Luntaの小さい旅、大きい旅

ちょっとそこからヒマラヤの奥地まで

大人の社会科見学 in 市ヶ谷

2025-01-16 16:43:34 | 国内旅行

ブログ仲間 Trintrin さんと今年最初のデートで市ヶ谷へ。

お堀端から上がる坂道、昔叔母の家がこっちにあってよく来たな、とノスタルジーに浸っていると周りは大日本印刷の施設だらけ。

そんな中やってきたのはこちら。
 
「JICA地球ひろば」は開発途上国に関する活動を紹介する施設で
 
緒方貞子さんに関する展示や、子供向けのアクティビティなどもいろいろある様子。

が、我々の目的はここの2階にある食堂でお昼を食べること。
 
11時半の開店前に並んでメニューを眺めるうち、我々の後ろにも何人かの行列ができた。

入店したら券売機で食券を買って、所定の場所で渡すとすぐにトレーが出てくる。
 
すっきりときれいなテーブルについて
 本日いただいたのはラオス大使館お墨付きの「ゲーン・ノーマイ」=竹の子のスープ煮。竹の子の他に豚肉とキクラゲが入り、あんかけ風にとろっとしてタイ米のご飯に合う。大根サラダにスープも付いて700円。近所だったらしょっちゅう通いそう。

デザートにはフェアトレードのコーヒーとチョコレートもいただいて、次は坂を下って防衛省の正門へ。
 
昨年の年末にTrinさんが感じの悪い電話にもめげず予約してくれた、市ヶ谷台ツアーに参加するのだ。

まずは門の前で身分証明書を見せて予約を確認、ICチップ付きの入館証をもらったらゲートをくぐる。
 
正面に立派な庁舎を見ながら、脇のベンチでもらったパンフレットを見ながら13時半のツアー開始を待つ。
午後見学の定員は20名、ガイドは真っ赤なダウンコートの女性2名に、退官後雇用延長中というお話好きのおじさん一人。

時間になったらまずは注意事項。女性係官、絶対に勝手な行動は許さないという気迫満々。
その後は靖国通り沿いに少し歩いて大本営地下壕跡の見学へ。
 
入口でヘルメットを渡され、全体の見取り図を説明されたら中へ。

地下壕と言っても入り口は土手にあるので階段を降りることもなく、ちょっと拍子抜けするほど地表に近い。
  
中はもちろんコンクリートがむき出し、一番興味を示されるのはトイレの跡。
 
中には貯水槽があり、その脇に炊事場や浴場もあったそうだが、湿度が高くて大変だったとか。
思ったほど大きくなく、壁の調査跡から見える鉄筋は細く頼りなげで、アルバニアで見たティラナのバンカーの方がずっと頑丈そうに見える。しかもこの施設が作られたのは昭和16年の8月というから真珠湾の前。その頃でもこの程度の物しか作れず、それでアメリカに戦争を仕掛けたのだから無謀もいいところ。

地上にある参謀本部から階段でつながっていたそうだが、爆撃されたらひとたまりもなさそう。とおじさんに聞いてみると陸軍本部は爆撃されることはなかったそうで、「交渉相手がいなくなったら戦争を終わらせることができないでしょ?」となるほど。

地下壕を出たら次に向かうのは市ヶ谷記念館。
 
平成12年に防衛庁が六本木から移転して来た際に旧庁舎が取り壊され、その際に象徴的な部分だけを移設、復元したというもの。
 玄関には建物正面に取り付けられていた時計と桜の紋章が飾られ、ここで靴を脱いでスリッパに履き替える。するとスタッフが靴をきれいに外向きに並び替えてくれて、さすが自衛隊(?)と妙な所で感心してしまった。

入ってすぐにあるのが以前は2階にあったという大講堂。
 
昭和9年に造られたここが昭和21年の東京裁判の舞台になったということで、最初にビデオを見た後、スタッフがくわしく裁判官や被告たちの座った場所など教えてくれる。
2階のバルコニーが傍聴席、
 正面の玉座があった場所には同時通訳のブースが作られたのだとか。

