空の青さは、生きる希望に繋がって欲しいものですね、やっぱり♪
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なんかここまで来ると、「相棒」の感想を書いていないと、宿題をやっていない子供のような気持ちになって来るので、簡単にではありますが書いておくことにします。
(大片付け中で廊下が大変な事になっていますが・・・(^_^;))
最初、「俺が殺した、ヤッテやった。」という男が出て来て、今回は最初から犯人が分かっているお話なのかと思いました。
殺害現場でイタミンが「おい、そこの !!」と言った時、男が吃驚したでしょう。イタミンは特命係のふたりに言ったわけですが、その時私は、殺害現場に戻って来て、絶対大丈夫だと自信があったのに、呼びかけられたらやっぱり生きた心地がしないよねなどと思ったのでした。
ところが、彼が階下に降りて来て刑事たちを見ていた時から、
「ああ、分かった。この男がご遺体よ、パパ。」と言いました。
昔は、早々と分かった事や思った事を言うと、夫殿には叱られてしまいましたが、今はそれを聞いてくれて、当たったね、外れたねと言ってくれるので、私的には楽しいです。
でもこれ、すぐに分かっちゃった。
分かってて見て欲しかったのかしら。
出来たらもうちょっと演出で騙して欲しかったです。
途中辺りから、「あらッ、もしかして、もしかしたら・・・」で、最後に「えっ !?」ってなりたかったです。
でもやっぱり、分かってて見て欲しかったんですよね。
霊感体質の右京が、途中で不思議そうな顔をして振り返る所なんかツボでしたね。
死んでしまった中松が自分を裏切った後輩の持ち物の鋏を使い、そして指紋をふき取るために妻からもらったハンカチを使う。その妻はやはり出世コース脱落した夫に愛想を尽かし不倫中。かつての仕事のライバルで自分を追い出し部屋に送り込んだ男を弾劾する証拠だった書類は丸めたものの、まだ持っていた。
中松は、全くその気はなかったと語ると思うけれど、これこそ無意識の復讐だと思う。
現に、みんなはそれぞれにいろいろな事を暴かれて、そして彼が自殺だと分かった時にも、口々に
「私が殺したようなもの。」と語った。
「違う。そうじゃない。俺だ。俺が殺した。」と中松は言いました。
でも、この物語の中の男を語ってもまったく意味のない事だと思いますが、この「無意識の計算力」の高さが、実は彼の才能だったんじゃないかと思うのです。彼のかつてのライバルで今は上司の男が言うように、それを信じて突き進めば、いつか道はひらかれたかもしれません。
だけどいろいろと上手くいかなくなって、自分を嫌いになってしまった・・・・・。
それが殺人の動機。
あっ、無意識の復讐と言うよりは、誰かに「分かって欲しい~ !!」という叫びだったのかも。
「分かるわけないさ。」と言いながら、分かって欲しかったんですね。
たくさんの刺し傷があったのは、深い恨みからではなく、自殺のためらい傷のようなもので、死にきれなかったからなんですね。
(これ、解剖したら、分かっちゃうんじゃないかな・・・・てな事を言うのは野暮ですね(^_^;))
右京は見えない誰かに向かって、「それでも自分を殺すことは許せない事です。生きていて欲しかった。」と言うような(もっと奥のあるセリフでしたねm(__)m)事を言い、それを聞いていた中松は
「もっと早くに二人に出会えたら、もう少しここにいる事が出来たかも知れない。」と言いました。
彼にとっては、もう後の祭りです。だけどここは物語の世界なので、きっと彼は満足して青い空のかなたに行けたのではないかと思います。
そしてそれは作者からのメッセージだと思いました。
君の味方に出会えるかもしれない。それは今日の午後からかもしれないし、明日かもしれない。だから今日はとにかく生きようと言う・・・・・
この回のライターの徳永富彦さんは、ちょっと癖のあるシナリオを書かれる方で、意外と私とは相性が良いのです。分かりやすい所で言うと「物理学者と猫」を書いた方ですね。後「倫敦からの・・・」のシリーズを書かれた方。
最近ちょっと嬉しい事があったんです。
ちょっとだけ「ふっふっふ」ってなってもいいのではないかと^^