Luntaの小さい旅、大きい旅

ちょっとそこからヒマラヤの奥地まで

南極旅行 19 サウス・オークニー、ローリー島

2014-04-10 18:35:43 | 北米/南米/南極
2月15日

サウス・ジョージアを出てスコシア海を南西に航海。
時間をまた1時間戻す。

一日海上なのでプレゼンテーションが多く、そのたびに階段を6階分上り下りする。

本日教わったこと:

* ペンギンは生後1年が正念場。卵やヒナはトウゾクカモメなどに狙われて、90%が1年目に死んでしまう。1年目を生き延びれば寿命は15年から20年近くある。

* 南極オットセイは20世紀の初めに毛皮猟で乱獲されて絶滅しかけた。がその後猟がなくなり、鯨もいなくなったので3500頭から現在は推定150万から500万頭もいるらしい。

* アホウドリは寿命が長くて、人間と同じぐらい長生きする。ヒナが一度巣を離れると、繁殖期の14,5歳になるまで一度も陸には上がらないのだそうだ。寝るのも飛びながら、脳の半分づつ寝ているらしいがよくはわかっていない。

部屋を暗くされるとうとうとしてしまうこともあるが、知らないことがいっぱいでおもしろい。

 夕方、波がちょっと荒くなったがこの程度。
ブリッジまで届くような波しぶきを期待して待ったがとうとう見られずじまい。


2月16日

 朝6時の気温が5℃と暖かいが、船の周りは濃霧。

 船はサウス・オークニー諸島に到着し、東端のローリー島を目指す。
ここはスコットランドのオークニー諸島と緯度がほぼ同じなので「南のオークニー」と名づけられたそうだが、南緯60度以南なので南極条約によりどこの国の領土でもない。

 
10時過ぎて見えてきた、これがローリー島。
 この島にはアルゼンチンの海軍基地と南極観測基地があり、今日はその基地を訪ねる。

とは言え一度に100人近くがお邪魔するわけにはいかないので、半数はまず島の周りをボートクルーズ。

 
小さいながらもいよいよ現れてきた氷山。
  
近くで見るとアイスブルーがほんとにきれい。

 ボートで島に近づいてみると
  
海岸は足の踏み場もなさそうなほどアザラシだらけ。
 急な崖にはゴマ粒がたくさん見えるが、これはペンギン。地面がピンクがかっているのはオキアミを食べた糞のせい。

この島にいるのは初お目見えのアゴヒゲペンギン。
 
体長70cm弱でジェンツーよりちょっと小さく、体も頭もちょっと細い。英語では Chinstrap と言う通り、ひげと言うより帽子のあご紐のような黒い線が顔に入っている。
 ヒナは灰色のホワホワでジェンツーのヒナにそっくり。
 驚くほど高い崖の上にもいるが、ぎゃーぎゃー騒ぐトウゾクカモメのすぐそばにもいるのはなぜだろう。
 
  おなじみナンキョクムナジロヒメウやオオフルマカモメ
 Southern Fulmar (ギンフルマカモメ)に
 こっちの白いのは Snowy Sheathbill(サヤハシチドリ)と鳥もいっぱいいる。

 海岸にウェッデル・アザラシがいる、と思ったら
 
もぞもぞ動いて近くまで泳いできた。好奇心が強いのだろうか。

 ← もっとアゴヒゲペンギンが見たい方はこちら

1時間もボートクルーズを楽しむうち、交替時間が来て基地へ。
  
赤い建物が散らばるアルゼンチンの Orcadas 基地。
 
補給船が来たばかりとかで荷物がいっぱい。

基地の女性研究者に先導されて、まず向かったのはこちら
 これがなんと「博物館」。
ここは1903年にウィリアム・ピアースに率いられたスコットランドの探検隊が越冬した建物で、その翌年にはアルゼンチン政府に譲渡され、以来アルゼンチンはここに観測所を維持し続けて、南極で一番歴史の長い基地なのだとか。
  
誇らしげにスコットランドの旗が掲げられた室内は驚くほど物が豊富で、この建物内にいる限りは結構快適そう。

それでは現代はどうか、と基地にお邪魔すると
   
室内は暖房がよく効いて、カメラが曇る~。
   
お茶とお菓子まで用意してくれ、ステッカーやキーホルダーなど基地グッズも販売中。
礼拝室まであるこの基地の夏の住人は45人、冬は14人ほどだそうだが、アルゼンチンはここの他にも11か所も観測基地があるらしい。

風が強くなる中、波をかぶりながら船に戻った。


にほんブログ村 旅行ブログへ  ←人気ブログランキングへ一票、お願いします。
コメント (2)
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする