10月から開催されていた展覧会に今頃気づき、閉会3日前に慌てて出かけた。
六本木の国立新美術館で開催中の「カルティエ、時の結晶」展。
週末は20時まで開館とのことなので土曜日の17時ちょっと前に行くと、「ただいま入場まで50分待ちです」と無情なお言葉。
しかしもうすぐ終わってしまうし、せっかく来たのだからと長い列の末尾に着く。
こんなに人気があるとは思いもしなかった。
若いお姉さんたちが多いけれど、カップルのおデートも多い。
結局40分ほどで入場出来て、最初の部屋には一番の目当てだったミステリークロックが10点も展示されていて興奮。
1920年代に作られたアールデコのものが洗練されすぎていて、その後に作られたもの、特に最近のものは宝石で飾られすぎて無粋に見える。
その先にはハイジュエリーがいやというほど飾られて、途中からは本当にうんざりするほどのダイヤ、サファイヤ、ルビーにエメラルドなどなど、宝石の洪水。
カルティエの代表的なデザインが生まれたのは20世紀初頭で、その頃のものと、その流れをくむ最近のものが並べて展示されているのがとても興味深く、おっと思うものは自分の好みのためでもあるだろうが1910年代、20年代のものがほとんど。
カルティエの腕時計が生まれたのも1906年だそうだが、1910年代のサントスやトノー、タンクも展示されていて、これがまったく古臭く見えないのが驚異的。むしろ最近のものよりも100年前のカルティエ・ウォッチがほしい!
最後の部屋だけは写真撮影OKとなっているので、他の部屋も渋滞していたけれどここはさらに人の列が進まなくて大変。
こんなウィンドウにみんなへばりつく。
この部屋には他文化や自然からモチーフを取られた作品が並んでいて
これらは日本風のデザイン。
印籠そのもののヴァニティケースも1930年のカルティエ製。
動物がお得意のカルティエのパンテールももちろん展示されていたが、その他にも
鳥やへび
虎やワニまでジュエリーになっている。
でもやっぱり惹かれるのは100年も前のデザイン。
と、大いに目の保養をさせていただいた展覧会だったが、会場は「お好きな所からご覧ください」と動線が決まっていないので混雑していると非常に見にくく、各作品の説明もスタイル重視で小さな文字が暗い会場では読めない。
が、19時に会場を出ると入場の列はもうまったくなくなっていて、この時間に入れば悠々と会場を回れたはず。
空いた中で見られれば会場全体の印象もだいぶ変わっただろう、とその点がもったいない展覧会だった。
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