京の辻から   - 心ころころ好日

名残りを惜しみ、余韻をとどめつつ…

荷風さんに倣いたい

2024年11月03日 | 催しごと
「京都の民族芸能継承団体一堂に」という記事を地元紙で目に留めていたので、京都駅前の広場へと出向いた文化の日。
大雨に籠められた一日は一変して、雲一つない青空が広がった。


本来ならそれぞれの拠点でしか見られない芸能や踊り - 嵯峨大念佛狂言、千本ゑんま堂大念佛狂言、嵯峨野六斎念仏、玄武やすらい踊りが披露される。

始まりを平安時代にさかのぼれる千本ゑんま堂大念佛狂言は、室町時代に隆盛をきわめ、その様子は狩野永徳の上杉本洛中洛外図屏風(国宝)に描かれているという。壬生狂言との違いはセリフがあること。



「いろは」の途中からと「雷」とをみたあと、嵯峨野六斎念仏の「四ツ太鼓」「神楽獅子」を見る。

嵯峨野六斎念仏は平安時代に空也上人が鉦や太鼓を打ち鳴らし、念佛をとなえて踊ったことに始まる。


斎戒謹慎して念仏を唱えた六斎日(毎月8,14,15,23,29,30日)が、京都では、江戸時代に能や歌舞伎に獅子舞などの雑芸を取り入れ、念佛の要素を含みつつ、芸能的な六斎念仏となっていった。京都には14の保存会があるという。
「四ツ太鼓」では小学生を含めた若者のパフォーマンスが目を引いた。相当な練習を積んでいるはず。晴れの舞台の一つになるのだろうか。

鞍馬火祭り・太秦牛祭りとともに京の三奇祭の一つとして知られる「玄武やすらい踊り」を一番の楽しみにしていたのだった。
風流物の一つとしてユネスコ無形文化財に登録されている。映像では知るが、一度も目にしたことがないのだ。
太鼓、花傘、シャグマをつけた鬼、拝見したかった。
周囲を大きく囲った中に椅子席はちょい。入れ替わりがあるだろうと思って出かけたので、ずっとの立ち見は辛くって、諦めた。

   
   秋晴れの日記も簡を極めけり     相生垣瓜人

日記と言えば永井荷風。荷風さんが何もせず、家にこもるのは病気の時くらい。還暦、古希、そして喜寿を迎えて、体力の衰えなどもあるだろうに信じられないほど好奇心旺盛に街々を歩いたようだ。奔放な生活は『断腸亭日乗』を垣間見てもうかがえる。

好奇心こそが楽しみを拡大するのだな…。
また別の楽しみを待つとしよう。




※4日付朝刊


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2 コメント

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古都にふさわしい催し、お祭りです (Rei)
2024-11-04 15:01:57
三大奇祭、鞍馬火祭りはテレビで拝見したことあります。
どれも伝統あるお祭りばかりですね。
このよき季節に出かけずしていつ出かけるかと
言いたいほどの陽気、秋はお祭りのオンパレードですね。
インバウンドにも京都は大人気、喜ぶべきかはたまた・・・・

ブログ相談室みたいでごめんなさい!
編集画面にログイン→コメント管理→ところがここから
頂いたコメント全部が表示されずある方(ふくちゃん)までなのです。相談サイトもあるようですが
私がW投稿しなければいいことなのですが、
今後も同じようなエラーがないとも限りません。
以後注意いたします。93歳は93歳です。
ありがとうございました。
返信する
秋祭り  Reiさん (kei)
2024-11-04 17:13:04
私はタワーを後方に立っていましたので、
もう少し見ていたら立ち見の端っこに映り込んでいたかもしれません(笑)
この朝は、NHKの「小さな旅」を見ていて、山梨県の小伏(だったとおもうのですが)で、
小さな村の伝統芸能の継承に励む二十歳の若者の姿を見ていました。
全国各地で、秋はこうしたお祭りが多いですよね。
京の観光の玄関口で、様ざまな人にと公演されました。

コメント管理の画面は変わったみたいですね、今日から??
①②とあるので、②を開くとどうなのでしょう…。
しばらく離れていらっしゃったがためで、気になさらずそのままでも?
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