10月20日 続き
ウフィツィに引きこもった後、午後は天気がいいのでバスに乗って郊外へ。
サンタ・マリア・ノヴェッラ広場の角からバスに乗るべくチケットを買ったら、タバコ屋の移民風のおじさんが流ちょうな日本語を話すのにびっくり。
学生でいっぱいの37番のバスでフィレンツェの町を出ると、またいたずらした交通標識を見つけた。
バスに揺られること30分、チェルトーザというバス停で下車。
チェルトーザとは修道院と言う意味で、普通修道院はイタリア語ではアバッツィアとかモナステロと言うのだがカルトジオ修道会だけはチェルトーザ、これがフランス語ではシャルトルーズとなって、つまり以前見た「大いなる沈黙へ」と言う映画で描かれたのと同じ会派の修道院と言うわけ。
バス停からは名前の通り、小高い丘の上にまるで村のような修道院が見える。
ところが上に上がる道が見当たらなくて、ちょうどバス停にいた10人ほどのドイツ人に行き方を聞くと、「私たちもわからないんだ」とうろうろしていたらしい。リーダー格のおじさんがどこかに電話をかけて、こっちらしいと歩き出したのでついて行くと
やっと渋い案内板があった。
まわりにオリーブやオレンジの木の植えられた坂道を上がり、階段を上がって建物の中へ。
するとオレンジ色の壁に囲まれた小さな中庭があり、修道院内の見学は3時からとの表示があって、まだしばらく時間があるので右手の売店へ。
中はまるでバーのようになっていて、シャルトルーズと言えば、のハーブを使ったリキュールがグラス一杯から買えるようになっている。
激渋のラベルが素敵な香水類もあったが、香りは残念ながらあまり素敵ではない。
やがて時間になり、案内役のお坊さんが登場して修道院の中へ続く門を開けてくれる。
この修道院は14世紀半ば、フィレンツェの豪商、ニッコロ・アツァイオリによって前述したとおりカルトジオ会の修道院として創建された。それ以来、増築や改築を繰り返して今でも修道院として機能しているが、1950年代に絶対隠遁主義のカルトジオ会からシトー会に変わり、おかげで内部が見学できるようになったとのこと。つまり縞々の帽子がかわいいこのお坊さんもシトー会の修道僧というわけだが、今は何人の修道僧がいるのか、他には全く姿を見ることはなかった。
見学の初めはこの修道院内でも一番古いアツァイオリ宮殿から。と言ってもこの建物が宮殿として使われたことはなかったそうで、今は絵画館となっており
16世紀にペストから逃れてこの修道院に避難していたポントルモのフレスコ画があるが、元々庭の回廊に描かれたものなので保存状態は悪い。
これらの絵についてお坊さんの熱心な説明が続くが、残念ながらイタリア語のみ、ドイツ人のツアーリーダーもさすがに英語にまでは訳してくれないので、以下の内容はすべて見学後に買ったガイドブックに依っている。
絵画館からは広い中庭に出て16世紀に建てられた教会の中へ。
祭壇や天井は色鮮やかなフレスコ画でびっしり。
聖歌隊席はちょっと不気味な天使の顔で飾られていて、禁欲的な修道院のイメージからはちょっと驚く派手さ。
この教会に続くのは「修道僧の会話」と呼ばれる廊下のような部屋で、ステンドグラスの窓が美しいこの部屋と
その外の小さな中庭で限られた時だけ僧侶たちは会話が許されたのだそうだ。
中庭から凝った扉を通って入るのは集会場。
毎日修道僧たちが集まって会議をする部屋の真ん中に墓を作らせてしまった司教がいるというのがすごい。
ここを出ると大きな中庭を囲む回廊。
壁から覗くのはジョバンニ・デッラ・ロッビアのテラコッタ像。
広い中庭の真ん中には井戸があり、周りを囲むのは僧坊だ。
今はもう使われていないという僧坊の中も見せてもらうと暖炉はあるものの家具はベッド一つと椅子、テーブルだけ。
映画で見たグランド・シャルトルーズの部屋よりは広いようだが、ここでもやはり食事は扉の脇の穴から配給され、夜中の礼拝と祭日以外はこの部屋の中でひたすら一人で祈り続ける生活だったそう。
そんなわけでこちらの食堂が使われるのは祭日だけだったらしい。
食堂を抜けると平修道士の部屋に囲まれた小さな中庭があり、
その先の教会の前の中庭に戻って1時間の修道院見学は終了。
案内してくれたお坊さんにお布施を渡し
最後は売店でお買いもの。
イタリア語で「神経を落ち着け、よく眠れるようになる」と書かれているらしい説明があったのでメリッサなるもののエッセンスを購入。帰ってから調べてみるとレモンバームだったが、いい香りで確かに気分を落ち着かせる効能があるらしい。
ウフィツィで疲れ果ててしまったので午後は部屋で休もうかとも思ったが、郊外の景色も気持ちよく、この修道院は来てよかった。
お腹も疲れてきたので、夜はアーティチョークのフライとたっぷりのサラダで簡単に。
こういうことができるのがアパート滞在のいい所だ。
←人気ブログランキングへ一票、お願いします。
