4月2日 続き
ユトレヒトの博物館を駆け足で回ったのにはわけがある。
それは博物館の管轄ながら少し離れた場所にあるリートフェルト設計の家を見に行くべく、前日にオンラインで時間指定の予約を入れていたから。
ミュージアム・ショップのお兄さんに行き方を尋ねるとすぐに地図を出してくれた。
「少し遠回りになるけれどおすすめのルート。2キロあるので貸自転車もあるよ」とのことだったが、友人も自分ももう何十年も自転車には乗っていないので歩いて行くことにする。
地図の指示に従って博物館を出るとすぐにかわいい長屋が続き
運河を渡ってなにやら立派な建物の前を過ぎる。
しばらく行くと静かな住宅地に入り、こちらの細い運河沿いにあるのはリートフェルトが設計した「運転手の家」。
ガレージの上に運転手の住居を、という依頼にこたえて1927年に作られたそうだが、プレハブ構造を実験的に採用したそうで、現在も建築家が居住しているとのことで中を見ることはできない。
さらにこんなクラシックな建物の建つ街並みを歩くこと30分。
やがて周りの家々とは異彩を放つ建物が忽然と現れる。
これがリートフェルトが1924年に建てた「シュローダー邸」。玄関の前には2000年にこの家が世界遺産に指定されたことを示す看板が立っている。
ここに到着したらまずは隣の案内所で予約書を見せ、指定された時間になるのを待つ。
予約は1時間ごとで、各回12人まで。前日に博物館のHPをチェックしたら枠が思いのほか埋まっていてあわてて予約を入れた次第。
待合室ではこの家のオーナーだった故シュローダー夫人のインタビュー・ビデオを流していて、
棚にはリートフェルトがデザインした家具のミニチュアが飾られているが、これ、ほしい!
やがて時間になるとイヤホンガイドと靴カバーを渡され、係りの人について邸内へ。
中に入るとまずは英語で説明があるが、各部屋を見て回る時には各国語の詳しい解説が聞けるイヤホンガイドを使う。日本語の説明もパーフェクトだ。
邸内は日本人の感覚から言っても決して広くはないコンパクトな家だが、面白いのは居間やベッドルームのある2階。
邸内撮影禁止のため解説書から
ここには部屋が4つあるのだが、壁がすべて可動式になっていて、これをパタパタとたたんで収納すると大きな一部屋になってしまう。
この可動式の壁、今では会議室などでよく見るし、まして日本人としてはふすまに慣れているのでおなじみのアイデアではあるが、この家が建てられた当時は珍しかっただろうし、この小さな家の壁が次々に消えるところは手品を見るようでとても楽しい。
しかし家の中をよく見ると壁や床の建材などあまり高級感はなくて、いささか安普請。
前出のインタビュー・ビデオによると元々長持ちするように作ったわけではないらしくて、オーナーは生前から家の維持には苦労したとか。
とは言えこの家はオーナーのシュローダー夫人とリートフェルトがアイデアを出し合いながら作ったそうで、2人は互いの配偶者が亡くなった後は同居して文字通りのパートナーだったらしい。
ゆっくりと邸内を見学して1時間。
外に出ると家のすぐ前には高架橋があって
橋の下の壁はリートフェルトの椅子がタイルになっている。
これをくぐった向こう側にはこれもリートフェルトが設計したアパートが2棟。
奥が1931年築、手前が1935年築で、手前は現在も居住者がいる様子、奥は保存されているようで窓の中を覗けるが、シンプルな家具の見える部屋の中には入れないのが残念。
シュローダー邸は博物館からの道のりも楽しく、予約して来る価値が十分にあった。
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ユトレヒトの博物館を駆け足で回ったのにはわけがある。
それは博物館の管轄ながら少し離れた場所にあるリートフェルト設計の家を見に行くべく、前日にオンラインで時間指定の予約を入れていたから。
ミュージアム・ショップのお兄さんに行き方を尋ねるとすぐに地図を出してくれた。
「少し遠回りになるけれどおすすめのルート。2キロあるので貸自転車もあるよ」とのことだったが、友人も自分ももう何十年も自転車には乗っていないので歩いて行くことにする。
地図の指示に従って博物館を出るとすぐにかわいい長屋が続き
運河を渡ってなにやら立派な建物の前を過ぎる。
しばらく行くと静かな住宅地に入り、こちらの細い運河沿いにあるのはリートフェルトが設計した「運転手の家」。
ガレージの上に運転手の住居を、という依頼にこたえて1927年に作られたそうだが、プレハブ構造を実験的に採用したそうで、現在も建築家が居住しているとのことで中を見ることはできない。
さらにこんなクラシックな建物の建つ街並みを歩くこと30分。
やがて周りの家々とは異彩を放つ建物が忽然と現れる。
これがリートフェルトが1924年に建てた「シュローダー邸」。玄関の前には2000年にこの家が世界遺産に指定されたことを示す看板が立っている。
ここに到着したらまずは隣の案内所で予約書を見せ、指定された時間になるのを待つ。
予約は1時間ごとで、各回12人まで。前日に博物館のHPをチェックしたら枠が思いのほか埋まっていてあわてて予約を入れた次第。
待合室ではこの家のオーナーだった故シュローダー夫人のインタビュー・ビデオを流していて、
棚にはリートフェルトがデザインした家具のミニチュアが飾られているが、これ、ほしい!
やがて時間になるとイヤホンガイドと靴カバーを渡され、係りの人について邸内へ。
中に入るとまずは英語で説明があるが、各部屋を見て回る時には各国語の詳しい解説が聞けるイヤホンガイドを使う。日本語の説明もパーフェクトだ。
邸内は日本人の感覚から言っても決して広くはないコンパクトな家だが、面白いのは居間やベッドルームのある2階。
邸内撮影禁止のため解説書から
ここには部屋が4つあるのだが、壁がすべて可動式になっていて、これをパタパタとたたんで収納すると大きな一部屋になってしまう。
この可動式の壁、今では会議室などでよく見るし、まして日本人としてはふすまに慣れているのでおなじみのアイデアではあるが、この家が建てられた当時は珍しかっただろうし、この小さな家の壁が次々に消えるところは手品を見るようでとても楽しい。
しかし家の中をよく見ると壁や床の建材などあまり高級感はなくて、いささか安普請。
前出のインタビュー・ビデオによると元々長持ちするように作ったわけではないらしくて、オーナーは生前から家の維持には苦労したとか。
とは言えこの家はオーナーのシュローダー夫人とリートフェルトがアイデアを出し合いながら作ったそうで、2人は互いの配偶者が亡くなった後は同居して文字通りのパートナーだったらしい。
ゆっくりと邸内を見学して1時間。
外に出ると家のすぐ前には高架橋があって
橋の下の壁はリートフェルトの椅子がタイルになっている。
これをくぐった向こう側にはこれもリートフェルトが設計したアパートが2棟。
奥が1931年築、手前が1935年築で、手前は現在も居住者がいる様子、奥は保存されているようで窓の中を覗けるが、シンプルな家具の見える部屋の中には入れないのが残念。
シュローダー邸は博物館からの道のりも楽しく、予約して来る価値が十分にあった。
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