Luntaの小さい旅、大きい旅

ちょっとそこからヒマラヤの奥地まで

「つぐない」と「P.S.アイラブユー」

2008-04-07 02:32:07 | 機内食・映画・美術展
香港への往き帰り、今回は珍しく恋愛もの2本。

「つぐない」

第二次大戦前後のイギリス上流階級のお嬢様方と使用人の息子の恋愛。
主役の2人、キーラ・ナイトリーとジェイムズ・マカヴォイの二人がきれいだし、イギリスの田園風景も、ベルギーの戦場の場面にもはっとするほど美しいシーンがある。美しい姉に嫉妬する妹の気持ちも良く分かる。でもなぜだろう、見終わった後にぐっと来るものがない。

弱いのはたぶん成長した妹役の女優さん。幼い頃の罪に苦しみ、それを償おうとする気持ちが切実に伝わってこないのだ。感情や表情を表に表さないイギリス式のアンダー・ステートメントにしてももっと表現の仕方があっただろうと思うのだが。

あるいはストーリーのせいかもしれない。冤罪の元となるいとこの事件があまりにもみえみえで、だから妹の悪意ばかりが際立って同情が湧かない。しかしこの真実は本来は物語の後半になって初めて分からなければいけないのではないだろうか。後半、真実がわかってびっくり、みたいな演出があるのだが、最初から明白なことなのでむしろこっちがびっくり。原作を読んでいないのでわからないが、ここは映画の演出がへたくそだったんじゃないかと思わせる節がある。本来は妹の告発が嫉妬によって目を曇らせた末の勘ちがいであったという物語が、最初から嘘と分かっていて陥れたという話になってしまったように思うのだがどうだろう。

見て損はないが、ちょっと残念な映画。
衣装、特に看護婦さんのユニフォームが一番素敵かも。


「P.S.アイラブユー」

病気でなくなった亭主が失意に沈む嫁を励ますため、1年にもわたって前もって手配したメッセージを送り続ける話。

愛する嫁の行く末が心配で、死んだ後まで気にかけて、と考えればロマンチックだが、現実的には相当うっとおしくないだろうか。「僕のことは忘れて、前向きに生きろ」と言いつつ、自分の存在をアピールし続けるのだから。

でもまあ映画だ、ロマンチックな方に考えようじゃないか、と思うのだが、残された嫁がヒラリー・スワンクではこれがまた説得力がない。どう見てもど根性女で、亭主が死んだからといつまでもめそめそしているような女には到底見えないのだから。

アカデミー賞を2度も取って、どんな映画も選び放題のヒラリーがこの役をやりたがった、その気持ちは良く分かる。強い女の役ばかり来てしまうので、たまにはかわいい女の役もやって芸の幅を広げたかったのだろう。でも誰にでも向き不向きはある、これはやっぱり無理だったねえ、と言う感じ。あるいはそこまでの演技力はなかったと言うことか。

結構かわいい映画なので、主演がもっとフレッシュでかわいらしい女優さんだったら拾い物になったのに、ともったいない。
アイルランドの風景も魅力的で、ちょっと行きたくなった。


ブログランキング・にほんブログ村へ ←人気ブログランキングへ一票、お願いします。
コメント (2)
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする