Luntaの小さい旅、大きい旅

ちょっとそこからヒマラヤの奥地まで

アルジェリア縦断 8 さらに砂漠を北へ

2008-01-22 01:04:22 | 中近東/北アフリカ
12月29日 イリーズィからワルグラ

この日の起床は朝3時、ホテル出発4時。
というのも一日で砂漠を1200キロ以上走破しなければならないからだ。
車は4WDから中型バスに変わったが、この長距離(東京から福岡までと同じ)を走るのに運転手は1人、アシスタントも付かない。

いささかの不安を抱えつつ、バスは真っ暗だがきれいに舗装された道路を走り出す。
と30分ほど走ったところで突然、バスの床下から「ガ、ガ、ガ」とひどい騒音が。なんと早くもタイヤがバーストしてしまったのだ。

ドライバーがすぐに修理にかかるが、他の国の経験からすぐ済むだろうと思ったタイヤ交換がなかなかはかどらない。あろうことか、ドライバーはタイヤ交換に慣れていないばかりでなく、積んでいたジャッキが小さすぎて車体が持ち上がらないと言うのだ。

朝方の5時、めったに通らない夜行バスとトラックを止め、ジャッキと手を借りてようやくタイヤ交換が済むまで2時間。せっかく4時に出かけてきたのに、この先が思いやられる。

早朝の出発には距離のほかにもう一つ理由があった。ほとんど砂漠ばかりで町もないこのルート、警察と軍警察のチェックポストが10ヶ所以上もあって、運が悪いと何時間もとめられることがあると言う。写真は厳禁、皆さん、愛想良くして下さい、そうすれば早く抜けられます、と添乗員の注意。本当かね。

8時を過ぎてようやく日の出。周りの景色が見えてくる。
 砂漠。
 また砂漠。
 きれいな砂丘が見えるところは楽しいが
 ほとんどはこんな景色。何もない。

やがて噂のチェックポスト。銃を抱えた兵隊がいるが、珍しい日本人の女ばかり(16人中14人が女)の団体にニコニコ顔。まじめな顔をしてバスに乗り込んできた上司も目的は顔を眺めて好奇心を満たすことと見た。そんなわけでチェックは5分で終了、お互いにこやかに手を振って通過。

結局この後もチェックポストはどこも問題なく、心配は杞憂に終わった。日本人のグループも初めてではないので慣れてきたのだろうか。中には一番若い女の子(まあ、相対的に、ということですが)に投げキスをするやつがいたり、携帯で写真を撮ろうとするやつがいたり、単調な行程で楽しませてもらった。

タイヤ交換の後は順調に走って、昼前リビアとの国境にほど近いイン・アメナスの町に到着。
町のロータリーの素敵なモニュメントに一同大喜び。
 
りりしい石油労働者と目つきの悪いラクダ。

ここから道は西に折れ、大オリエンタル砂漠に入る。
荒涼とした砂漠の中にぽつん、ぽつんと石油採掘場や精製所が見える。

アルジェリアは良質の天然ガスと石油の産出国で、そのおかげで経済指標ではアフリカでもリビア、チュニジアについで第3位なのだそうだ。その富の分配の仕方にどうも問題があるようなのだが。

バスはトイレ・ストップ以外まったく止まらず、ひたすら北を目指す。
 道は状態がいいところはこんな感じでスピードも出せるのだが、悲しいかな、こういうところばかりではない。
 唯一立ち寄ったカフェ。
 ここの愛想のない子供の入れてくれたエスプレッソは、しかしアルジェリア滞在中一番おいしかった。

 午後からは雲が多くなり、少しだが雨が降った。
おかげで砂漠の虹も目撃。
 
 そして夕暮れ。
しかし目的地まではまだまだ。日が暮れてからが長い。

この日は食事も3食バスの中。
 朝食
 昼食
 そして夕食

夕食の後はiPodで音楽を聴いたり、うとうとしたり。
やがて石油精製所の明かりが増え、町も増えてきて24時17分、無事目的地ワルグラ到着。

出だしこそつまづいたものの、20時間を1人で走りきったドライバーのアイサさん。
 ありがとう!

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コメント (6)
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