「中央区を、子育て日本一の区へ」こども元気クリニック・病児保育室  小児科医 小坂和輝のblog

感染を制御しつつ、子ども達の学び・育ちの環境づくりをして行きましょう!病児保育も鋭意実施中。子ども達に健康への気づきを。

5ヶ月が経とうとするこれからの被災地医療支援(小児医療支援も含め)の考え方

2011-08-02 17:17:34 | 防災・減災

 これからの被災地医療支援(小児医療も含め)の考え方について、東日本外来小児科学研究会http://blog.goo.ne.jp/kodomogenki/e/2ef3e3ec88c0ff8e2b1763db89be6c03に参加し発表演題を参考にして書きます。

一、医療相談(医療へつなげる)
 仮設住宅に移動するなどして、現段階でも、医者にかかるべきか、どこにかかるべき医院や病院があるかという基本的なところから情報を求めている方がいらっしゃると思います。
 医者につながる一歩手前の支援、適切な医療機関につなげていく支援、医者にかかるほどでもないけど聞いておきたい不安を解消する支援が必要であると考えます。


一、ニーズをつかむ
 上記のように、在宅避難の方、診療所からはなれた仮設住宅の方など、どの医療機関にかかればよいのかわからないでいる方に対し、適切な医療機関につながっていくような支援が必要です。
 個々の声を総合して、その地域全体の医療保健福祉のニーズをつかむことが大切です。
(ある意味、行政の仕事とオーバーラップするところですが)


一、仮設診療所支援
 学校等を利用して、仮設診療所が立ち上げられています。例えば、陸前高田には、市立第一中学校を利用しての設置といいます。
 夜間対応の小児科救急診療を行うところもあります。
 それら診療所には、マンパワーが必要です。


一、乳児健診、学校健診、予防接種など
 地域の小児科診療所が被災し、担当医を無くした地区の乳児健診や学校健診が回らずに、岩手県医師会へ支援依頼がありました。
 同医師会は、内陸部の地区医師会会員に依頼し、6/30までに春の学校健診をすべて終了することができたということでした。
 今後も、小児科医師が担うべき健診でのマンパワーが必要になることが考えられます。
 インフルエンザシーズンに向けてのインフルエンザワクチン予防接種、定期の予防接種がきちんとなされる体制を整える必要もあります。


一、子ども達のこころのケア
 寝れない子、お風呂が怖い子、やたら怖がる子など、心のケアが必要な子がおられます。
 宮古医師会は、宮古子どもの心のケアセンターを設置。気仙沼、釜石も同様な動きがあるそうです。
 児童精神科医や心の相談に対応できる医師が求められています。


一、成人のこころのケア、アルコール依存や自殺対策
 被災地で一回飲酒量増加や、飲酒するひとが増加しています。アルコール依存へとならなにような取り組みが求められます。
 また、仮設住宅入居が進んでいくと、自殺対策も、これからは大切になってきます。

一、衛生管理、健康管理
 体育館、運動場が避難施設で塞がってしまっており、運動する場がないことから運動不足が生じる可能性があります。
 粉塵やアスベスト飛散量の測定、放射線量測定をきちんと実施公開し、粉塵、アスベスト暴露、放射線被ばくからも子ども達を守っていくようにせねばなりません。

 
一、震災孤児への支援、未成年後見制度
  岩手では、両親をなくされた孤児88名(男子40女子48)、片親をなくされた被災児382名(男子207、女子172、不明3)であったと報告。
 宮城では、108名の児が両親をなくされ、親戚へ70名程度、施設入所が30弱と報告されています。
 この子ども達の未成年後見制度も含めた支援が必要です。


一、放射線に関する情報発信
 避難した場合、故郷を捨てる罪悪感やいずれ戻ってきたときに迎え入れられるかという不安を抱かれています。
 とどまった場合、子の健康を第一に考えないことは親のエゴではないかと悩んでおられます。
 夫婦、親子、兄弟などの間で家族の軋轢が生じることにもなっています。
 避難する場合も、とどまる場合も、どちらも支援することが求められています。
 私もいままでに放射線に関する親御さん向けの勉強会をトータル5回開催してまいりましたが、現地福島の先生方のお話も参考にし、今後も勉強会を進めて行きたいと思います。


