森の中の一本の木

想いを過去に飛ばしながら、今を見つめて明日を探しています。とりあえず今日はスマイル
  

驚きと悲しみを感じながら

2017-07-07 01:18:37 | 同じ時代の船に乗る

 

私、あのひとの事

最初は好きじゃなかったんだ。

だってガサツな感じがしたんだもの。

遠慮なく、人の心に踏み込んでくる感じがしたんだもん。

 

私、あんまり

自分の心が隠せる人じゃなくってさ、

なんだかツンケンしちゃった。

 

だけど会うたびに

「花子ちゃん」って呼ぶんだよ。

私、もうおばさんなのに、

私より年上のその人は、

いつだって呼ぶんだ、

「花子ちゃん」って。

 

そんなつまらない事なのに

そんなことで・・・

本当にそんなことだったのか分からないけれど、

いつの間にか

その人の事が

好きになっていたんだ。

 

「あっ、こんにちは」なんて

自分から声なんかかけちゃって。

だって

「花子ちゃん」って呼んでもらいたかったんだもの。

「昨日千葉から来ていたの?」って言われると

「そうなの。」ってにっこりほほ笑んじゃったりしていたんだよ。

 

 

昨日、喫茶店にいる時に姉から電話がかかってきて・・・・・。

― あの人、亡くなったのよ。

― えっ、なんで !!?

なんでそんな突然に?

― 詳しい事は、まだ分からないの。具合が悪いって聞いてたけれど、

私も持病がちょっと悪化したのかナぐらいに思っていたので、

ちょっと暗い気持ちになっている。

 

横浜の実家に帰った時の、

ごく稀にしか会わなかった人。

会話した時間なんか合わせたって1時間未満だと思う。

それでももう会えないのかと思うと、

凄く悲しい。

もう

「花子ちゃん」と呼んでくれないんだ。

そう思うと、

凄く寂しい。

 

 

 

この広い世の中で溢れかえるほど人はいるけれど、

縁することが出来るのは、そのうちのわずか。

嫌いでいるより好きでいた方が良い。

その方がきっと幸せだ。

最近そんなことを考えていたんだ。

 

「花子ちゃん、そうだよ。

縁は大事なんだよ。」

とその人は、人生の先輩らしく、

私にそう伝えてくれたような気がしたんだよ。

 

 

 


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日常の中の旅を楽しむ

2017-07-06 00:45:23 | お散歩&写真日記

「P様、ご心配してくださってありがとう。

私は誰にもいじめられていないから安心してくださいね。

ただちょっと、お手紙を書く気持ちの余裕がないだけ。

今の心の重荷が外れたら、またコメント欄は開けますので、

その時はよろしくお願いいたします。」

 

 

  ※          ※              ※            ※

 

いつも遠い空に憧れている。

 

だけど望んでいる風景は、意外と自分の住んでいるところのすぐ近くにあったりする。

 

 

 

 

 

子供の頃、おじさんが横浜の仏向町という町に住んでいました。

ある日、その彼が、

「今から森に探検に行くぞ。」と言って、

私たちを家の裏手に広がっていた森の中に連れていってくれたのです。

顔にかかる蜘蛛の巣を払いながら、足を濡らす草の露を気にかけながら、おじさんの後をついて行きました。

その冒険の最後はどうなったのかしら。

おばさんが、

「もうこの辺で引き返そう。」と言ったのかしら。

それとも、どこか思いがけない道に出たのだったかしら。

よく覚えていないのです。

だけど、あんなにワクワクした事はなかったなあ。

きっとあの時から、私は森の緑に恋をしているんだと思います。

 

いくら町の中にあったとしても、一人で森の中に分け入ろうなんて、

もう大人なんだから、そんなことは思いません。

だけどそんな森の傍らの道にだって、

昔の冒険少女の気持ちを満たすものは、たくさんあるのです。

 

 

 

「それ、雑草じゃないの?」

ふふふ。

思わず友の声が、耳元で聞こえたような気がしました。

だから野の花が好きなんだって、私。

 

下の画像は、何を映しているのかと言うと、上の花の群れて咲く様。

群れて咲いてもちっとも目立たないし、綺麗でもない。

でもほらね、一輪に目が行けば、ちゃんとしっかり咲いているのです。

野の花としては、綺麗どころです↓

これまた、(私的に)最強の一族に名を連ねる花たち。 ↓

 

月曜日、地域イベントに参加した帰りはめったに歩かない道を選んで帰ってきました。

素敵なところです。

 

 

この道は、2014年に書いた、大堀川の道を散策した記事にも、ほんの少しだけ出てきます。

※ 「違った道を行く

その記事の中で書いた、迷い込んだ古民家のある田舎道にはいまだに行っていません。

冒険に行く道は、まだまだたくさんありそうです。

 

 

 

 

ああ。だけどやっぱり、遠い空には憧れるよね。

 


