京の辻から   - 心ころころ好日

名残りを惜しみ、余韻をとどめつつ…

高麗仏画 - 香り立つ装飾美 -

2016年11月04日 | 展覧会

「荘厳華麗 あふれる気品」
13-14世紀に朝鮮半島の高麗国で花開いた仏画の企画展が泉屋博古館(せんおくはくこかん)で始まった。

  
          (新聞で)

「高句麗」なら日本史の中で多少は思い浮かぶが、「高麗」と聞いてもその関わりには知識もない。けれどそういうことは度外視して、新聞紙上に掲載された高麗仏画を代表するという「水月観音像」のなんともいえない柔和さ、絵図の細微な装飾、色合いに目を見張った。右手の先には赤い糸で連ねた白い水晶の数珠が垂れている。大円相に包まれ、身に薄もののベールをまとう。華麗な荘厳(しょうごん)、なんという色づかい。妙に、妙に心惹かれて、「行こうか!?」「行こう!」と即決だった。

この「水月観音像」は、ここ2年をかけての全面修理が終わったところで、1978年の大和文華館の展示以来の公開となるのだそうな。いつもは端から順番に見て回るが、今日ばかりは変更。
阿弥陀如来に「国の安寧、今生の福寿と死後の往生に願いを託」し、「観音の浄土補陀落で瞑想する観音に教えを乞う様を描いた」高麗の宮廷画家。これらの仏画は朝鮮半島にはほとんど残ってなくて、海を渡り日本の寺院で保存されているのが大半だという。
そういえば…だが、日本での仏画盗難事件がニュースになることがあった。韓国内で転売されるというから、やはり「盗難」なのだろう。高麗王朝のものだそうだ。

とても気持ちも和んで、帰り道にある岡崎神社に立ち寄った。孫のTylerが生まれるときに参拝したあのウサギの神社で、ひと月後に迫った第三子の無事な誕生を祈った。

コメント (2)
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