アルパこまくさから乳頭温泉に戻ると、お願いしてあった宿のお迎えが待っていてくれたので蟹場温泉さんに預けた荷物をピックアップして次の宿へ。
今夜のお泊りは黒湯温泉。歩けない距離ではないが、蟹場からは車でも10分ほどかかって到着。
大きな駐車場には週末のためだろう、たくさんの車が停まっていて、ここから急な坂を下っていくと
黒い建物群が姿を見せる。
この宿も20年前に一度両親と泊まった所。こんなアプローチだったかな、と考えながら受付棟でチェックイン。
気さくな仲居さんに案内されて入ったのは旅館棟。
部屋は以前と変わらず、トイレもテレビもない8畳間。ただし内装や照明などはさすがにきれいにされた様子。
窓からは宿泊者専用の内湯が見える。
日帰り入浴が終了するのを待って行動開始。
旅館棟を出て坂を下りて行くと、木造校舎のような建物と茅葺の長屋のような自炊棟が表れる。
雰囲気満点の長屋では以前泊まった時にも釣りをしにきたらしいおじさんたちが温泉卵を作ったり、ビールを冷やしたりして楽しそうだったが
今回も部屋の前に山で採って来たらしい大きな天然舞茸が無造作に転がっていて、こんなものが見つかるなら楽しくて山歩きをやめられまい。
この長屋の前には源泉の湯だまりがあるが
以前は勝手に温泉卵が作れたところにしっかり囲いができて、大きな黒卵が鎮座している。
この横に以前からある男女別のお風呂。
そのさらに横に打たせ湯の小屋があるが、この中には脱衣場もなにもないのでどうしたらここを使えるのだろう。
内湯の方は人も少なくなって静か。
この浴室もきれいになったようだが、木壁で囲まれた浴槽に42℃とちょっと熱めの白濁硫黄泉があふれて、この気持ちいいお湯は記憶の通り。
この外には露天風呂と打たせ湯があるが、これは20年前にはなかったように思う。
この宿、以前泊まった時には夕食が5時からでびっくりしたが、今回は5時半か6時と言われ、お昼が軽かったので結局5時半からと早めにお願いした。
時間になると2階の渡り廊下のカーテンが開き、食事棟へ行けるようになる。
席に着くと初めに並んでいた皿に手を付ける暇もなく天ぷらが運ばれてきたが、これがさくっときれいに揚げられていて、今まで温泉旅館で食べた天ぷらの中では一、二を争う見事な揚げ具合。
イワナや茶わん蒸しも熱いのが来て
今夜もきりたんぽと稲庭うどんで御飯の入る余地なし。
ところでこの食事処、窓が結構大きく開けられていて、コロナ対策のためとは言えもう寒い。
食後は受付横のカフェにコーヒーを飲みに行ったが、テレビのない部屋で早々に布団に入っても体が冷えて寒い。
そこでここも以前はなかったように思う旅館棟1階の内湯へ。
ずらりと並んだ洗面台の隣にのれんがかっていて
浴室はこじんまりしているがやはり木の壁に囲まれている。1つしかない小さな洗い場にシャワーもカランもないのはいささか不便ながら、雰囲気は外のお風呂にそっくりで風情があって、この新しい内湯は気に入ってしまった。
入浴後はぽかぽかと温まって、良く寝られたのは言うまでもない。
ちなみに黒湯は混浴風呂が有名で、仲居さんにも「源泉が違いますから」と勧められたが、最近では珍しく女性専用時間がなく、湯浴み着もない。
旅館棟の内湯が気に入ってしまったので結局入らずに終わってしまった。
翌朝も内湯に入り、朝ごはん(珍しく写真を撮り忘れた)をいただいたら黒卵をお土産に買ってチェックアウト。
「今日はぶちになっちゃった」とフロントのおじさん。雨が降っていたりすると真っ黒にならないのだとか。
部屋の設備からするとこのお宿の1泊12,500円はちょっと割高だけれど、食事は以前より良くなっているし、宿の人たちは皆さんとても感じがいい。
乳頭温泉郷はどこもがんばっている。
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