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しあわせな人

2017-07-04 16:23:46 | 梢は歌う(日記)

昨日は地域のシニアと小学生のふれあいのイベントがあって、自治会役員の私はお手伝いに行ってきました。

私はまだ一応、招待客の資格対象ではないのですが、わずかばかりのお手伝いの後に招待客と一緒に席についてしまっては、子供たちから見ればみんな似たり寄ったりにしか見えないわけで、同じように接待していただきました。

子供たちががんがんと質問してきます。

「好きなものは何ですか。」

「今、気になっていることは何ですか。」

「はまってることは何ですか。」

言葉は違うけれど、皆、類似質問です。(しかもなんで今ブログに書いているテーマを知ってるわけ ? と言うのは考えすぎ・(笑))

最初は

「いっぱいありすぎて分かりません。」と言ったのですが、子供と言うのは、聞けば必ず答えが返ってくると信じている生き物なのです。

仕方がないので、答えを考えました。

 

ええっと・・・・

ー藤原竜也のあれやこれや・・

は、答え的にはどうかと思うし、

― 森の風を感じる事よ・・・

って、それはどうかな・・

― ピアノの練習・・・・

は、ちょっと嘘だし・・・

ー 吉田拓郎って知ってる?

― 萩尾望都を知ってる?

いやいやいや、ムリムリ。知らないって言われたら、私の独演会になってしまう可能性が・・(^_^;)

― 気になっている事って言ったら、やっぱり日本丸の今後よね・・・

も、ダメだよなあ。

めんどくさいので

「映画よ。映画を見る事が好きなの。」と無難な事を言っておきました。

嘘じゃないしね。

「最近、見た映画は何ですか。」などと言うものですから、そこはいろいろ考えないで

「『22年目の告白』よ。」と言ったら、しら~っとされました。

― ハイハイ。何も考えずにはしゃいで言った私がおバカちゃんでした。

質問されるよりする方が楽ってもんだと、こちらから質問返しをしてやりました。

アニメが好きと言うので、

「ジブリ作品では何が好きなの。」

「『ラピュタ』かな。」「『耳をすませば』」「やっぱり『千と千尋』かな。」

まあ、皆さんと話が合う事! (違った見方をすれば、同じレベル。)

チョー自慢気に、先日行った四万温泉の『千と千尋』のモデルになったと言われている旅館の写真を見せてあげました。旅行も好きですから。

すると我が家の猫ちゃんたちの画像も出てきて、これまた自慢げに

「うちの猫よ。」と言い、お決まりの

「キャー、可愛い~。」と言うほめ言葉を頂きました。猫も好き。

 

「そう言えば、『君の名は。』も見たよ。」と言いましたら、

「何回ですか。」と、思いがけない質問をされました。

「い、いっかいだけど (^_^;)…。だけどあれ、良かったよね。」と言いましたら、少年が張り切って「前前前世」を歌ってくれたのでした。

 

楽しいひと時でした。

 

好きなものがたくさんある私は幸せな人だと思います。

 

好きなもの・夢中になれるものが見つからなくて寂しく思う人も、毎日の暮らしをぐるりと見まわしてみると、本当は既にそんな好きなものに囲まれているのかもしれません。

 

いやいや、迷ったり悩んでいる人はそう言う事を言っているのではないと思われる方もいらっしゃるかもしれません。

そうかもしれません。

だけど方程式のXやYは式を見ただけでは解けません。順々にひいたり足したり、そして移行したり掛けたり割ったり。そして答えにたどり着くと言うものです。

 

それにしたって私はやはりしあわせな人です。なぜなら、こういう事をしたいなと思うと必ずそれを助けてくれる人が、今までは現れてくれていたからです。この先は分からない事なので「今までは」と書きましたが、いつだっていろいろな人に助けられているのです。

まあまあまあ」と言う記事の下の方に、2013年のマイブームの事を書きましたが、今度の「大人のためのピアノの発表会」で私がやったものは、その創作の発表だったんですよ。

はっきり言って「よくやるよ。」と言うレベルですが、それを後押しして下さったり楽譜に起こしてくださったりする先生と巡り合えたことも、私は運がいいと思います。加えて私が作った歌を代わりに歌ってくださった方の歌が素晴らしくて、「いい歌だなあ。」って自分で思ってしまいました(^_^;)

と言ってもですね、自分の作ったものを発表したというと、なんか素晴らしいような想像をしちゃダメですよ。

さっきも言った通り「よくやるよ。」レベルなんですからね。

あまり良い反応とは言えなかったし、なんたってカリスマ性がないものだから人を引っ張る力もないわけで、分かっていたけれどちょっと落ち込みました。

だけど私はめげないのだ!! ←今の気持ち。

 

ところでね、昨日小学校を訪れた時、思わず心がタイムトラベルをしてしまいました。

誰もいない通路で、私は子供の名前を小さな声で呼んでしまいました。

「ラッタ君。」

可愛かったラッタ君が、軽く手を振って私の横を走り抜けていきました。

「ルート君。」

「あっ、ママー。」と向こうで一年生のルート君が手を振りました。

 

