京の辻から   - 心ころころ好日

名残りを惜しみ、余韻をとどめつつ…

11月1日「古典の日」

2016年11月01日 | 講座・講演

【世界に誇る古典文学である「源氏物語」の存在が記録上確認できるもっとも古い日付が寛弘5年(1008年)11月1日であることから、一千年目にあたる、平成20年(2008年)11月1日に「源氏物語千年紀記念式典」が開催されました。その式典において、古典に親しみ、古典を日本の誇りとして後世に伝えていくため、11月1日を「古典の日」とする宣言がなされました。】(広報より)

 「古典の日に関する法律」が公布・施行されて今年で5年。今年は原点に戻って『源氏物語』をテーマとした内容で古典の日フォーラムが開催された。
瀬戸内寂聴さんの「源氏物語と嵯峨」と題した記念講演から始まったが、時間を大きくオーバーしてようやく終わるというお元気ぶり。「今日のために、昨日、自分が書いた『源氏物語』を読み始めたら、自分が書いた『源氏物語』がですね、おもしろくておもしろくて、おおかた徹夜して読んでいました。皆さんもぜひ読んでみてください」…と。脇に女性が付き添って、93歳の足取りはとてもスムーズで、足早だった。

三笠宮様が亡くなられ、予定されていたプログラムは一部変更が生じた。彬子女王殿下と中村勘九郎さんによる記念対談「私と古典~江戸の華・歌舞伎と浮世絵」は中止。代わって、井上あさひさん(NHK京都放送局アナウンサー)との対談となった。映画や舞台の裏話など多く、父親としての一面ものぞかせてもらったが、訊ねられたことに答える形で話しにふくらみはなく、仕方ないけれど少しがっかり。

基調講演は林望氏による「『源氏物語』その様々な味わい」。わかった気になれる、わかりやすさ…。
女々しく、はかなきことのみ多き物語。「揺れ動く心の矛盾を描く、それが文学です」と耳にしては、そうそう、な~んてまたわかったような気にさせられる。


「いい一日だったわ」。帰り道、フォーラムに誘った友のひと言もあって、私にとっても良い一日となりました。
コメント (4)
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