大講堂の説明が終わったら2階へ。
バルコニーから見ると大講堂を実際よりも大きく感じさせる工夫がよくわかる。
 
士官学校時代、昭和天皇の休憩所とされていた旧便殿の間を見たら
 
その隣の旧陸軍大臣室へ。部屋の中央には旧庁舎の大きな模型が置かれているが、ここはもちろん、昭和45年に三島由紀夫が自決した場所。

事件当時、自分は小学校6年生だったがニュースは鮮明に覚えている。
翌日の遠足のためにおやつを買いに行って、帰ってからテレビをつけると大騒ぎ。そして翌朝は当時、朝日新聞を取っていたので首が転がった写真が一面に載っていたのだ。

  
若い女性スタッフが「これが総監が襲われた時の刀傷です」とドアの脇に付いた傷を見せてくれるが、「三島が自決したのはどこですか」と聞くと「すいません、わかりません」とあわてておじさんに聞きに行く。するとその場所には何の説明もないが金属プレートがはめ込まれている。案内をするからにはこれを知らないとまずいでしょう。
 
しかし「あの左側の窓を開けてバルコニーに出たそうです」というのはちゃんと知っていて教えてくれた。

一階に戻ったら少しフリータイムがあって講堂内の展示を見るが
 
たくさん並べられた資料を見るには時間が少なすぎる。

 
記念館を出たら高いアンテナを見ながら住居費、食費無料という隊舎の脇を通り
 
保育所もあるという厚生棟へ。

 
2階にある広報展示室で「自衛隊、大事な仕事してるでしょ」というビデオを見て、その後は1階にある売店でまたしばしフリータイム。

ここには自衛隊柄のバッグやTシャツ、ピンバッジやぬいぐるみまで売っている売店があるのだがなぜか3つに分かれていてそれぞれ違う店らしく、売っているものも店主もそれぞれユニークですごく面白い。
 ここで以前横須賀で見た「しらせ」のキャップを見つけてとうとう買ってしまった。どこでかぶるのやら。
防衛省まんじゅうも見つけたけれどここも時間が短くて、買えなくて残念。

門まできっちり見送られて、2時間半の見学は終了。
地下壕見学には700円必要だが、防衛省見学ツアーは予想以上に楽しめた。

大人の社会科見学は癖になりそう。
Trintrinさん、またよろしくね。


 ←人気ブログランキングへ一票、お願いします。

コメント (11)    この記事についてブログを書く
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする
« ボルネオ再訪 3 バンダル... | トップ | ボルネオ再訪 4 キアンゲ... »
最新の画像もっと見る

11 コメント

コメント日が  古い順  |   新しい順
Unknown (ライラック)
2025-01-21 21:13:13
そうだったのですね。南極へもLunta様は行かれたんですものね。しらせの前で、記念写真は撮りました。
ご主人は3回も南極へ行かれたのだとか。
返信する
ライラック様 (Lunta)
2025-01-19 19:33:50
「しらせ」に乗ったことがあるとは、うらやましすぎる!
あこがれの船です。
南極では生野菜と卵が最高の贅沢だそうですよ。
返信する
Unknown (ライラック)
2025-01-19 16:37:46
私30年ほど前に、シドニーに寄港していた「しらせ」に乗りました。艦長の息子さんと私の息子が現地学校で同級だったのです。奥様と私の母校が偶然姉妹校だったご縁もあり。珍しい体験をさせていただきました。あとで、しらせの食事をメインにした短編映画をネットで見た記憶があります。各種缶詰等はあっても、キャベツなどの野菜がないのが大変だとか。
返信する
とんび様、 (Lunta)
2025-01-18 16:54:16
移転前、ということは平成12年より前にいらしたということですね。
今はまったく変わっているので再訪もおもしろいのではないでしょうか。
地下壕の見学は定員が少ないのでハードルが高いですが、午前中の記念館だけなら予約は取りやすいらしいですよ。
返信する
Unknown (とんび)
2025-01-18 12:56:17
はるか昔、移転前に行きました。当時は撮影禁止で写真がなく、ネット活動もしていなかったので、記録も残っていません。今のは象徴的な部分だけ移転、再現したような感じですが、行ってみたくなりました。
返信する
Unknown (Lunta)
2025-01-17 18:03:14
trintrin 様、

