森の中の一本の木

想いを過去に飛ばしながら、今を見つめて明日を探しています。とりあえず今日はスマイル
  

たまには指を折って文字を数えてみた その3 《十三夜》

2022-10-14 20:52:57 | 詩、小説

 

十三夜

君の時計が止まっても

私の時間(とき)は

たゆまず刻む

 

 

時々、スノウさんとメチャクチャ話がしたくなる。

だけど叶わぬ夢なんだ。

だから私は、過去の彼女と対話する。

そして時々笑ってる。

あの時、こんな事があったよね。こんな事を言っていたよね。

「ふふふ」と笑って、そして涙ぐむ。

もう、共に新しい時間を共に過ごすことはないんだな。

君の時間は、今生では終わってしまったから。

それでもお姉ちゃんはさ、何やかんやと忙しく、毎日を過ごしているんだよ。

賑やかに音を立てて進む秒針のような毎日さ。

だけどね、或る日、突然、その秒針も止まる日が来るんだね。

だからと言って、その時に、君と再会できるなんて思ってもいないんだよ。

だって私はね、あの世なんて信じていないから。

それでもさ、ちょっとだけそんな夢を見てもいいかしら。

 

あの時、ずっとコロナと体の調子が悪くて会えなかったけれど、ようやく君の家に行き、1年と数か月ぶりにやっと会えたあの時、

「やっと会えた~。」と君は言ったでしょ。

あの時と同じようにさ、

お互いに抱き合って、背中をポンポンと叩きあうんだよ。

「やっと会えたね。」って。

 

あっ、だけどさ、スノウさん。

それ今じゃないかね、悪しからず・・・。

「来たよ~。」とニコニコしながら来られても、ちょっと困るよ~、私。

 

そんな事を考えながら、歩く夜の道。

ちょっと涙ぐんだりクスリと笑ってみたりして・・・。

 

 

 

 

 

 

 

たまには指を折って文字を数えてみた

たまには指を折って文字を数えてみた その2


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