日本小児科学会 国際シンポジウム
『世界と日本のワクチンギャップ パート2 -世界標準にはるかに及ばないわが国の予防接種体制ー』

このシンポジウムを聴講し、以下の学びを得ましたので、整理します。
一年前の学会で、定期予防接種に関してパート1がなされ、このたびは、任意のワクチン、おたふく、水痘、B型肝炎の三つのワクチンに焦点があてられました。
もちろん、これら三つのワクチンが早く定期接種に含まれることを期待いたしております。
その実現に向け、声を届けていかねばならないと考えています。
*予防接種の導入は、
1)その疾病にかかることによる負担(疾病負担)
2)ワクチンの有効性
3)ワクチンの安全性
4)医療経済性
を考慮して、決められていきます。
*妊婦さんが、水痘、麻疹、百日咳などにかかると、胎児に悪影響を及ぼすので大問題
*最近、混合病棟が増え、子どもから大人への感染などもありうる
*子どもに接種することで周りの大人も守ることが出来る
*学校教育においてワクチンがこういった病気を防ぐと教え、それによって子どものほうから必要性を理解する場をつくり普及を
*小児科学会予防接種部会で、ワクチンの要望を受け入れ、政府に提言していく
基本はワクチンで防ぐことが出来る病気VPDは、ワクチンで防ぐ
�おたふくワクチン
1)疾病負担
脳炎、髄膜炎、難聴1/400-1/2万、睾丸炎(中学生ごろの罹患で)、乳腺炎、卵巣炎などを来たす
妊娠の第1三半期に妊婦がかかると流産
年齢が大きくかかると髄膜炎のなる率が上昇
(ウイルスの直接侵襲だけでなく、年齢が大きいと生体の免疫学的反応により重症化する)
罹患すると1週間から10日欠席
2)有効性
一回で90%、二回接種で99%効果
3)安全性
Jeryl Lynn株 ワクチン副作用の髄膜炎 1/100万
Urabe株 1/5-10万
星野株、鳥居株 1/2000-2万
⇒乳児期に接種することで、副反応を減らすことができる
4)医療経済性
導入で、400億円プラス、厚生労働省試算290億円プラス
5)その他
2004年段階で先進国でおたふくワクチンを定期接種に入れていないのは、日本のみ
MR+Mの同時の接種がよいかもしれない
かつてのMMRにおける髄膜炎発症が何歳で出ているかの検証が必要
�水痘ワクチン
1)疾病負担
年間約100万罹患、重症4000人、死亡20人
学校保健安全法で出席停止、学校生活への影響、社会生活への影響
発症ピークは4-5歳、90%以上が10歳までに
妊娠初期の水痘による胎児への悪影響、
新生児が水痘を罹患することによる重症化
神経症状
50年後帯状疱疹
2)有効性
感染防止80-85%、
重症化防止100%
breakthrough水痘ある(接種していても罹患)
*米国二回接種12-15ヶ月と4-6歳
3)安全性
安全性高い
副反応低い
4)医療経済性
罹患した場合の抗ウイルス薬が高額で、医療費を増大させている
5)その他
年間250万ドーズあり、ワクチン供給は可能
�B型肝炎
1)疾病負担
世界で罹患約3億人、毎年約60万人死亡(1600人/日)
日本約100万人推定、10-15%が慢性肝炎、肝硬変、肝がん 1万人死亡
小さいときに感染しやすい、特に3歳未満
父子感染や保育園での感染もありうる
2)有効性
小さいときの接種で、高い抗体化を維持
感染しても発症を防ぐ
3)安全性
4)医療経済性
5)その他
1992年WHOは、すべての出生児にB型肝炎ワクチン接種を推奨
世界の70%は定期接種に入れている
集団感染を防ぐエチケットしての接種を
小学校高学年での接種でキャッチアップを
ビームゲン年3万ドーズ、1万人接種⇒最近年間5万ドーズ、接種者増えている
