「中央区を、子育て日本一の区へ」こども元気クリニック・病児保育室  小児科医 小坂和輝のblog

感染を制御しつつ、子ども達の学び・育ちの環境づくりをして行きましょう!病児保育も鋭意実施中。子ども達に健康への気づきを。

東京大アイソトープ総合センター長 児玉龍彦教授

2011-08-01 08:46:14 | 防災・減災

 7月27日第10回東北外来小児科学研究会に参加いたしました。http://blog.goo.ne.jp/kodomogenki/e/2ef3e3ec88c0ff8e2b1763db89be6c03

 最初の演題は、『こども達への放射線被ばくによる影響とその予防』

 発表をなされた先生は、福島第一原発事故と広島原爆の比較に異を唱えていらっしゃいました。

 私は、児玉先生が主張されること、「保障の問題と子どもの健康を守ることとは、分けて考える」べきであることに同感である旨の発言を、同研究会質疑応答で述べさせていただきました。

 ちょうど、児玉氏のことを取り上げているコラムがございましたので、掲載。


*以前のブログ:http://blog.goo.ne.jp/kodomogenki/e/93ef9fe8593335869e8d8bcceb77f39d


*児玉氏関連を取り上げた他のブログ:
http://japan.digitaldj-network.com/archives/51916309.html

*雑誌医学のあゆみ掲載の論文
甲状腺癌        http://bit.ly/qAozh9
チェルノブイリ膀胱炎 http://bit.ly/pbmCQm

*8月1日の東京新聞のコラム
http://www.tokyo-np.co.jp/article/column/hissen/CK2011080102000018.html



****東京新聞(2011/08/01)*****

筆洗

 「七万人が自宅を離れてさまよっている時に国会はいったい何をやっているのですか」。火を吐くような気迫に衆院委員会室は静まり返った。先週、厚生労働委員会に参考人として呼ばれた東京大アイソトープ総合センター長の児玉龍彦教授の発言だ▼教授の試算は衝撃的だった。福島第一原発の事故で漏出した放射性物質は広島原爆の約二十個分。一年後の残存量は原爆の場合、千分の一に減るが、原発から出た放射性物質は十分の一程度にしかならないという▼福島県南相馬市で自らが手掛けている除染活動を通じ、内部被ばくから子どもを守ろうとする責任感が伝わる発言だった。国会の怠慢を厳しく批判する先には、動きがあまりにも鈍い国への憤りがある▼細野豪志原発事故担当相は日本記者クラブでの記者会見で「除染作業こそ国家的プロジェクト。福島の皆さんに希望を持っていただける」と語っている。今後、除染作業が兆単位の公共事業になるのは間違いない▼児玉教授は、民間の技術を結集し直ちに国の責任で除染研究センターを設置するよう求めた。避難住民を無視した利権まみれの公共事業にしてはならない▼「人が生み出した物を人が除染できないわけがない。福島におけるセシウム除染は、次の世代への日本の科学者の責任である」。教授は医学雑誌にそう記した。学者の良心に希望を感じる。

以上、


*****東京新聞*****

『論壇時評 放射能との闘い』(金子勝)(2011年7月26日東京新聞夕刊)

最後の数段落のみ引用

 児玉龍彦「"チェルノブイリ膀胱炎" 長期のセシウム137低線量被曝の危険性」(『医学のあゆみ』7月23日号)によれば、

 日本バイオアッセイ研究センター(神奈川県)所長の福島昭治博士らによって、前癌状態である「増殖性の異型性変化を特徴とする"チェルノブイリ膀胱炎"」が発見されている。そして、「すでに福島、二本松、相馬、いわき各市の女性からは母乳に2~13ベクレル/kgのセシウム137が検出」されており、この濃度は、福島博士らが調査した「チェルノブイリの住民の尿中のセシウム137にほぼ匹敵する」。「そうすると、これまでの『ただちに健康に危険はない』というレベルではなく、すでに膀胱癌などのリスクの増加する可能性のある段階になっている」と警告する。

 児玉は自身の南相馬における除染活動に基づいて、今の放射能汚染は「土壌の粘土分に付着したセシウム137からの放射線によると思われ、土壌の除染が鍵」となっており、とくに「放射線障害は、細胞増殖の盛んな子ども、免疫障害のある病人に起きやすいことから、保育園、幼稚園、小学校、中等学校と年齢の若い児童の接触、吸入可能性あるところから除染が急がれる」という。

 その際、二十~三十キロの同心円の規制区域が線量の高さとずれており、早く「自治体の判断」にまかせるとともに、「賠償と強制避難を結びつけるのをやめ、住民の避難コストは東電と政府で支払うべきである」とする。

 そのうえで、児玉はこう呼びかける。「人が生み出した物を人が除染できないわけがない。福島におけるセシウム除染は、次の世代への日本の科学者の責任である」と。

以上引用終わり

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