一、放射線被ばくの健康影響評価と健康管理
 被ばく量をきちんと推定し、健康影響がでないかをきちんと生涯にわたって見ていく体制の整備が求められています。
 ひとりひとつの線量計をもつことは、必須だと思います。


一、放射線からの避難、疎開についての対応、
 実際避難される場合、学校の問題、住居の問題、さまざまな手続きの問題、法律家も交えて、支援していく必要があります。
  

一、放射線を下げる努力(除染など)、暫定基準を低い基準に下げる努力
 児玉氏が取り組まれていることが報道されていましたが、専門家も入って除染の取り組みが必要です。
 食事からの内部被ばくを減らすことができるように、高く設定されている食品に含まれる放射能の暫定基準も、低い基準に改めるように、食品安全委員会に働きかけていかねばなりません。


一、復興に向けた基本方針への医療側の意見の反映
 復興の基本方針が作られていますが、医療側の意見をまちづくりに反映し、ひとが健康に暮らせる新しいまちの再生につなげていくことが大切です。
 まちが健康でなければ、そこで生活するひとは健康にならないと考えています。


 などなど、研究会で学びましたことを参考に考えました。

 自分にとって、五度目の被災地入りとなりました。
 東日本外来小児科学研究会は、とても勉強になりました。
 企画運営された先生方、どうもありがとうございました。

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10/1&2大学対抗英語ディベート大会、広島大学ESSの後輩たち、がんばれ!

2011-08-02 16:40:16 | ブログ目次 / イベント情報・会議日程
 日本英語交流連盟(英語名:English-Speaking Union of Japan、略称ESUJ)主催の大学対抗英語ディベート大会が開催され、広島大学ESSの後輩たちも出場するということを聞きました。

 がんばってください!
 健闘をお祈りいたします。


*****ESUJホームページより*****
http://www.esuj.gr.jp/debate/jp/contents/debate_2011_univ.htm

ESUJ
UNIVERSITY DEBATING
COMPETITION 2011
大学対抗英語ディベート大会 (第14回)




主催:一般社団法人 日本英語交流連盟

後援: 文部科学省

日本英語交流連盟(ESUJ)は今年も英語ディベート大会を開催いたします。第14回目となる今回は新規大学を含む全国30大学32チームが出場予定です。

そして、今年もこの機会に英国ESUが選抜した世界トップレベルのディベーター4名と英国ESU専門講師を招聘します。大会2日目の決勝大会では、この‘British Squad’(英国チーム)による高校生向・大学生向・社会人向の各ワークショップ(詳細後日)やモデルディベートなどのスペシャルプログラムも開催いたします。日頃滅多に見聞きすることのできない貴重な機会です!
大会はどなたでもご観覧いただけますので是非ご来場ください。
尚、10月2日(日)の決勝大会を観覧ご希望の方は、事前にお名前のご登録をお願いいたします。(申込サイトを後日にオープンします。)
皆様のご来場をお待ちしております!

日時 : 2011年10月1日(土) & 2日(日)
会場 : 国立オリンピック記念青少年総合センター
(小田急線「参宮橋駅」下車)
渋谷区代々木神園町3番1号
地図
受付 : 10月1日(土): センター棟  417セミナーホール
10月2日(日): カルチャー棟 大ホール

注意:10月2日(日)の決勝大会を観覧ご希望の方は予めお名前をご登録ください。 (申込サイト後日オープン予定)




大会日程
予選大会 10月1日(土)
10:00 開会式
10:30 予選ラウンド1
12:00 予選ラウンド2
14:30 予選ラウンド3
17:00 予選ラウンド4
18:00 予選終了



