12月26日
本日はタイ人の友人と一日過ごすことになっている。
この友人と自分は外資系企業に勤めていた頃の同僚、今回日本から一緒に来ている友人は大学時代の同級生なのだが、この友人とタイ人はアメリカの大学で知り合いだったことがある時偶然に発覚し、3人の奇縁に驚愕した仲。
世界は広いようで狭いのだ。
どこで何をするか、友人に丸投げしたところ、ホテルからまず連れて行ってくれたのはジム・トンプソンの家。
この家の存在は知っていたが、来るのは初めて。
ジム・トンプソンと言えばタイ・シルクを世界に知らしめた人なので
入ってすぐの中庭では繭から糸を紡ぐ実演をしているし
もちろん大きな売店もある。
しかしお高いジム・トンプソンのシルク、最近は買う人も減ったよね。
ここは名前の通り、ジム・トンプソンが自宅としてタイの伝統家屋を移築改装した建物。
家の背後には狭い運河が通る敷地に何棟もの家がつなげられているが、アメリカ人のトンプソンは元々建築家だったそうで、この家も自身で設計したのだとか。
内部の見学はガイド付きのツアーに限られ、言語ごとに人数を集めて案内してもらう。
1階のオープンになったエリア以外、ガイド付きで回る内部の部屋は残念ながら撮影禁止だが、アンティークの飾られた客間、2階の小さなプライベート空間など趣味が良くてとても素敵だ。
かわいいお姉さんの説明を聞きながら各部屋を見学し、最後の部屋にやっと主の小さな写真が飾ってあった。
「ジム・トンプソンは1967年、マレーシアのキャメロン・ハイランドで散歩中に行方不明になり、以後の消息は全くの謎です」とお姉さんが言った途端にツアーに参加していた客の一人が声を上げた。
「君の情報は古いね。トンプソンはCIAのスパイだったので共産ゲリラに殺されたんだ。犯人の一人が最近告白して、マレーシアでは大きく報道されたよ。なんでそう言わないんだい」
お姉さん、かわいそうに困ってしまって「ここはアンティークでいっぱい、私も古いものの説明係なんです」と次のグループが来たのも幸い、何とか逃れたが、もちろんゲリラによる殺害説も証明されているわけではない。
お節介なマレーシア人の茶々も楽しんで、お昼はCentral Embassyという高級モールの中にある中華レストラン、Hong Baoへ。
飲茶を食べたいとリクエストして連れてきてもらったのだが
名物らしい中がトロトロのカスタード饅をはじめ、バンコクの飲茶はやっぱりおいしい。
しかし友人、がっつり頼みすぎだよ。
食事の後は友人の家をちょっと覗き、その近くのHealth Landで2時間タイ・マッサージ。
10数年前から行っているHealth Landもずいぶん支店が増えたようだ。
もみほぐされてリラックスしたら、次はSiam Niramitという劇場へ。
ここはタイの文化村のように作られ、タイを紹介するショーを見せると言う観光客向け施設だそうで、バンコクには何十回と来ているが、こんな劇場があるとは知らなかった。
同行の友人がタイは初めてなので、タイ人の旦那さんがチケットを手配してくれたらしい。
開場は18時だそうだが、我々はマッサージをしていたので19時ごろに到着。
すると中庭では地方の踊りが演じられていて、最後は見物人も誘って盆踊りのように輪になって踊るのはお約束。
奥には各地方の家を模した中で伝統工芸を見せたり、食事ができるエリアもあるらしいが、我々は19時半に劇場の扉が開いたところですぐ中へ。
劇場は大きくて座席数はなんと1700席以上あるそうだが、20時の開演の頃にはこれがほとんど埋まっていたから大したもの。
初めにはタイ国歌が流れて、これは外国人もみんな起立して聞かなければいけない。
タイの文化・芸術・歴史を紹介すると言う演目はいくつものパートに分かれ、それぞれの前に各国語の字幕が出てわかりやすい。
出演者も多いが舞台設備が大掛かりで、途中演者の一人が舞台の川に飛び込んだら体がすっぽり隠れるほど深くてびっくり。
最後の方では天女たちが空を舞うのだが、これもフワフワではなくビュービューすごいスピード、高さもかなりあるので見ているだけでも怖いほど。
退屈する間もなく、1時間でショーは終了。
外では演者たちと写真が撮れるが、あまり寄る人がいないのはお気の毒。
いかにも観光客向けとは言え、よく出来た舞台で予想以上に楽しめた。
この後はホテルに送ってもらったが、タイ人の友人はフルアテンド、しかも我々にビタ一文使わせない。
タイ人のホスピタリティ恐るべし。
次に日本に遊びに来たらお返しせねば。
←人気ブログランキングへ一票、お願いします。