トルコ旅行記は、まだほんの少々続きます。
と言いましても、ここからは番外編です。別にトルコでなくてもと言う話で、名所名跡はまったく出てきません。
でもやっぱりそれは、私の旅行記であることには間違いのない事なのです。
4月のある日、「藤原竜也のラジオ」を真夜中に聴いていて、その中のある話がとっても怖いと思った私。
・「「Sky presents 藤原竜也のラジオ」12&13」の中に
>『いろんなものが「恐怖症」の竜也さん。怖いものの一つに、「怖い物」がある…って、分かり辛い書き方ですね。地方なんかに良く行く機会のある役者さんたちは、けっこう同じような経験をしているのではないですか。
ロケ先の旅館なんかで、テレビつけっぱなしや電気つけっぱなしで寝たりするときは、その怖い時みたいなことを、その時滞在していたお寺の住職に言ったら、指を鳴らして何かを唱えるとだいたいの雑霊は去ると教えてもらった。
そしてある時の真夜中、クローゼットの中のハンガーがカタンカタンと鳴りだして、そうだ、あれだと実行したら、耳元で「効かないよ」と声がした・……と言うお話だったと思います。
最後のオチの所で、本当に「キャー」って思いましたよ^^』
この話がとっても気に入った私は、しばらくは友達に会うたびにそれを話して「怖い」と言う共感を得ていたのです。
そしてその頃、横浜で会ったラッタさん(息子1)にも、その話をしました。
ついでに若い頃に旅館やホテルに泊まった時に、悪夢にうなされた話や金縛りにあった話などを入れて、今度トルコに旅行に行くのだけれど、怖いなぁと言いました。でもその時、言った途端にある事に気が付きました。同時にそれをラッタさんも気が付いたらしく、コントのように声が重なりました。
「『効かないよ』のトルコ語が分からなーい !!」
で、結局、気のせい?
って事になるよね、と言うオチが付いて、なぜかラッタさんとの会話だけ笑い話になりました。
なぜこの話が「トルコ旅行記番外編」になるのかって事ですよね。
それは、いわば前振りですね。
どこのホテルとは申しませんが・・・・・って前の「トルコ旅行記」の記事を読んでいたら、なんとなく分かってしまうような記述はあるにはありましたが、まあ、たぶんそこまで読み込んでいる方もいらっしゃらないと思うので、「とあるホテル」と言う事にしておきましょう。
毎回私は星子さんよりも、早くても30分後に寝るのです。もともと深夜族と言うこともありますが、あれやこれやの準備などをするのも遅いのです。ただその日は、荷物を早朝にドアの外に出さなくてはいけない日で、やることも多く、しかも翌朝のスタートが早いのです。やるべきことを終えて早く寝なくちゃと焦っていましたが、星子さん睡眠から安定の30分から1時間遅れのベッドイン。
ただ私、寝る時は本当にカウント5も掛からず深い眠りの中の人・・・・・。
しばらくその眠りの中に居たのですが、突然、ぶるるるると言う馬の嘶きのような音で、はっと目が覚めました。
馬が嘶くわけがないので、私は迷わずバイクのエンジン音かと思いました。
「こんな一流ホテルでも、静まり返った真夜中は音を通すのね。」と思ったのです。
事実、ホテル前の道路を再びバイクが通り過ぎていく音が聞こえてきました。
「だけど、そんな音で起きたくなかったな。」とまた思いました。
するとパチンパチンと音が聞こえて来て、私はベッドの中でクスリと笑ってしまいました。バイク音が聞こえるのなら、隣の部屋の音も聞こえると思ったからです。
なぜ笑ったかと言うと、私も寝る前にパチンパチンとベッド横の明かりのスイッチを付けたり消したりしたからです。
ところでなんでホテルと言うのは、あんなにあちらこちらに薄暗い電気が分かれてあるのでしょうね。
夜になると、全部つけていても部屋全体が薄暗いでしょう。
もう真ん中に煌々と明るい電気が欲しい所です。
それと常夜灯があれば良いじゃないですか、などと思わずムードもへったくれもない人を暴露してしまいました^^
そしてそのホテル、やたら薄暗い電気があちらこちらにあったのです。これを付けるとあっちのスタンド、そしてこっちのスタンド、ドア付近、あっちの壁側、こっちの壁側・・・・・・・・・。
そしてですね、私のベッドサイドと星子さんのベッドサイドのスイッチが別々の場所のスイッチで、全部で10個もあったのですよ。寝る時に真っ暗と言うのも危ないので、一か所だけ付けておくことにしました。そして私の方が後から寝るので、電気係は私です。その一か所のスイッチを見つけるのに、けっこうパチンパチンとやってしまったのです。
