ぼたんというとなんとなく冬に咲くものだと思っていたが、冬のぼたんは寒い時期に咲くように特別に育てるもので、普通には今頃咲くものとか。
ということで、上野東照宮のぼたん苑に行ってきた。
上野動物園のすぐ隣、大きな看板やのぼりが出ているのですぐわかる。
東照宮への参道の脇、控えめな入口を入ると低い塀で囲まれた空間。
確かに大きくてあでやかなぼたんが咲いているけれど、思ったよりずいぶん地味だな、と思ったら
ぐねぐねと曲がる通路を奥へ進むほど花の数が増えて、その色や形の多様さも見事。
このぼたん苑は1980年に日中友好を記念して作られ、中国ぼたんを中心に約250品種3200株も植えられているのだそうだ。
高い木に囲まれ、傘を差し掛けられた姿も日本的でいい。
各々の種類には名前があるようだが、あまりに多くて見ていられない。
原種は紫紅色というからこの辺が近いのだろうか。
ピンクの色合いも咲き方もいろいろ。
白は特に変わった花弁が多いようで
これなどはこれ以上開かないみたい。
これも聞かなければぼたんとはわからない。
こちらは名札にわざわざ「珍種」と書かれた「まりも」という緑のぼたん。この緑が開くにつれて白く変わって行くらしい。
絞りの花弁や
黄色も珍しいけれど
黒と呼ばれるこの濃い赤が自分は一番好きかもしれない。
これだけのぼたんに囲まれると、その香りの良さにも驚かされる。
薔薇のような、でも薔薇よりはちょっと控えめな上品な香り。
派手だけれど、ぼたんはやっぱり東洋の花らしい。
存分にぼたんを堪能した後は、出口のすぐ目の前にある東照宮で家康大権現様にも一応ごあいさつ。
金ぴかの門は外国人受けするらしく、まわりで写真を撮っているのは日本人より外国人の方が多いみたい。
実は自分も、上野には散々来ているがここにお参りするのは初めてだったりする。
東照宮を出た後は動物園の前を通ってすぐ近くの東京都美術館へ。
改装以来はじめて来たが
本日の目的は「バルテュス展」。
大胆なポーズの少女の絵が有名だが、独特の空気感で個性的。
今回の展覧会は日本人未亡人の肝いりで、世界各地から個人蔵の絵も多く集められているので、代表作がすべて揃っているわけではないがかなり見ごたえがある。
彼の初個展での特にエロティックな絵は話題になるようわざとスキャンダラスに描いたそうで、「困窮から逃れるためだった」と言っているが、バルテュスと貧しさはどうも結びつかない。
そもそもがポーランド貴族の息子で、子供の頃から母親が付き合っていたリルケの援助で絵本まで出版している。
その後もフランスの城に住んだり、スイスの元ホテルである巨大な木造家屋に住んだり。
晩年のビデオを見てもかなり気難しそうで、傲慢そうなところがいかにも貴族。
4,50代にはティーンエージャーの義理の姪と同居していたし、日本人の奥さんも初対面は20歳だったそうだが、ヨーロッパ人から見たら少女のようなものだろう。そんな「趣味」を押し通してくせのある絵を描き続けられたのも貴族ならでは、と言ったら偏見にすぎるだろうか。
しかし芸術はいさかかの毒気がなければつまらない。
改装後の都美術館は部屋そのものもそうだろうがなにより動線部分がが広くなったので見やすくなり、なにより天井が高くなって圧迫感がなくなった。
上下の移動にはエスカレーターがついたし、その脇の休憩スペースにはカラフルな椅子が置かれて楽しい雰囲気。
ミュージアム・ショップも充実しているし、外観は変わらないが中は確かに改善されて良くなった。
美術展にも満足して、小腹が空いたので御徒町に近い昭和の香りむんむんの喫茶店へ。
上に建物があるのに、お店はなぜか地下の2フロア。
薄暗い店内の破れたビニールシートに座って食べるナポリタンは、柔らかい太麺にちょっと酸味の効いたケチャップ味。たまねぎ、ピーマン、ハムの具は缶詰マッシュルームが欠けているだけでほぼパーフェクト。
ちょっといがらっぽいような苦みのアイスコーヒーも昭和の喫茶店らしい。
上野ですっかり、お腹いっぱい。