以上
『世界と日本のワクチンギャップ パート2 -世界標準にはるかに及ばないわが国の予防接種体制ー』

このシンポジウムを聴講し、以下の学びを得ましたので、整理します。
一年前の学会で、定期予防接種に関してパート1がなされ、このたびは、任意のワクチン、おたふく、水痘、B型肝炎の三つのワクチンに焦点があてられました。
もちろん、これら三つのワクチンが早く定期接種に含まれることを期待いたしております。
その実現に向け、声を届けていかねばならないと考えています。
*予防接種の導入は、
1)その疾病にかかることによる負担(疾病負担)
2)ワクチンの有効性
3)ワクチンの安全性
4)医療経済性
を考慮して、決められていきます。
*妊婦さんが、水痘、麻疹、百日咳などにかかると、胎児に悪影響を及ぼすので大問題
*最近、混合病棟が増え、子どもから大人への感染などもありうる
*子どもに接種することで周りの大人も守ることが出来る
*学校教育においてワクチンがこういった病気を防ぐと教え、それによって子どものほうから必要性を理解する場をつくり普及を
*小児科学会予防接種部会で、ワクチンの要望を受け入れ、政府に提言していく
基本はワクチンで防ぐことが出来る病気VPDは、ワクチンで防ぐ
�おたふくワクチン
1)疾病負担
脳炎、髄膜炎、難聴1/400-1/2万、睾丸炎(中学生ごろの罹患で)、乳腺炎、卵巣炎などを来たす
妊娠の第1三半期に妊婦がかかると流産
年齢が大きくかかると髄膜炎のなる率が上昇
(ウイルスの直接侵襲だけでなく、年齢が大きいと生体の免疫学的反応により重症化する)
罹患すると1週間から10日欠席
2)有効性
一回で90%、二回接種で99%効果
3)安全性
Jeryl Lynn株 ワクチン副作用の髄膜炎 1/100万
Urabe株 1/5-10万
星野株、鳥居株 1/2000-2万
⇒乳児期に接種することで、副反応を減らすことができる
4)医療経済性
導入で、400億円プラス、厚生労働省試算290億円プラス
5)その他
2004年段階で先進国でおたふくワクチンを定期接種に入れていないのは、日本のみ
MR+Mの同時の接種がよいかもしれない
かつてのMMRにおける髄膜炎発症が何歳で出ているかの検証が必要
�水痘ワクチン
1)疾病負担
年間約100万罹患、重症4000人、死亡20人
学校保健安全法で出席停止、学校生活への影響、社会生活への影響
発症ピークは4-5歳、90%以上が10歳までに
妊娠初期の水痘による胎児への悪影響、
新生児が水痘を罹患することによる重症化
神経症状
50年後帯状疱疹
2)有効性
感染防止80-85%、
重症化防止100%
breakthrough水痘ある(接種していても罹患)
*米国二回接種12-15ヶ月と4-6歳
3)安全性
安全性高い
副反応低い
4)医療経済性
罹患した場合の抗ウイルス薬が高額で、医療費を増大させている
5)その他
年間250万ドーズあり、ワクチン供給は可能
�B型肝炎
1)疾病負担
世界で罹患約3億人、毎年約60万人死亡(1600人/日)
日本約100万人推定、10-15%が慢性肝炎、肝硬変、肝がん 1万人死亡
小さいときに感染しやすい、特に3歳未満
父子感染や保育園での感染もありうる
2)有効性
小さいときの接種で、高い抗体化を維持
感染しても発症を防ぐ
3)安全性
4)医療経済性
5)その他
1992年WHOは、すべての出生児にB型肝炎ワクチン接種を推奨
世界の70%は定期接種に入れている
集団感染を防ぐエチケットしての接種を
小学校高学年での接種でキャッチアップを
ビームゲン年3万ドーズ、1万人接種⇒最近年間5万ドーズ、接種者増えている
以上