森の中の一本の木

想いを過去に飛ばしながら、今を見つめて明日を探しています。とりあえず今日はスマイル
  

二段オチ

2018-06-05 23:49:49 | 梢は歌う(日記)

先日横浜に行った時に、私からの話題は、横浜に行くまでの電車の中であった出来事でした。

 

日曜日の昼間は、やはり電車も混んでいます。

ひとりで移動する時はドア付近に立つのは好きではなく、背が低い割には中の方に進んでつり革などに掴まる方が多いです。今時は電車によっては真ん中の座席の所にも、掴まれるようなバーがありますし、それに空いた席に座れるチャンスと言うものもあるからです。

その日も同じような行動パターンで中ほどに進みましたら、席には外人さんが三人いました。

その時とっさに、

ー ああ、これは座れるチャンスは無しだな。ー と、思いました。

やっぱり外人さんなら、運が良ければ「浅草」で降りるかもしれないけれど、だいたい終点の「秋葉原」まで行くのだと予想が付いたからです。

ところが私が中ほどまで進みつり革につかまろうとした瞬間、目の前の外人の若い女性が

「オウ」と当たり前のように、席を代わろうとしてくれたのです。

 

―えっ、あたし ?!

いや、私しかいませんよ、コレは。

私の左右は、同年代の男性か若い男の人だったのです。

 

思わず

ー ノノノノ、サンクス―

と言ってしまいました。

女性は、ちょっとはにかんで座ってくれたのですが、

ー あー、やだなー、これ。

だいたい、だいたい、だいたいね、ショックよ、もう~。

代わってあげなくちゃって思っちゃう年齢に見えたのかしら、私?

えっー、だってさ、外人から見たら、日本人は若く見えるって言うじゃないのよ~。

しかも私、どっちかと言うと、若く見られる方・…じゃなかったのか ?

いや、それよりもまだ代わってもらうような年齢じゃないし、どういう事なの ?

 

それもショックだったけれど、断ってしまった事も嫌でした。

嫌な気持ちにさせたのではないかしら。

当たり前の行動のようだったので、「勇気」を出してと言う感じではなかったことが救いでした。

 

だけどこの人たちは、この後電車の中でデスカッションをしているのかと言うくらいに、話が盛り上がっていました。

もしもその気持ちが嬉しかったからと言って、席を代わってもらったとするでしょう。そうするとその横で、一人立っている人と座っている人で打ち合うようにお話をしているのを聞いていなくてはならないわけで、なんかそれも針の筵のようだったような気がしてしまうのです。

 

話の内容は分からないので、遠慮なく耳を澄ましてみましたら、どうもこの人たちはドイツ人なのではないかなと思いました。

 

― そうか。この女性はこういう教育が徹底されていると言うので、自分よりも明らかに年上の人に席を譲るのは普通の事なんだわ、きっと。

そう思い込んで自分を納得させる事にしました。

そうすると、やっぱりせっかくの気持ちをむげに断った事が気になって仕方がありません。

 

ダンケシェーンぐらいは言えるな。

だけどその後は英語だな。

あなたのお気持ちは嬉しかったと言えば良いかな・・・・

結局、秋葉原に着く間、そんなことをずっと考えていた私。

しかしその時間は、私にとってはある意味稀なる時間の一つで、楽しい時間でもあったのです。

あれやこれやと考えました。

 

「でね、ラッタさん。この後私は何て言ったでしょうか。」

と横浜で彼とランチを食べながら言いました。

「さあ?」

「秋葉原について私は彼女の前に立つと、彼女の顔見ながら、けっきょく・・・・あれやこれやと考えていたことはパアと飛んでしまって『サンキュウ』と言ったのよ。」

「おいおいおい。まっ、そんな事だろうと思ってたわい。」

 

そうなんです。

みんなが一斉に席を立つ終点秋葉原。流暢に話しかけてるような雰囲気ではありません。

それでも一言ぐらいは話せると言うもの。だけど考えていたことは、ぱあっと飛んでしまいました。

それでゆっくり心を込めて軽いお辞儀をしながら『サンキュウ』と言ったのでした。

すると彼女は、顔をくしゅっと崩し、滅茶苦茶可愛い笑顔を返してくれたのです。

 

 

「ところがさ、お母さんは気が付いたのよ。秋葉原に着いてしばらく行くと、エレベーターの所に立っていたのよ、ある女性が。

それで『あっ、そうか !』って分かったの。私、妊婦さんに間違えられたのねって。」

 

ワタクシ、今は、今だけ(そこの所は強調)かなり立派なお腹なのよね~(^_^;)。

 

 

※          ※          ※

 

この話、妹たちは私が席を譲られそうになったと言うあたりで

「妊婦~! 」ってオチを言いました。

いろいろ考えたけのに結局『サンキュウ』だけだった話は、あまり印象深くはなかったようです。

 

だけどラッタさん、ラストの自虐オチについて、不思議な事を言いました。

「まったく~。でもあなたがそう思いたかったら、そちらの方が幸せだと思えるなら、それでいいんじゃないかと思うよ。」

と。

なるほどと思いました。

年下と言えども、ほぼ同世代の妹たちにとっては、それはちゃんと自虐ネタ。

だけど実質若い世代のラッタさんにとっては、そのオチは自虐ネタにはならず、ずうずうしい願望ネタに聞こえたのですね。

 

 

※  トップ画像は記事とは関係がなく、二俣川駅にて相鉄線の新車両が入って来たので思わずパチリと撮ったものです。

 

 

 

 

 

 

 

 


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4 コメント

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なんのなんの (ボー)
2018-06-06 13:44:07
最後にサンキューと言えただけでも素晴らしいです。
日本人のなかには言えない人は多いと思います。
文化の違いと言ってしまえばおしまいですが。
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ボー様 (kiriy)
2018-06-06 23:47:56
ありがとうございます。
そうおっしゃっていただけて、嬉しいです♪

ささやかな出来事でしたが、楽しい想い出になりました^^
返信する
電車の中の出来事 (ヤマザキ)
2018-06-07 08:20:00
kiriyさんおはよう~~(*^-^*)
偶然!私も昨日、電車の中のことで書いたのよ、そしたら、kiriyさんも書いていらして。コメントしてみました(^_-)-☆
席を譲ってくれたのはレディファーストだったんじゃないかな kiryiさんステキな女性だから。
梅雨入りしましたね~ 体調など気を付けてお過ごしくださいね。
さて☆今日もお仕事いってきます! またね~!
返信する
ヤマザキ様 (kiriy)
2018-06-08 02:08:41
真夜中のお返事になってしまいました^^
いつもすみません。

マナーのお話、さっそく読まさせていただいたのですよ。譲ってもらったら、ゲームなどをしないと言う気遣いなど素敵ですよね。

今回は「どうしてなのか」と思った私ですが、これからは「やっぱり」と言う時代に入って行ってしまうのかもしれません。
それでも足腰は鍛えて、譲ってもらう事を期待しない老人にはなって行きたいと思います。

おとといは涼しくて、昨日はめっちゃ、暑かったですね。
お互いに体調管理は大事にしたいものですね。

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