Luntaの小さい旅、大きい旅

ちょっとそこからヒマラヤの奥地まで

北イタリアの旅 10 ラベンナ後編

2014-12-10 17:32:08 | ヨーロッパ
11月1日 続き

ピアディーナで栄養補給した後はネオン洗礼堂からモザイク詣でを再開。

 大聖堂の近くの八角形の建物は5世紀初めに建てられたラベンナに現存する中でも最古の建築物の一つで、アリウス洗礼堂のモデルだそう。
  
青を基調としたモザイクはガッラ・プラキディア廟堂を思い出させるが、やはり5世紀中頃と同時代の物。
 
最下段には各面にくぼみがあって、その周りの金の唐草模様が美しく
 
窓の上には神の国を表す玉座。その上の12使徒のモザイクも後の時代の物より写実的で見事だ。
 中央にはキリストの洗礼図があるが、アリウス洗礼堂よりこちらのキリストの方が年がいっている。そしてこちらのキリストも性器が見えているのだが、こちらはアリウス派ではなくオーソドックスに分類されると言うからややこしい。
宗派の違いなんてよそ者から見れば微々たるものだが、それを異端とか言って火あぶりにまでしちゃうこともあるんだから恐ろしい。

洗礼堂を出たら、大聖堂にくっついている大司教博物館へ。
  
地味な入口を入り、2階に上がるとその一室に6世紀初めの聖アンドレア礼拝堂がすっぽり収まっている。

ここだけは写真撮影禁止なので、画像はネットから拝借。
  
 
アリウス派全盛の時代に作られたカソリックの礼拝堂ということだが、違いはやっぱりわからん。

博物館には他にもビザンチン時代の彫刻などがあるようだったが、急いでここを出てすぐ近くのカドゥティ広場からバスに乗る。
 隣の町へ行くためだが、バスは休日には1時間に1本しかないので、先にインフォメーションで時刻表をもらっておいてよかった。

 
ラベンナの町を出ると何もないところを15分ほど走ってクラッセという町に到着。町はずれの芝生には牛の姿が見えるが、これは実は作り物で一応「芸術作品」らしい。
  
その向かいにあるのが目的であるサンタポリナーレ・イン・クラッセ聖堂。シンプルな外観だが、想像していたよりもずっと大きい。
教会の前にアウグストゥスの像があるのはここがローマ時代には重要な海軍基地だったから。その後はキリスト教の巡礼地として栄えたのでこの大きな教会があるわけだが、周りの町というか村は今は居眠りをしているように静かだ。

通常は拝観料が必要なこの聖堂、この日は祝日のために無料とのことでラッキー。
 喜んで中に入ると、眼の前にいきなりピラミッド。
これも聖堂の精神性に敬意を表したコンテンポラリーアートなんだそうだ。

 このピラミッドを回り込むとやっと祭壇が見えた。
 
この聖堂は6世紀前半に建てられ、側面の装飾はなくなってしまったが、建物自体と祭壇のモザイクはほぼ創建時のままとのこと。
 
中央には星空に囲まれた十字架があり、その真ん中にはよく見ると小さなキリストの顔。
 その下にいるのがこの地域で最初の司教であった聖アポリナリスで
  
まわりには信徒を表す羊がいっぱい。パステルカラーの色合いもやさしくて、思わずハイジの歌を歌いたくなる。
 
側面には大天使ミカエルとガブリエル
 
内陣の壁にはビザンチン皇帝コンスタンティヌス4世の像と神に羊を捧げるアブラハムらの像。
   
窓の間に立っているのはラベンナの司教たちだそうだが
 一番上にいるキリストの顔はちょっと怖い。

この柔らかい雰囲気の聖堂でゆっくりして、ラベンナのモザイク見学は終了。
一日で見どころのすべてをまわったが、5,6世紀の美術を堪能できた。

眠っているような村でかろうじて開いていたバールで一息
 へたなラテアートもご愛嬌。
ここでものんびりさせてもらったが、退屈してきたので聖堂から徒歩5分ほどの国鉄駅へ移動。

 
絵にかいたような田舎駅は無人で券売機があるだけだが、幸いにしてここの機械はちゃんと動く。
しかし列車はまだ来ない。

 日向ぼっこをしながら、単線の線路を見つつぼーっ。


にほんブログ村 旅行ブログへ  ←人気ブログランキングへ一票、お願いします。
コメント (4)
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする