京の辻から   - 心ころころ好日

名残りを惜しみ、余韻をとどめつつ…

「ひじきに油あげ…」

2018年11月14日 | 日々の暮らしの中で
 ミヤマツツジの帰り花
                                
人参と竹輪も一緒に、油揚げとでひじきを炊いた。
ひじきは身体に良いからと、娘家族がAUSにいるときには荷物の中に必ずというほど何袋ずつか入れ込んだものだ。実父はひじきを「葬式での食べ物」という理由をつけて好まなかった。子供のころの体験がそうさせたらしい。

町内で葬儀ができると上・下の組が交代で女性に総出がかかる。葬儀を出すことになった家が負う食事のまかない事を変わって町内で負担するのだ。豆腐の白和え、ひじきを炊いたものはお決まりの献立。お参りの客人も町内の人もみなみなお膳に寄っていただくから、父が子供の頃には母親が持ち帰ったものを食べていたらしい。

「ひじきに油あげの総菜をうまがって食っている了見ではろくな工夫もつかない」

古本には書き込みが多く(「遺書」があり、プライバシーのデータあり、預金通帳の番号あり…)、中には文句の面白いものもあって、その一つとして出久根達郎さんが披露されていた(『人さまの迷惑』)実はこれ、河竹黙阿弥の作品の中のセリフなのだって。

美味しくいただいて、…この週末に、孫娘が勉強にやって来ることになった。「国語がわからない。古文を教えてください」「数学も、理科も」って。我が家には何人もセンセがいるらしい。期末テストまで2週間ほどとか。来るのはいいけれどね…、ひじきは頭にも良かったのではないかな。

      
毎朝2時間のキックバイクの練習に励むというルーカス。上手になったらしい。気候が良いうちにと、誕生日プレゼントを前倒しで贈った母親。時折時雨れて、寒い一日でした。

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4 コメント

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ひじきとお葬式 (Rei)
2018-11-15 19:41:31
知りませんでした。
初めて聞きました。
私は貧血の持病があり、ひじきは常備菜と言っていいくらい
よく炊きます。
外国では食べないのでしょうか?

古文の先生、頑張ってください。
これ以上の古文の先生はおられないでしょう。
たしかKeiさん、ご専攻と思いましたが?
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常備菜、Reiさん (kei)
2018-11-15 22:12:03
町内でできた御弔いに助け合うための一助ですが、
私が嫁いで以来変わることのない献立です。
蒟蒻を炊いたりも入ります。
父がよく口にしていましたから、古くからひじきはたかれていたようです。
AUSにあったのかどうかはわかりませんが、日本のものは何倍もの値段になるので送っていました。
久しぶりですが、美味しくいただきました。

聞かれたことはそれなりにわかりやすく教えてみるのですが、問題は本人の理解力?です。
現代文でも「日本語」「への壁はありそうです。
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古本の書き込み (蜩の森)
2018-11-16 17:39:06
古本の楽しみ方の一つに、手にした人の思いが残されていることもあるのですね。
人間は本当に面白いことをしますね。
そう言えば、昔のお弔いは近隣の人たちのお仕事でした。
今はそんな付き合い方もなくなりました。
いいことなのか、さてどちらなのでしょう。
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近隣で、蜩の森さん (kei)
2018-11-16 20:03:33
面白い書き込みのあるものを集めている人もいるそうです。
住所、電話番号、こうした個人情報の書き込みは「嘘」が多いようですよ。
うっかり書き付けてしまってはアブナイ?ですね。

お講さんもなくなっているところは多いようです。
高齢者ばかりで負担となると考えものですね。
どこにもボス、いえ、リーダーはいまして、地域の宝?何でも知っています。
決して出過ぎず(笑)、その人の差配にハイハイと従って覚えたものです。
いまや煩わしいと思う人もいるでしょうか。いますね。
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