森の中の一本の木

想いを過去に飛ばしながら、今を見つめて明日を探しています。とりあえず今日はスマイル
  

「82年生まれ、キム・ジヨン」を見ました。

2020-11-10 01:08:40 | 映画

11月5日(木)に見てまいりました。

《この感想はストーリーなどの大きなネタバレはありませんが、セリフなど、ほんの少々のネタバレになっている部分があります。》

ジヨンが過去の記憶を呼び起こすとき、その記憶に自分のかつてあった事が呼び出された人は多数いたのではないかと思います。

女性が男性よりも大変だなんて、思った事などありません。だけど女性が男性よりも大変じゃないなどと、微塵も思った事もありません。

タイトルの「82年生まれ」と言うのは、この映画を正しく観る為の要だと思います。

なぜなら家における妻と夫の役割分担、または女性の社会への進出度や貢献度は、ずっと流動していてその価値観が違うからです。

私を中心に据えて考えてみても、3つ歳の違う人はさほどでなくても、5歳違うと、「女の敵は女」張りに違う場合があるのです。

あまり言いたくはない事ですが、82年生まれなら、それは私たちの子供の世代です。

私たちの時代はと語りたいと思うならば、このように映画の感想にくっつけて書けるわけもありません。私たちの時代には私たちなりの女性史が存在するからで、簡単には語れないからです。だけどその時代と比較してなど全く意味もなさず、私はジヨン目線で、しっかりとこの映画を見ていました。

女性の地位は、少しは向上したのではないのか。

これでは全く私たちの時代と変わりがないではないか。

ただ、明らかに「今」を感じさせたのは、ジヨンの母がベビーシッターの問題が解決せずに、仕事復帰が出来ないジヨンに

「私が近くに越してきて子供の世話をするから、お前は好きな事をおやり。」と言うシーン。

紛れもなく、それは今のババたちの言葉でつまり私たち世代の言葉のように感じました。私たちには聞ける言葉ではなかったと思います。もちろん人にも寄る事ですね。ただ私には縁のなかった言葉で、思わずそのシーンには涙が零れました。

それに対してのジヨンの対応にも、やはり涙がこぼれたのでした。

親は子供を思うけれど、子供もまた親を思って、ちゃんと自分の人生を生きて欲しいと願っているのではないでしょうか。

ああ、そうでした。自分の事は語るまいと思っていたのに、ちょっとさりげなく語ってしまいましたね。

この映画は、ジヨンの姿を通して自分と語る作品なのかも知れません。

映画サイトのこの映画のレビューを読むと、なんて言うか、みなさんの感想の多くがいつになく長いのは、そこに理由があるのかも知れませんね。

 

年代によっては感想も違うのかも知れません。

ただ一つ、共通して同じ感想を持てるのは、コン・ユ演じる、ジヨンの夫のような理解のある人は、早々には居ないということではないでしょうか。

それなりにはいるかもしれませんが、・・・・・・ヤッパ、いないよ~って、私は思ってしまいました。

コン・ユは何一つマイナスな所が無いほど、素敵な夫でしたね。

また、ラストは明るい兆しが見られるとは聞いていたのですが、そのラストの展開は、かなり最初から予想が付きます。

何でも分かったような事を言うと叱られそうですが、このようにブログなどを書いている人には、たぶん私と同じように予想がつくのではないかと思います。

だけどそれから先の展開は誰にでも起こると言うわけではなく、今の時代を生きている人たちは皆、それなりの出口を求めて彷徨いながら模索して生きているのかもしれません。

 

今の生活にそれなりに幸せに感じる。だけど時にどうしようもない閉塞感を感じるー。

そんなジヨンのセリフがあったような。

このような時代ゆえに、この作品は女性のみではなく男性にも大きく何かを訴えるものがあるかもしれませんね。

あっ、そうそう。今思い出したのですが、彼女の家事のやりっぷりを見たら、頑張り過ぎだなって思いました。偉いなぁと思いました。テキパキとしてるし、私ももう少し頑張らなくちゃなと思ってしまうほどでした。

だけど真面目なんですよ。だから疲れちゃう。

 

時にはテキトーにね。

だけどそれでも心が疲れちゃう時には、然るべきところに助けを求めましょう。

映画の中にも、お医者さんの大事なセリフがあって頷けました。

 

 

 


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