レディース・デイの水曜日、見たい映画があるけど1本ではもったいない、といつものごとく貧乏性が出て有楽町ではしご。
まずは朝一、丸の内ピカデリー2で
「インターステラ―」 Intersteller
宇宙に旅立つ父と娘の愛情うんぬんというお話だと言うし、169分もあるのであまり興味はなかったのだが、わりと見た人の評判がいいようなので選んでみた。
結論は、う~ん、自分の好みではなかった。
まずはストーリーの無茶がどうしても気になる。
環境破壊が進んで植物が次々に死滅し、食料はなくなるし将来的には酸素が足りなくなって人類の危機、ってわりにはなんだか世界は普通に動いていて緊迫感がない。
最優先事項は食料生産なので技術革新は止まってしまってなんでも昔のまま、というのはまあ説得力もあるが、移住先の惑星を探しに行くためのロケットや、それをサポートする万能ロボットを作れるぐらいならその技術を環境の改善や食料生産に回せばいいんじゃないの、と思ってしまう。
なんと言っても移住に都合のいい惑星がそう簡単に見つかるわけはなく、宇宙旅行につきもののタイムパラドックスを考えたら「帰ってきたら人類はとっくの昔に滅亡していました」となるのがおち。
しかも人類の存亡を賭けた探索なのに、ほんの数人ででかけるなんて。
主人公が出発を決断するところが唐突なのは時間配分から言ってしかたないにしても、娘とは散々別れを惜しみながら、息子や間違いなく二度と会えないであろうじいさんとはやけにあっさり別れるのも納得がいかない。
えこひいきがひどくて、これじゃ息子はぐれるよ。
アン・ハサウェイ演じる女性科学者は役立たずだし、天才であるはずのマット・デイモンはどこがって感じで、なにがしたかったのかよくわからない。
映画冒頭に現れる「幽霊」についてはなんとか説明をつけたにしても、惑星探検の端緒となったワームホールは誰が作ったの?とこのパラドックスは結局解決されない。
ストーリーに穴がぼこぼこ開いていても絵に魅力があれば救われるが、これも宇宙シーンはなんだか古臭い。
この手の映画にしてはCGをあまり使わなかったらしいが、おかげで一番魅力的なのは冒頭のトウモロコシ畑と、アイスランドでロケしたという氷原の風景。話の割にスケールが小さい。
ストーリーに突っ込みを入れまくりながら見ていたせいか、3時間近い割にはそれほど退屈しなかったが、これも刈り込めば2時間半ぐらいにはなったんじゃないか。
スぺオペじゃないSFは好きなのだが、どうも最近当たりがない。
当たりのSFと言えば「エイリアン」。
このシリーズの3作目を撮ったデヴィッド・フィンチャーは最近一番好きな監督なので、2本目こそ本日の本命、TOHOシネマズ日劇で
「ゴーン・ガール」 Gone Girl
ベン・アフレックとロザムンド・パイクの結婚5年目のカップル、ある朝妻が突然失踪して、理想的に見えた夫がもしや殺したんじゃないかと疑いがかかる。
妻の両親は子供の頃から娘をモデルに児童書のベストセラーを出していて、この両親が当然のように乗り込んできてテレビに出たり、広告を出したりする。
最初は同情的だったテレビのワイドショーがそのうちに夫のあらさがしを始めて犯人と決め付け、家の周りをカメラとレポーターが包囲するところなどもいかにもアメリカで、あの事件、この事件と思い出す。
観客が夫に同情を持ち始めるあたりで、今度は妻の日記がはさみこまれて妻視線で夫婦の過去が描かれ、今度は妻側に気持ちが移りそうになる。
とここで失踪事件の真相が明かされて、えっ、もう明かしちゃうの?早すぎるんじゃないの?と思っているとここからがまた怒涛の展開、先が全く読めなくなるが、このあたりからようやくこれがクライムサスペンスではなく、思いっきりブラックなコメディーなのだとわかってくる。
デヴィッド・フィンチャーの映画はとにかくシニカルに現代社会を見ていて、これが好き。
登場人物の誰もがくせもので、でも結局この事件で金儲けするんだろうな、とこれもいかにもアメリカ。
ベン・アフレックはだいぶ太ってしまって、トレードマークの割れあごも埋まりそうだが、これは倦怠期の夫の演出だろうか。
妻役のロザムンド・パイクは衣装やメイクが変わるとがらりと印象が変わって、この女優さんは化けるのがうまそう。どんな役でもできそうだ。
こちらの映画は期待通りで、おかげで長丁場も疲れずに済んだ。
