には全力で自分を裏切ることも大事ですよね。
「出来ない」と思いこんでいる自分を。