Luntaの小さい旅、大きい旅

ちょっとそこからヒマラヤの奥地まで

15年秋の欧州旅 21 サン・マルコ美術館

2016-01-16 11:34:36 | ヨーロッパ
10月21日

フィレンツェ滞在も残すところあと半日。
最後はサン・マルコ美術館を見ることにした。

開館の8時15分を目指してやってきたが、早めについてしまったのでまずは教会を見学。
 
1443年創立の教会だが、内部は16,17世紀の装飾が多く、外観に比べてかなり派手。

そうしているうちに時間になったのですぐ隣の地味な入口から美術館へ。
 こちらはコジモ・ディ・メディチが建てたドミニコ会の修道院が今は美術館になったもの。
  
入るとすぐに中庭になっていて、入り口脇の壁で早速出迎えてくれるのがフラ・アンジェリコのキリスト像。

そしてこの庭の手前の巡礼者のための救護院だった部屋に入ると
 
ここにあるのはすべてフラ・アンジェリコ。15世紀にこの修道院で暮らした修道士の絵が一堂に集められた夢のような部屋。
  
大きなものから小さなものまで、間近でゆったり見ることのできる幸せ。
  
こんな地獄図もあるけれど
   
この人の魅力はやはり名前の通りの可憐な天使たち。
   
特に聖母子像を取り巻く楽器を持った天使たちはなんと優雅なことか。

救護院から中庭を挟んで向かい側にあるのは集会場で
 
中にはこれもフラ・アンジェリコの大きな磔刑図がある。

 
大食堂の壁に描かれているのはドミニコ会の創始者、聖ドミニクの食事の場面。

  さらに行くと小さな中庭があり
 
その先には中庭にあった墓石や、フィレンツェ市内から集められた石板などを集めた渋い一角がある。

ここから引き返して階段を上がり二階へ行くと
 
正面にいきなりフラ・アンジェリコの「受胎告知」が登場するのでびっくりする。

この二階部分はすべて修道士たちのための僧坊になっていて
  
コの字型に伸びる長い廊下の両側に小さな部屋が43もあり
  どれも3畳ほどの小さな部屋だが、ほとんどにフラ・アンジェリコ自身か、その弟子たちによるフレスコ画がある。

中で一室、二間続きになっているのは修道院の創建者、コジモ・ディ・メディチの部屋で
 
瞑想をする時にはこの部屋に引きこもったらしい。

こちらはそのメディチ家をフィレンツェから追い出したサヴォナローラの部屋。
 
やはり小さな部屋に、サヴォナローラの肖像画や服の一部などが展示してある。
ひたすら修道院にこもって静謐な絵を描き続けたフラ・アンジェリコと、過激な政治活動で最後は火あぶりにされたサヴォナローラは50年の年の差で同じドミニコ会の修道院に所属していたわけだ。

僧坊の並ぶ廊下から横に入ると細長い図書室があるが
 
かつてこの部屋を埋めていた蔵書は19世紀に公立図書館などに移されてしまい、わずかな写本が展示されているだけ。

最後は1階に戻ってギルランダイオの「最後の晩餐」が壁一面を埋める小食堂。
 
ここにはちいさなギフトショップがあるので、ここでガイドブックなど買って見学は終了。

サン・マルコは小さいけれど修道院らしい空気に満ちていて素晴らしかった。
この後は中央市場で最後の買い物をしようと思っていたのだが、フラ・アンジェリコに浸りすぎて時間が無くなってしまった。
アパートに戻って空港に向かわなければ。


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コメント (2)
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