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ということで、上野東照宮のぼたん苑に行ってきた。
上野動物園のすぐ隣、大きな看板やのぼりが出ているのですぐわかる。
東照宮への参道の脇、控えめな入口を入ると低い塀で囲まれた空間。
確かに大きくてあでやかなぼたんが咲いているけれど、思ったよりずいぶん地味だな、と思ったら
ぐねぐねと曲がる通路を奥へ進むほど花の数が増えて、その色や形の多様さも見事。
このぼたん苑は1980年に日中友好を記念して作られ、中国ぼたんを中心に約250品種3200株も植えられているのだそうだ。
高い木に囲まれ、傘を差し掛けられた姿も日本的でいい。
各々の種類には名前があるようだが、あまりに多くて見ていられない。
原種は紫紅色というからこの辺が近いのだろうか。
ピンクの色合いも咲き方もいろいろ。
白は特に変わった花弁が多いようで
これなどはこれ以上開かないみたい。
これも聞かなければぼたんとはわからない。
こちらは名札にわざわざ「珍種」と書かれた「まりも」という緑のぼたん。この緑が開くにつれて白く変わって行くらしい。
絞りの花弁や
黄色も珍しいけれど
黒と呼ばれるこの濃い赤が自分は一番好きかもしれない。
これだけのぼたんに囲まれると、その香りの良さにも驚かされる。
薔薇のような、でも薔薇よりはちょっと控えめな上品な香り。
派手だけれど、ぼたんはやっぱり東洋の花らしい。
存分にぼたんを堪能した後は、出口のすぐ目の前にある東照宮で家康大権現様にも一応ごあいさつ。
金ぴかの門は外国人受けするらしく、まわりで写真を撮っているのは日本人より外国人の方が多いみたい。
実は自分も、上野には散々来ているがここにお参りするのは初めてだったりする。
東照宮を出た後は動物園の前を通ってすぐ近くの東京都美術館へ。
改装以来はじめて来たが
本日の目的は「バルテュス展」。
大胆なポーズの少女の絵が有名だが、独特の空気感で個性的。
今回の展覧会は日本人未亡人の肝いりで、世界各地から個人蔵の絵も多く集められているので、代表作がすべて揃っているわけではないがかなり見ごたえがある。
彼の初個展での特にエロティックな絵は話題になるようわざとスキャンダラスに描いたそうで、「困窮から逃れるためだった」と言っているが、バルテュスと貧しさはどうも結びつかない。
そもそもがポーランド貴族の息子で、子供の頃から母親が付き合っていたリルケの援助で絵本まで出版している。
その後もフランスの城に住んだり、スイスの元ホテルである巨大な木造家屋に住んだり。
晩年のビデオを見てもかなり気難しそうで、傲慢そうなところがいかにも貴族。
4,50代にはティーンエージャーの義理の姪と同居していたし、日本人の奥さんも初対面は20歳だったそうだが、ヨーロッパ人から見たら少女のようなものだろう。そんな「趣味」を押し通してくせのある絵を描き続けられたのも貴族ならでは、と言ったら偏見にすぎるだろうか。
しかし芸術はいさかかの毒気がなければつまらない。
改装後の都美術館は部屋そのものもそうだろうがなにより動線部分がが広くなったので見やすくなり、なにより天井が高くなって圧迫感がなくなった。
上下の移動にはエスカレーターがついたし、その脇の休憩スペースにはカラフルな椅子が置かれて楽しい雰囲気。
ミュージアム・ショップも充実しているし、外観は変わらないが中は確かに改善されて良くなった。
美術展にも満足して、小腹が空いたので御徒町に近い昭和の香りむんむんの喫茶店へ。
上に建物があるのに、お店はなぜか地下の2フロア。
薄暗い店内の破れたビニールシートに座って食べるナポリタンは、柔らかい太麺にちょっと酸味の効いたケチャップ味。たまねぎ、ピーマン、ハムの具は缶詰マッシュルームが欠けているだけでほぼパーフェクト。
ちょっといがらっぽいような苦みのアイスコーヒーも昭和の喫茶店らしい。
上野ですっかり、お腹いっぱい。
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