「日本秘湯を守る会」のスタンプがめでたく10ヶ集まったので、招待券を使うべく、じじばばを誘って温泉に行ってきた。
招待はスタンプ10ヶ所のうちの一つなので、昨秋に行った新潟の松之山温泉、凌雲閣を選択。
東京駅から新幹線に乗るときのお楽しみは駅弁の物色。
なるべく東京のものを、と思いつつ、深川めし以外は大船と青森を選んでしまった。
深川めしはアサリの入った味付けご飯の上にアナゴとハゼの甘露煮がのっていて、味付けがちょっと濃い目なのは東京風だろうか。しらす弁当の方は文字通りご飯の上にシラスが乗っているだけだが、この塩加減がちょうど良くてシンプルでうまい。
そしてこちら「大間のマグロづけ炙り丼」
駅弁で1650円とは強気な値段、しかも弁当にあぶりとはいえ刺身を入れるとは大胆だが、このづけマグロが本当においしかった。下に敷かれたご飯もしょうゆ味の炊き込みご飯だが、この味がまた上品。1650円も買って損はなかった。
とっかえひっかえしながら駅弁の食べ比べをしていれば越後湯沢まではあっという間。ここからほくほく線のまつだいまで行けば駅の改札に宿の人が迎えに来てくれているので年寄りも楽々。
旧館に一つだけあるトイレ付きの部屋に落ち着いて、早速あの強烈に魅力的なお風呂へ。
コールタールに薬が混ざったような香りながら柔らかな肌触りのお湯にしばらく漬かっていれば、やがて汗が吹き出て止まらなくなる。体の中の老廃物がみんな出て行くような気がして、これが気持ちいい。
さて今回のご招待にこの宿を選んだわけはこのお風呂にもう一度入りたかったからだけではない。
この宿には秋のスペシャル・メニューがあるのだ。
通常よりやや遅め、6時半にお呼びがかかって食事どころの大広間へ。
テーブルの上にはすでにお料理が幾皿も並び、その後も次々にやってくる。
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たっぷりのお刺身も新鮮でおいしいけれど、昨年感激した鮭の白子の煮付けに年寄りも大喜び、なら茸の卵豆腐やミズの浅漬け、ズイキの酢の物など、珍しい山菜も大好評。
とこれらの料理をつまんでいるうちに本命が登場。
平日3組限定のきのこ鍋。
大皿にてんこ盛りになったきのこにはそれぞれ名札がつけられていて、数えてみたらなんと24種類!これでも今年は夏の暑さのために、普段よりきのこの種類が少ないのだそうだから、多い時はどうなってしまうのか。すべてこの宿の料理長が山で採ってきたものだそうで、黄色いのやら紫のやら、見たこともないきのこがわんさか。
この山盛りきのこの下には鶏肉や牡蠣、魚が隠れていて、まずはそれらを鍋に入れてだしをとってからきのこを次々に投入する。はじめはいちいち「これはなに茸」なんて確認していたが、あまりの多さに途中から断念。到底おぼえられやしないのだから。
ぬめりのあるものやら、しゃきしゃきしたものやら、きのこはそれぞれ食感や味が違って面白い。そして24種類ものきのこを投入した後のおだし、これがむちゃくちゃおいしくてぐびぐび。ここにご飯を入れて雑炊にしたらさぞかし、と思うが、ノーカロリーのきのことは言え大皿一杯も食べれば動けなくなるほど満腹になる。
隣のテーブルのご夫婦は毎年これを食べに来るとおっしゃっていたが、これは確かにここでしか食べられない。
翌朝になってようやくコシヒカリの新米をいただいたが、今年はやはり夏の猛暑のためにお米が乾燥気味とか。そのせいか、柔らかすぎるご飯があまり好きではない自分には去年よりもおいしく感じる。
チェックアウトの時になるとじじばばは「次は豪雪の時に来て見たい」とか「春の山菜の時にまた絶対に来る」とか女将さんに愛想を振りまいている。これはよほどこの宿が気に入った様子。よかった、よかった。
そして帰りの越後湯沢、ここで締めのお昼ご飯。
検索しておいた駅前のおすし屋さんに行ってみる。
駅から5分ほどの紅葉寿司は一軒屋。
のれんはかかっているが店内は電気もついておらず、不安に思いながら声をかけるとしばらくしてやっと板さんがでてきた。
地の魚が食べたいと所望しても「それほど珍しいものもないんですが」とあまり気のないお返事。
それでもいくつか名前を挙げるのでそれをお願いすると
まずは「ふなべた」。
カレイの一種だそうだが、ゆずこしょうをのせポン酢をたらしたこの握りはさっぱりしておいし~。
美雪鱒というのは六日町が特産として売り出そうとしている虹鱒とイワナのかけあわせ。サーモンほどくどくなく、これもなかなか。
珍しいホウボウのにぎり。
これも上品な白身でうまい。
このほかにもいくつか握ってもらったが、ネタはもちろん、シャリが小ぶりでふっくら握られ、どれもおいしい。
田舎に行くとまるで握り飯のように大きなシャリでげんなりすることがあるが、ここのはお江戸の握りみたい。
最初の不安はどこへやら、お寿司にも大満足して新幹線に乗り込む。
それにしてもよく食べた2日間であった。
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招待はスタンプ10ヶ所のうちの一つなので、昨秋に行った新潟の松之山温泉、凌雲閣を選択。
東京駅から新幹線に乗るときのお楽しみは駅弁の物色。