決勝大会  10月2日(日)
9:30  ベスト8チームの発表
9:45 準々決勝
11:00 英国招聘ディベーターによるワークショップ(詳細後日発表!)
13:30 ベスト4チームの発表
13:45 準決勝
15:00 英国招聘ディベーターによるモデルディベート
16:00 決勝進出チームの発表
16:10 決勝
18:00 閉会式




英国からの招聘講師およびディベーター
Ben Jasper Speech and Debate Consultant
The English-Speaking Union

Joanna Farmer University of Oxford
Eoghan McSwiney University College London
Catherine Kernaghan The London School of Economics
John Ashbourne The London School of Economics



出場大学 (30大学32チーム)

青山学院大学、大阪府立大学、神奈川大学、北九州市立大学、京都大学、慶應義塾大学、神戸大学、国際教養大学、国際基督教大学、産業能率大学、首都大学東京、上智大学、成蹊大学、拓殖大学、津田塾大学、都留文科大学、東海大学、東京大学、
東京外国語大学、東京工業大学、東京女子大学、東京理科大学、日本大学、一橋大学、広島大学、広島修道大学、武蔵大学、横浜国立大学、横浜市立大学、早稲田大学



お問い合わせ:日本英語交流連盟 事務局


以上、
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原子炉建屋外でこれまでの最高、毎時10Sv=1万mSvを今頃計測?メルトアウトの兆候でないことを祈ります。

2011-08-02 10:09:04 | 防災・減災

 毎時10Sv=1万mSv。(朝日、読売、毎日の見出しは10Sv、東京とNHKは1万mSvを採用。)
 6~8Sv以上を浴びてしまうと人は死んでしまいます。

 「1号機と2号機の原子炉建屋の間にある排気筒の底を通る配管付近」、「極めて高い放射線量が見つかった配管は、地震の翌日の3月12日に、1号機でベントと呼ばれる外部に放射性物質を放出した際に使用したもので、その際に高濃度の放射性物質が付着したのではないか」ということですが、どうか、炉心溶融メルトダウン⇒炉心貫通メルトスルー⇒メルトアウトと進んでいる兆候でないことを祈ります。

メルトダウンのシナリオ想定:http://blog.goo.ne.jp/kodomogenki/e/9228984bb6f8785fda947aeb3823d2b7

*****NHK(2011/08/01)****
http://www3.nhk.or.jp/news/html/20110801/k10014623481000.html

1万ミリシーベルト超の放射線量
8月1日 21時4分

東京電力福島第一原子力発電所の、1号機と2号機の原子炉建屋の間にある屋外の排気筒付近で、1日午後、これまでで最も高い、1時間当たり1万ミリシーベルトを超える放射線量が計測されました。東京電力は付近を立ち入り禁止にして原因を調べています。

東京電力によりますと、1万ミリシーベルトを超える極めて高い放射線量が計測されたのは、1号機と2号機の原子炉建屋の間にある排気筒の底を通る配管付近で、1日午後、東京電力の社員が棒の先に付けた線量計で測定したところ分かりました。この場所は、先月31日、特殊なカメラを使った観測で高い放射線量が出ていることが分かったことから、1日、改めて詳細な計測を行ったということで、東京電力は付近を立ち入り禁止にしました。また、計測した作業員が、最大で4ミリシーベルトの被ばくをしたということです。福島第一原発でこれまで計測された最も高い放射線量は、▽屋外では3号機の南側で見つかったがれきからで、1時間当たり1000ミリシーベルト、▽屋内では1号機の原子炉建屋の中の1時間当たり4000ミリシーベルトで、今回はそれらを上回っています。東京電力によりますと、今回、極めて高い放射線量が見つかった配管は、地震の翌日の3月12日に、1号機でベントと呼ばれる外部に放射性物質を放出した際に使用したもので、その際に高濃度の放射性物質が付着したのではないかとみて調べています。また、東京電力によりますと、この付近で今のところ復旧作業を行う予定はないほか、1号機を覆うカバーの設置も遠隔作業で行うため、影響はないとしています。

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