市ヶ谷ツアーのガイドスタッフのお三方、それぞれ面白かったですよね。
本当によく笑いました。
また社会科見学、行かなきゃですね。

デ某様、

市ヶ谷、リアルタイムで知っているものにはやっぱり三島が強烈でしたね。
小学生では何を主張しているのかなどはまったくわかりませんでしたが、それでも忘れることはできません。
大人の社会科見学はすっかり気に入ってしまいましたので、これからも続けれるつもりです。
ただし気持ちの悪いキャラクターの大阪に行く予定はなし。
京都の迎賓館はいつか行ってみたいと思っています。その時にはぜひよろしく!
返信する
大人の社会見学シリーズを (デ某)
2025-01-17 10:21:54
大人の社会見学‥えぇやないですか!
防衛省につづき 刑務所、ゴミ処分場、ロケット発射場etc.
「大人の社会見学シリーズ」を大いに期待いたします。

なお 大阪万博会場は大阪湾のごみ処分場(埋立地)。
今後30年に80%の確率で発生する南海トラフに襲われれば
とんでもない被災者が予想されますのでお奨めできません。

「市ヶ谷」には 学生時代に起きた三島由紀夫のアジ演説を思います。
「国民のための‥」と いずこの国の軍隊も標榜しますが
防衛か侵略かは兎も角 "戦争"のための装備・施設・人員‥勉強になりました。

この近く‥大日本印刷から牛込方面に少し行ったところに
かつての勤務先の厚生施設があり 宿泊・食事も可。
東京出張ではよく利用し宿泊代の差額でお土産を買いました(笑)
途中、防衛庁(省)の前を歩くたびに三島由紀夫を連想したものです。

関西に来られることがあれば 京都御所(迎賓館)がお奨めです。
機会がありましたら 見学の後、御所御苑にてミニオフ会を!
返信する
Unknown (trintrin)
2025-01-17 09:28:44
赤いコート女子は
絶対に言うこと聞かせて見せる!圧が
ヒシヒシと伝わってきましたねえ。
よく歩いたのと沢山笑ったおかげで
夜、ぐっすり眠りました。
また遊んで下さい♪
返信する
Unknown (Lunta)
2025-01-16 23:52:07
スクムビット様、

おばさん二人で初笑い市ヶ谷デートを楽しみました。
おじさんたちのデートも楽しそうじゃないですか。
ただ吸い過ぎには気を付けてくださいね。


狸田ポン太様、

ゼミで統合幕僚監部訪問ですか。かっこいい!
市ヶ谷台ツアーの目玉はやはり大講堂と元総監室ですね。
過去の事件、歴史を知らなければ興味半減ですのでゼミ生の皆さんは予習必至ですね。
返信する
Unknown (狸田ポン太)
2025-01-16 21:59:35
おっ!
地下壕も見学できたとはよかったポン~!
狸田は来月、おしかちゃんゼミ生連れて統合幕僚監部に行ってくるポンで、市ヶ谷台ツアーだけはやってくるポン~
返信する
Unknown (スクムビット)
2025-01-16 20:32:01
次回お目にかかるときには必ずこの帽子かぶってきて披露してください。
シウマイ工場かな?
trinさんとお二人でのデート楽しそうですね、
こっちはむさ苦しいおじさん二人でデートです。
返信する

コメントを投稿

国内旅行」カテゴリの最新記事