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なるべく東京のものを、と思いつつ、深川めし以外は大船と青森を選んでしまった。
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深川めしはアサリの入った味付けご飯の上にアナゴとハゼの甘露煮がのっていて、味付けがちょっと濃い目なのは東京風だろうか。しらす弁当の方は文字通りご飯の上にシラスが乗っているだけだが、この塩加減がちょうど良くてシンプルでうまい。
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駅弁で1650円とは強気な値段、しかも弁当にあぶりとはいえ刺身を入れるとは大胆だが、このづけマグロが本当においしかった。下に敷かれたご飯もしょうゆ味の炊き込みご飯だが、この味がまた上品。1650円も買って損はなかった。
とっかえひっかえしながら駅弁の食べ比べをしていれば越後湯沢まではあっという間。ここからほくほく線のまつだいまで行けば駅の改札に宿の人が迎えに来てくれているので年寄りも楽々。
旧館に一つだけあるトイレ付きの部屋に落ち着いて、早速あの強烈に魅力的なお風呂へ。
コールタールに薬が混ざったような香りながら柔らかな肌触りのお湯にしばらく漬かっていれば、やがて汗が吹き出て止まらなくなる。体の中の老廃物がみんな出て行くような気がして、これが気持ちいい。
さて今回のご招待にこの宿を選んだわけはこのお風呂にもう一度入りたかったからだけではない。
この宿には秋のスペシャル・メニューがあるのだ。
通常よりやや遅め、6時半にお呼びがかかって食事どころの大広間へ。
テーブルの上にはすでにお料理が幾皿も並び、その後も次々にやってくる。
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たっぷりのお刺身も新鮮でおいしいけれど、昨年感激した鮭の白子の煮付けに年寄りも大喜び、なら茸の卵豆腐やミズの浅漬け、ズイキの酢の物など、珍しい山菜も大好評。
とこれらの料理をつまんでいるうちに本命が登場。
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大皿にてんこ盛りになったきのこにはそれぞれ名札がつけられていて、数えてみたらなんと24種類!これでも今年は夏の暑さのために、普段よりきのこの種類が少ないのだそうだから、多い時はどうなってしまうのか。すべてこの宿の料理長が山で採ってきたものだそうで、黄色いのやら紫のやら、見たこともないきのこがわんさか。
この山盛りきのこの下には鶏肉や牡蠣、魚が隠れていて、まずはそれらを鍋に入れてだしをとってからきのこを次々に投入する。はじめはいちいち「これはなに茸」なんて確認していたが、あまりの多さに途中から断念。到底おぼえられやしないのだから。
ぬめりのあるものやら、しゃきしゃきしたものやら、きのこはそれぞれ食感や味が違って面白い。そして24種類ものきのこを投入した後のおだし、これがむちゃくちゃおいしくてぐびぐび。ここにご飯を入れて雑炊にしたらさぞかし、と思うが、ノーカロリーのきのことは言え大皿一杯も食べれば動けなくなるほど満腹になる。
隣のテーブルのご夫婦は毎年これを食べに来るとおっしゃっていたが、これは確かにここでしか食べられない。
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チェックアウトの時になるとじじばばは「次は豪雪の時に来て見たい」とか「春の山菜の時にまた絶対に来る」とか女将さんに愛想を振りまいている。これはよほどこの宿が気に入った様子。よかった、よかった。
そして帰りの越後湯沢、ここで締めのお昼ご飯。
検索しておいた駅前のおすし屋さんに行ってみる。
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のれんはかかっているが店内は電気もついておらず、不安に思いながら声をかけるとしばらくしてやっと板さんがでてきた。
地の魚が食べたいと所望しても「それほど珍しいものもないんですが」とあまり気のないお返事。
それでもいくつか名前を挙げるのでそれをお願いすると
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カレイの一種だそうだが、ゆずこしょうをのせポン酢をたらしたこの握りはさっぱりしておいし~。
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これも上品な白身でうまい。
このほかにもいくつか握ってもらったが、ネタはもちろん、シャリが小ぶりでふっくら握られ、どれもおいしい。
田舎に行くとまるで握り飯のように大きなシャリでげんなりすることがあるが、ここのはお江戸の握りみたい。
最初の不安はどこへやら、お寿司にも大満足して新幹線に乗り込む。
それにしてもよく食べた2日間であった。
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