 

ほんとうはね、君たちが生まれてきてくれた日から、私はずっとしあわせだったんだー。。

 

 

 

 

 

 

 

 

 


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エン&イン

2017-07-02 02:11:19 | 梢は歌う(日記)

昨日、土曜日の朝ドラの「ひよっこ」、良かったですね。

宗男おじさんと一緒にみね子が叫ぶシーン、ちょっと泣けました。それにおじさんのビートルズの解説も分かりやすかったです。

「『バカヤロー』でも『愛してるよー』でも、心の中にあるものを音楽にして叫ぶ、それがビートルズなんだ。」のような事を言うじゃないですか。

なるほど~と頷きながら見ていました。

そしていつもの恒例、朝の姉との電話タイムでその話題が出た時、姉が言いました。

「今日、泣いちゃった。」

「うんうん。私も泣いちゃった。短い間にジーンとくるシーンがあるよね。宗男おじさんの叫ぶシーンでしょう。いい人だよね。それにみね子も優しいよね。周りの人がクスクス笑ったりしてるのを見て一緒に叫んだんだよね。でもその優しさが結局は自分の心を救ったんだよね。我慢強いみね子は自分の気持ちを思いっきりさらけ出すなんてできなかったもんね。」

と私。

姉の一言の後に、十ぐらいは話すかも…テヘッ。

でも姉が泣いたのはその後。

 

― 私には今、あんなに夢中になれるものがあるかしら。あんなに好きだと思えるものがあるかしら。

 

宗男おじさんのビートルズ愛が、心を揺さぶったのですね。

 

生きていく道は何かを探し求めて彷徨う旅のようなものだと思います。

なかなかその探すものに巡り合えなくて、寂しかったりもするのでしょう。

もしも何か一つでも、「これ、好きだなあ。」と言うものに巡り合えたら、それはとっても幸せな事なのではないでしょうか。

 

その幸せな人たちに、金曜日の「大人のためのピアノ発表会」で出会ったように思いました。

 

今年前半の最後の日は」の続きです。

 

本当に皆さんの演奏が素晴らしくて感銘を受けました。

特にあと数日で70代後半になる男性のお話は、私のみでなく、その場にいた人全員の心に刻まれたのではないでしょうか。ただ陽気で気配りの効くその方のお話は、いろいろなツボがあって、どこに深い感銘を受けたかは、皆それぞれだったのではないかと私は感じました。

 

彼の弾いた曲は「乙女の祈り」です。

まだ習い始めて1年そこそこって言ってたかしら。

「ありえねぇ・・・!!」←私の心の声

最初にこの曲を弾きたいと楽譜を持って来た時に、さすがに先生も「無理ですよ~」と言ってしまったと笑っていました。だけど雰囲気だけでもと一小節ずつ練習することにしたというのです。でも二回目に来た時に、教則本は真っ黒でボロボロになっていたのです。

毎日毎日2時間、彼は練習していたのですって。

彼の演奏は、とっても立派でした。凄いなあと私は思いました。

「私の4年の歳月(正味1年ぐらい)はなんだっていうのじゃ。」←これも私の心の声。

でも・・・・

私って相当なひねくれ者です、きっと。

 

私の心に一番響いたのは、そこじゃないんです。

彼がはるか昔の野球少年だった頃(中学生か高校生)、その頃の彼が放課後部活の練習をしていると、音楽の先生が当直の日は夕方にその曲をいつも弾いていたそうです。

彼はいつもその曲を聞いていて・・・・、

私の頭の中では、すでに映像化。

「オーライ」とフライボールをキャッチして見上げた夕焼けの空に、その音楽の調べが流れてきていたのですね。

いつもいい曲だなあと思っていたとか。

そして月日は流れ流れて、70歳を少し過ぎた彼が、このまま何もしないではいられないとピアノを習う事を決意し、そして「これを弾きたいんです。」と持ってきた楽譜が「乙女の祈り」だったのです。

 

なんちゅー、ドラマチックな話じゃないか !

 

生きていく道は大好きなものを探す冒険の旅。

その時の地図と鍵は、縁することと、縁したものを心の中に留める、つまりインプットさせることだと私は思いました。

いつかその地図と鍵で、大事な何かを見つける事が出来るかも知れませんね。

 

 

そう言えば、私が何を弾いたかって話をまったく書きませんでした・・。

・・・・・・・、うーん、まっいいかあ、そこはってな感じなのですが、まあ、一応記録しておくかもむにゃむにゃというわけで、また明日~。

 

あっ、そうそう。

その男の人がいかにすごいかって言う意味で、下に「乙女の祈り」を貼っておきますね。

 

 

 乙女の祈り : Badarzewska - A Maiden's Prayer

 

 

 

 

 

 

 

 


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