ブックサンタで本をプレゼントしようというプロジェクト参加を考えて、過日、指定の書店を訪れたのだが在庫がなかった。本日の入荷を待って、『神様には負けられない』を購入し、書店側に預けた。このようなことは黙ってすればいいのだと思うが、こうした試みを広く知ってほしいと思って再度…。
『明日の子供たち』(有川浩)。2年ほど前に中古書店で目にして、何となく手にしたのだった。九十人の子供たちが住んでいる児童養護施設「明日の家」を舞台に、繰り広げられるドラマ。
「人には人の数だけ事情があり、環境がある」。
虐待する親から逃れるために保護された久志は17歳に。
幼い頃、施設長の福原さんが「ご本を読むのは素敵なことよ。みんな自分の人生は一回だけなのに、本を読んだら、本の中にいる人の人生もたくさん見せてもらえるでしょ。本の中の人もヒサちゃんにいろんなことを教えてくれるのよ。素敵ねぇ」などと話してくれたことを忘れずにいる。
細部の展開は記憶も薄れているが、この部分は私もよく記憶している。
「明日の家」の子供たちは、明日の大人たち。「子供のために大人が手を取り合う社会」でありたいとプロジェクトの趣旨に賛同し、その一助に、本を贈るということは私にもできることだった。
久志が思うように、「誰に何が響くかは読んだ本人にしかわからない」ものだ。
手に取ってくれる人の感受性と触れ合うものがあったなら、嬉しいこと。義肢装具士を目指す若者が、励まし合い、経験と人との出会いを重ね、眼差しを深くし、成長していく。「神様って大したもんだよな」、『神様には負けられない』、「神様にだって勝てる」。彼らの言葉を手渡したい。
本を読むのは、素敵なことです。
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