Luntaの小さい旅、大きい旅

ちょっとそこからヒマラヤの奥地まで

ザンスカール再訪 9 カルギル~アティン

2018-08-27 15:44:34 | チベット文化圏
7月22日

本日の予定は長時間ドライブ。
 そのためまだ真っ暗な朝5時にカルギルのホテルを出発。

1時間走った所でスル渓谷の入り口にあるサンクという村でチャイ休憩。
 
この辺りはイスラム教徒がほとんどだが、入ったお茶屋さんの壁にはイランのホメイニ師の写真があってびっくり。
隣のパキスタンのほとんどはスンニ派だと思うし、北のフンザはシーア派の中でもアガ・カーンを崇めるイスマイル派だが、この辺りは正統シーア派とは意外だった。
 
お茶屋さんのお向かいでは早朝からパンを焼いていて、焼き立てはほんとにおいしい。

 しばらく行くとチェックポストがあって、この手前あたりから道はもう未舗装のガタガタ。

 
 
しかし次第に雪をかぶった山が見え始め、緑の畑に囲まれた村々は美しい。

9時にパルカチック氷河の麓のお茶屋さんに到着して、ここでやっと朝食。
 
氷河の向こうにはヌン峰、クン峰という7000mを越える山があるが、頂上は残念ながら雲の中。

パルカチック氷河も後退しているとのことなので12年前に全く同じ場所で撮った写真(左)と比べてみると
 
確かに幅が狭くなって、左側の土が多く露出している。たった12年なのに。

 
こちらはルンゴー氷河。他にも小さな氷河を遠くに眺めるうちに
 
チョルテンの立つ峠を越えてまた仏教圏に入り、谷が次第に開けてくる。

 この辺りは湿原になっていてきれいな池があちこちに見え
 
馬や牛、ヤクが放牧されているかと思うと
 草原にはマーモットの姿が。見ればあちこちに出現して、ある人が数えたら50数匹見たとか。

12時半にランドゥムに到着。
 
ここはこの道を通る車が必ず休憩をする場所だけれど、12年前にはこんなに立派なホテルはなかったような。
 食事はカレーかマギーの二択なので、本日はカレーをおいしくいただく。

ここから少し行くとちょっとした村があり、そのはずれの丘の上にランドゥム・ゴンパがある。
 
丘の麓ではインド軍の検問があるが、これはこの僧院が2000年にムスリム過激派に襲撃されて僧侶が3人殺されたことがあるためだそう。
 
本堂は新しくてなかなか立派。お坊さんの羽織ものの置き方が面白い。

カルギルからザンスカールへの道の最高所、標高4400mのペンジ・ラには16時に到達。
 
大抵実際よりも高い表示の看板、ここは「4000m」と珍しく控えめ(笑)。

この峠を越え、大きなドゥルンドゥン氷河を過ぎると
 
谷が開けていよいよザンスカールに入る。

 
谷に降りて2時間ほど、お家に帰る羊たちを見ながら最後のお茶休憩をしたら、その先には村が続く。
この辺り出身だというドライバーは通りかかる人がみんな知り合いらしくて挨拶に忙しい。
ザンスカール全体でも人口は1万人ほどらしい。

あたりもいよいよ暗くなりはじめた頃、ザンスカール川を渡ってようやく今夜の宿泊地、アティン村に到着したのが20時。
道中は順調、休憩をたくさん挟んだとはいえ15時間のドライブで運転手さんたちは疲れただろう。
こちらもまったく歩いていなかったとはいえ、スマホの万歩計アプリは15000歩を示していて、運動は十分だったらしい。

今夜の宿はこちら。
 
パドゥムのホテルの支配人が今年から自宅でホームステイを始めたそうで、家に入るなり子供が大勢いてびっくりした(子供3人に近所の子がテレビを見に来ていた)が、部屋も寝具もきれいで水洗トイレもある。

遅く着いたが今日はザンスカールにダライラマがいらっしゃり、支配人はその食事のお世話をしていたのでこちらの夕食の支度はこれからとのこと。
 
早速きれいな台所で奥さんと上の娘が野菜を刻み始め
 
お父さんが小麦粉を練って餃子の皮のようなものを作り始めた。すると我々のドライバーとガイドもすぐに手伝い始めたので聞くと、ザンスカールの男性は誰でも料理をするとのこと。
 
丸い皮は指に巻いて筒にし、両端を真ん中で合わせてつまむ。こちらも皮造りに参加して、写真の倍は作っただろう。
 
これを羊肉や野菜と煮込むのだが、ストーブの燃料は牛糞、鍋は古い石鍋で、もうこんなに大きな石鍋は手に入らないとか。
 こうして出来上がった料理はチュタギ。
普通の乾麺を使ったうどんはトゥクパ、手で生地を伸ばしたすいとんはテントゥクと言うが、この面白い形にすると汁が良く絡むと言うことで、肉の出汁の良く出たこの料理、とてもおいしかった。

が、この夕食にありついたのが22時半、食べ終わったらすぐに電気が消えてしまった。


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