ウフィツィに引きこもった後、午後は天気がいいのでバスに乗って郊外へ。
サンタ・マリア・ノヴェッラ広場の角からバスに乗るべくチケットを買ったら、タバコ屋の移民風のおじさんが流ちょうな日本語を話すのにびっくり。
学生でいっぱいの37番のバスでフィレンツェの町を出ると、またいたずらした交通標識を見つけた。
バスに揺られること30分、チェルトーザというバス停で下車。
チェルトーザとは修道院と言う意味で、普通修道院はイタリア語ではアバッツィアとかモナステロと言うのだがカルトジオ修道会だけはチェルトーザ、これがフランス語ではシャルトルーズとなって、つまり以前見た「大いなる沈黙へ」と言う映画で描かれたのと同じ会派の修道院と言うわけ。
バス停からは名前の通り、小高い丘の上にまるで村のような修道院が見える。
ところが上に上がる道が見当たらなくて、ちょうどバス停にいた10人ほどのドイツ人に行き方を聞くと、「私たちもわからないんだ」とうろうろしていたらしい。リーダー格のおじさんがどこかに電話をかけて、こっちらしいと歩き出したのでついて行くと
やっと渋い案内板があった。
まわりにオリーブやオレンジの木の植えられた坂道を上がり、階段を上がって建物の中へ。
するとオレンジ色の壁に囲まれた小さな中庭があり、修道院内の見学は3時からとの表示があって、まだしばらく時間があるので右手の売店へ。
中はまるでバーのようになっていて、シャルトルーズと言えば、のハーブを使ったリキュールがグラス一杯から買えるようになっている。
激渋のラベルが素敵な香水類もあったが、香りは残念ながらあまり素敵ではない。
やがて時間になり、案内役のお坊さんが登場して修道院の中へ続く門を開けてくれる。
この修道院は14世紀半ば、フィレンツェの豪商、ニッコロ・アツァイオリによって前述したとおりカルトジオ会の修道院として創建された。それ以来、増築や改築を繰り返して今でも修道院として機能しているが、1950年代に絶対隠遁主義のカルトジオ会からシトー会に変わり、おかげで内部が見学できるようになったとのこと。つまり縞々の帽子がかわいいこのお坊さんもシトー会の修道僧というわけだが、今は何人の修道僧がいるのか、他には全く姿を見ることはなかった。
見学の初めはこの修道院内でも一番古いアツァイオリ宮殿から。と言ってもこの建物が宮殿として使われたことはなかったそうで、今は絵画館となっており
16世紀にペストから逃れてこの修道院に避難していたポントルモのフレスコ画があるが、元々庭の回廊に描かれたものなので保存状態は悪い。
これらの絵についてお坊さんの熱心な説明が続くが、残念ながらイタリア語のみ、ドイツ人のツアーリーダーもさすがに英語にまでは訳してくれないので、以下の内容はすべて見学後に買ったガイドブックに依っている。
絵画館からは広い中庭に出て16世紀に建てられた教会の中へ。
祭壇や天井は色鮮やかなフレスコ画でびっしり。
聖歌隊席はちょっと不気味な天使の顔で飾られていて、禁欲的な修道院のイメージからはちょっと驚く派手さ。
この教会に続くのは「修道僧の会話」と呼ばれる廊下のような部屋で、ステンドグラスの窓が美しいこの部屋と
その外の小さな中庭で限られた時だけ僧侶たちは会話が許されたのだそうだ。
中庭から凝った扉を通って入るのは集会場。
毎日修道僧たちが集まって会議をする部屋の真ん中に墓を作らせてしまった司教がいるというのがすごい。
ここを出ると大きな中庭を囲む回廊。
壁から覗くのはジョバンニ・デッラ・ロッビアのテラコッタ像。
広い中庭の真ん中には井戸があり、周りを囲むのは僧坊だ。
今はもう使われていないという僧坊の中も見せてもらうと暖炉はあるものの家具はベッド一つと椅子、テーブルだけ。
映画で見たグランド・シャルトルーズの部屋よりは広いようだが、ここでもやはり食事は扉の脇の穴から配給され、夜中の礼拝と祭日以外はこの部屋の中でひたすら一人で祈り続ける生活だったそう。
そんなわけでこちらの食堂が使われるのは祭日だけだったらしい。
食堂を抜けると平修道士の部屋に囲まれた小さな中庭があり、
その先の教会の前の中庭に戻って1時間の修道院見学は終了。
案内してくれたお坊さんにお布施を渡し
最後は売店でお買いもの。
イタリア語で「神経を落ち着け、よく眠れるようになる」と書かれているらしい説明があったのでメリッサなるもののエッセンスを購入。帰ってから調べてみるとレモンバームだったが、いい香りで確かに気分を落ち着かせる効能があるらしい。
ウフィツィで疲れ果ててしまったので午後は部屋で休もうかとも思ったが、郊外の景色も気持ちよく、この修道院は来てよかった。
お腹も疲れてきたので、夜はアーティチョークのフライとたっぷりのサラダで簡単に。
こういうことができるのがアパート滞在のいい所だ。
←人気ブログランキングへ一票、お願いします。