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まずは朝一、丸の内ピカデリー2で
「インターステラ―」 Intersteller
宇宙に旅立つ父と娘の愛情うんぬんというお話だと言うし、169分もあるのであまり興味はなかったのだが、わりと見た人の評判がいいようなので選んでみた。
結論は、う~ん、自分の好みではなかった。
まずはストーリーの無茶がどうしても気になる。
環境破壊が進んで植物が次々に死滅し、食料はなくなるし将来的には酸素が足りなくなって人類の危機、ってわりにはなんだか世界は普通に動いていて緊迫感がない。
最優先事項は食料生産なので技術革新は止まってしまってなんでも昔のまま、というのはまあ説得力もあるが、移住先の惑星を探しに行くためのロケットや、それをサポートする万能ロボットを作れるぐらいならその技術を環境の改善や食料生産に回せばいいんじゃないの、と思ってしまう。
なんと言っても移住に都合のいい惑星がそう簡単に見つかるわけはなく、宇宙旅行につきもののタイムパラドックスを考えたら「帰ってきたら人類はとっくの昔に滅亡していました」となるのがおち。
しかも人類の存亡を賭けた探索なのに、ほんの数人ででかけるなんて。
主人公が出発を決断するところが唐突なのは時間配分から言ってしかたないにしても、娘とは散々別れを惜しみながら、息子や間違いなく二度と会えないであろうじいさんとはやけにあっさり別れるのも納得がいかない。
えこひいきがひどくて、これじゃ息子はぐれるよ。
アン・ハサウェイ演じる女性科学者は役立たずだし、天才であるはずのマット・デイモンはどこがって感じで、なにがしたかったのかよくわからない。
映画冒頭に現れる「幽霊」についてはなんとか説明をつけたにしても、惑星探検の端緒となったワームホールは誰が作ったの?とこのパラドックスは結局解決されない。
ストーリーに穴がぼこぼこ開いていても絵に魅力があれば救われるが、これも宇宙シーンはなんだか古臭い。
この手の映画にしてはCGをあまり使わなかったらしいが、おかげで一番魅力的なのは冒頭のトウモロコシ畑と、アイスランドでロケしたという氷原の風景。話の割にスケールが小さい。
ストーリーに突っ込みを入れまくりながら見ていたせいか、3時間近い割にはそれほど退屈しなかったが、これも刈り込めば2時間半ぐらいにはなったんじゃないか。
スぺオペじゃないSFは好きなのだが、どうも最近当たりがない。
当たりのSFと言えば「エイリアン」。
このシリーズの3作目を撮ったデヴィッド・フィンチャーは最近一番好きな監督なので、2本目こそ本日の本命、TOHOシネマズ日劇で
「ゴーン・ガール」 Gone Girl
ベン・アフレックとロザムンド・パイクの結婚5年目のカップル、ある朝妻が突然失踪して、理想的に見えた夫がもしや殺したんじゃないかと疑いがかかる。
妻の両親は子供の頃から娘をモデルに児童書のベストセラーを出していて、この両親が当然のように乗り込んできてテレビに出たり、広告を出したりする。
最初は同情的だったテレビのワイドショーがそのうちに夫のあらさがしを始めて犯人と決め付け、家の周りをカメラとレポーターが包囲するところなどもいかにもアメリカで、あの事件、この事件と思い出す。
観客が夫に同情を持ち始めるあたりで、今度は妻の日記がはさみこまれて妻視線で夫婦の過去が描かれ、今度は妻側に気持ちが移りそうになる。
とここで失踪事件の真相が明かされて、えっ、もう明かしちゃうの?早すぎるんじゃないの?と思っているとここからがまた怒涛の展開、先が全く読めなくなるが、このあたりからようやくこれがクライムサスペンスではなく、思いっきりブラックなコメディーなのだとわかってくる。
デヴィッド・フィンチャーの映画はとにかくシニカルに現代社会を見ていて、これが好き。
登場人物の誰もがくせもので、でも結局この事件で金儲けするんだろうな、とこれもいかにもアメリカ。
ベン・アフレックはだいぶ太ってしまって、トレードマークの割れあごも埋まりそうだが、これは倦怠期の夫の演出だろうか。
妻役のロザムンド・パイクは衣装やメイクが変わるとがらりと印象が変わって、この女優さんは化けるのがうまそう。どんな役でもできそうだ。
こちらの映画は期待通りで、おかげで長丁場も疲れずに済んだ。
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