だから私は笑ったのです。お隣さんも同じ事をしていると思って。
だけどそのパチンパチンがずっとずっと続いて止まりません。
申し訳ないのですが、
「ちょっと頭、悪いんじゃないの。」なんて事を思ってしまいました。
おせっかいなので、隣の部屋に行って、
「もう、ここですよ。」とやってあげたい気分にもなりました。
そう言えば一回、この旅の途中で、やっぱり電気の件でヘルプしたことがありますよ。何をしたのか忘れてしまいましたが。助けたと言うと偉そうですが、私たちも一回鍵が開かなくて、助けてもらったこともあるのです。旅は助け合いですよね。
しかしもう既に真夜中だしな・・・・・・なんて事を考えていたのですが、流石に変じゃないの、これって思えてきました。
いくら周りが静かになった真夜中とはいえ、隣の部屋のスイッチを消す音が聞こえてくるものなのかしら。
それも延々と。
だいたい起こされたのだって・・・・・、と、そこの部分はあまり考えたくはなかったのでしたが、私は右側を下にして寝ないと、めまいを起こしやすいので、その日もその向きで寝ていたのです。道路は私が向いている右側にあったのに、最初のぶるるるると言う音は、左側の耳の斜め上から聞こえてきたのです。
「ちょっとだんだん怖くなってきたな・・・・・。」
恐怖を払うために、私は私の信じるある言葉を心の中で唱え始めました。
と、その時、あの「効かないよ」の話を思い出してしまったのです。
そして更に、ふと私は気が付いてしまったのです。もしも何かが私に何かを言う場合、それはトルコ語なんかじゃなくて、テレパシーと言うものなんじゃないかと。
すると、もしもそう言う言葉を発せられたら、私は私の耳元で私の声で日本語で「それ、効かないよ・・。」と聞くのではないかしら。思わずぞーっとしました。言葉が分からないから怖い目には合わないと言うのは甘い考えだったのだと気が付いてしまったからです。
しかしこの延々と音が続いているのは、洗面所で何か不都合が起きているとかかも知れないと思いました。
明日の朝、床がどうにかなっていたら嫌だから、チェックしに行こうかと思いました。
だけど、止めておこうと思いました。私のシグナルが鳴ったのです。
「起きだして行ったら思うつぼじゃん。」と。
思わず、「誰の」とツッコミを入れたくなるような発言ですよね。
意外とこれ、本気で思っていたのですよ。私、もう怖くて左側が向けません。だってスイッチはそちら側に有ったのですから。
それでどうしたのかと言うと・・・・。
私ね、ちょっと変な家の変な環境で育ったんですよ。いや、別にメチャクチャ変ってわけでは無いですよ。90%は普通の平凡な家です。ただ世の中にはいろんなことがあるな~と信じる事が出来る家だったと思います。
それで、わけの分からないスイッチの音が延々と続いていると思うと、気になって眠れないけれど、何かの意思があるのかと思ったら、怖いけれどいつも通りの対処法で行く事にしました。
「明日の朝、本当に早いのよね。申し訳ないんだけれどね、お付き合いできません。分かってあげられません。聞いてあげられません。ゴメンね。私は寝ます。」と息のような小さな声で言い、枕が動いてくれなかったので、ベッドメイキングでしっかりベッドに織り込まれた上にかかっているものを、力任せで引っ張り上げ、その中にもぐって寝てしまったのです。
その後にパチンパチンが続いていたか、私は知りません。なぜなら私は3秒かからずに眠りの中の人。
次に私が目覚めた時は、朝でした。
恐怖の源はたいがいは想像力にあると思っています。
それは分かっているのです。
朝起きて、真っ先に水回りチェックをしました。もちろんセーフ。犯人はこいつかとペットボトルもチェック。でも500mlのペットボトルはそうそうは鳴らないし、鳴ったとしてもあんなには鳴り続ける事は出来ないと思います。
ふと今思い立って、家のスイッチを付けたり消したりしてみました。
やっぱりこの音なんですよね。
やっぱ、ちょっと怖いじゃん。
翌朝はやっぱりちょっと睡眠不足な感じでした。
まあ、この話はオチもなく、ここで終わりです。
ここで自殺した人の話とか、夫婦で泊まった人が殺し合ったとか、そんな話(作り話)はナッシング。
しかし、いろいろあって、私のトルコ旅行は充実してたなぁと変な所で、今しみじみと感心している所です^^
トルコ旅行記番外編は、もう少し続きます。