京の辻から   - 心ころころ好日

名残りを惜しみ、余韻をとどめつつ…

名前を知ろう

2019年08月26日 | 日々の暮らしの中で

小ぶりの植木鉢に種がこぼれ散る。8月に入って先っぽに一輪咲いただけで、どうやらお終いになった。そろそろ種を採っておこうと鋏を入れた。
ただ、私には宿題が残っている。

「もし、名前を知らなかったら、それらはたんなる草花であり、木であり、においであり、鳥であるだけで風景の中に埋もれてしまっていることだろう」「ものの名前を覚えると身の回りの世界が広がる」
佐伯一麦さんの実感が語られていたが、やはりこの夏の最後に、この花の名前を確かめておかなくてはという思いに駆られている。

わずか数センチの小さな蕾がほころぶことでさえ、夏の朝に一つの喜びをもたらしてくれてきた。暮らしを楽しむということでもあった。
「ねえねえ、そこのあなた」なんて呼ぶのは、やはり失礼でしょう。
相手の心をノックするために、名前を呼ぼう。名前を知ろう。

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2 コメント

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名前 (Rei)
2019-08-27 22:31:33
確かに仰せの通りです。
植物音痴の私には耳が痛い言葉です。
「自然を愛さない人は教養人ではない」
どこかで聞いた時、
これもまた心に突き刺さった言葉でした。
さほど親しくないお店などで、名前を憶えていてくれると嬉しいもの、
Keiさんのように調べてみようと言う
お気持ちが大切ですね。
名もない路傍の花なんて表現をよくききますが
ものには全て名前のあることに気付かされました。
反省です!本当にありがとうございました
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ものには名前が、Reiさん (kei)
2019-08-29 21:21:08
こんばんは。
名前を知らないために見過ごしてしまっているものはたくさんありそうですね。
何かを機に身についたものは、向こうからやってきますし、目に?意識に良く留まるようにもなりました。
若い頃よりはこれでもずいぶんとましになった気がします。

種の形状からいわゆるアサガオだとばかり思いこみましたが、見知ったものとは違う花が咲きました。
植物園で尋ねてみようと思っています。
やはりここは知っておかないと中途半端な気分です。



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