京都最終日、午後早い列車に乗る前に京都国立博物館に行くことにした。
地図で見ると近そうなのでJR京都駅からてくてく歩く。すると意外に距離があって、すっかり汗をかいてしまった。
やっと着いた正門をくぐると
正面に明治30年に造られた古い本館。ルーブルと大英博物館を混ぜて小さくしたみたいな所がいかにも明治時代らしいが、立派で見栄えがする。
こちらは現在は特別展示館になっていて、ちょうど「河鍋暁斎展」を開催中。
暁斎は幽霊画ぐらいしか知らないのでのぞいてみることにする。
中に入ると平日の午前中というのに結構な人出。陳列の前を隙間なく老若男女が埋めている。最近の伊藤若冲ブームの流れだろうか、ちょっとびっくり。
展示はかなり力が入っている。浮世絵、美人画、幽霊画、練習帖や下絵まで130点もあるので一回りするだけでくたびれる。
で見終わった感想だが、河鍋暁斎というのは腕のいい職人である。実に器用に何でも描ける、でも芸術家としてのオリジナリティーはさほどないんじゃないだろうか。妖怪の絵は室町時代の写しだし、動物の絵は「鳥獣戯画」のぱくりだし。
こんな漫画みたいな絵が一番いきいきしている。
展示の中で一番面白かったのは羽織の裏に描かれた絵。後ろ身には首をくくった男と全身血まみれで磔になった女、前身ごろにも首から血を流し、股間には男の首が吸い付いた裸の女、とすごい図柄。名前は分からない誰かの注文で描かれたらしいが、描き手よりも注文主に興味を持ってしまった。こんなエログロで悪趣味な羽織を喜んで着ていたのはどんな人間なのだろうと。
ことほどさようにどんな注文にも応じる暁斎、外国人に人気があったというのも同じ理由からだろう。つまり商売上手だったわけだ。
学生時代、日本美術史の教授は「明治以降の日本美術はくずだ」と一刀両断していたっけなあ、なんて思い出しながら平常展示館へ向かう。
昭和41年にできたというこの建物、学校の体育館みたいで色気も何もない。
そして中の展示も外見と同じ、収蔵品はいいのに見せ方が古臭すぎて魅力的に見えない。
外国人もたくさん来る京都なのだから、もっとがんばっていただきたいものだ。
ちょっと期待はずれな博物館を後にして、最後は京都駅の隣、伊勢丹のデパ地下でおいしそうなものを物色。
新幹線の中でお弁当を食べて
ああ、楽しかった!
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地図で見ると近そうなのでJR京都駅からてくてく歩く。すると意外に距離があって、すっかり汗をかいてしまった。
やっと着いた正門をくぐると
正面に明治30年に造られた古い本館。ルーブルと大英博物館を混ぜて小さくしたみたいな所がいかにも明治時代らしいが、立派で見栄えがする。
こちらは現在は特別展示館になっていて、ちょうど「河鍋暁斎展」を開催中。
暁斎は幽霊画ぐらいしか知らないのでのぞいてみることにする。
中に入ると平日の午前中というのに結構な人出。陳列の前を隙間なく老若男女が埋めている。最近の伊藤若冲ブームの流れだろうか、ちょっとびっくり。
展示はかなり力が入っている。浮世絵、美人画、幽霊画、練習帖や下絵まで130点もあるので一回りするだけでくたびれる。
で見終わった感想だが、河鍋暁斎というのは腕のいい職人である。実に器用に何でも描ける、でも芸術家としてのオリジナリティーはさほどないんじゃないだろうか。妖怪の絵は室町時代の写しだし、動物の絵は「鳥獣戯画」のぱくりだし。
こんな漫画みたいな絵が一番いきいきしている。
展示の中で一番面白かったのは羽織の裏に描かれた絵。後ろ身には首をくくった男と全身血まみれで磔になった女、前身ごろにも首から血を流し、股間には男の首が吸い付いた裸の女、とすごい図柄。名前は分からない誰かの注文で描かれたらしいが、描き手よりも注文主に興味を持ってしまった。こんなエログロで悪趣味な羽織を喜んで着ていたのはどんな人間なのだろうと。
ことほどさようにどんな注文にも応じる暁斎、外国人に人気があったというのも同じ理由からだろう。つまり商売上手だったわけだ。
学生時代、日本美術史の教授は「明治以降の日本美術はくずだ」と一刀両断していたっけなあ、なんて思い出しながら平常展示館へ向かう。
昭和41年にできたというこの建物、学校の体育館みたいで色気も何もない。
そして中の展示も外見と同じ、収蔵品はいいのに見せ方が古臭すぎて魅力的に見えない。
外国人もたくさん来る京都なのだから、もっとがんばっていただきたいものだ。
ちょっと期待はずれな博物館を後にして、最後は京都駅の隣、伊勢丹のデパ地下でおいしそうなものを物色。
新幹線の中でお弁当を食べて
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