Luntaの小さい旅、大きい旅

ちょっとそこからヒマラヤの奥地まで

「皇帝の愛したガラス」展@東京都庭園美術館

2011-09-06 00:49:08 | 機内食・映画・美術展
エルミタージュ美術館所蔵のガラス工芸品が190点来ているというので、目黒の東京都庭園美術館へ行ってきた。

  
元は朝香宮邸だったこの美術館、アールデコの建物自体がとても素敵で何度か来ているが、建物にふさわしい工芸品中心の展示が多くて、地味だけれど楽しめる。

今回の展示はロシア皇室のコレクションが中心なので、16世紀ごろからのヨーロッパのものばかり。ベネチアから始まり、ボヘミアングラス、イギリスのクリスタルカットガラス、フランスのアールヌーボーへと流行が変わっていくのがよくわかっておもしろい。

しかしこれらの製品はヨーロッパの大きな博物館なら大抵見られるので珍しくはない。
それより今回の展示で面白いのはロシア製のガラス製品。
ロシアのガラス製造は18世紀から本格的に始まり、エカテリーナ女帝が愛人のポチョムキンにガラス工房をプレゼントしてからロシア帝室ガラス工場として発展したのだそうだ。

帝室ガラス工場となれば作るのは宮廷で使うものや国王クラスへの贈答品。
 美術館HPより
この「オルロフ・セット」と呼ばれるものなども繊細だが過剰ではない装飾が実に洗練されている。

ただしロシアの刺繍文様をまねた絵付けのある1,2点を除いては独創性は感じられず、その意味では日本の鍋島に似たところがあるのだろうか。

 美術館HPより 
2点あるこんな燭台もおもしろい。
もう一点は上部がヤシの木のようになっていて、寒い国の暖かい国へのあこがれが実にわかりやすい。


優雅な空間で優雅なガラスを堪能したらちょうどお昼になった。
そこで美術館のすぐ近くにある老舗インドネシア料理屋「せでるはな」でナシチャンプル。
 インドネシア人のおばちゃんがテレビに見入る雑然とした店内はいかにもインドネシアらしくて、やっぱり宮家やロシア帝室よりこっちが似合いかな。


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銀座で山形イタリアン 「ヤマガタ サンダンデロ」

2011-09-04 20:08:33 | 食べ歩き
久しぶりに銀座でランチ。
選んだのは銀座にある山形県のアンテナショップ「おいしい山形プラザ」2階の「ヤマガタ サンダンデロ」。
ここは鶴岡にある有名なイタリアン・レストラン「アル・ケッチャーノ」の姉妹店なんだそうだ。

選んだのは「アンヴェミルー」というコース。
この名前が洒落が効いていて、イタリア語のようだけれど実は「塩梅を見る」を山形風に言ったもの。「ヤマガタ サンダンデロ」も「山形産なんですよ」なんだそうだ。

まず登場したのはバーニャカウダ。
 カリフラワーのマッシュのソースがおいしく、黄色いズッキーニを初めて生で食べたけれど、生でもおいしいんだ。

 前菜は甘いエビとルッコラ。
 連れはヤギのモッツァレラとトマト。鶴岡のお店で飼っているヤギの乳で作られたチーズだそうで、ヤギ独特の風味はあるが新鮮なので食べやすい。

 メインはワンプレートにトマトのパスタと庄内牛のステーキ。小さなボウルに入っている「だし」はちょっと大ぶりのカットで塩味だけなので普通の山形のだしとはずいぶん違う。赤身の牛肉もおいしいけれど、それ以上に付け合せのしいたけやいんげんがおいしい~。

ついでにプレートの奥にあるのは発芽玄米の炒り米。これに月山の天然水のお湯を注いでスープ代わりに飲んでください、と言われるのだけれど、所詮は炒り米とお湯。これはちょっとやりすぎじゃなかろうか。

 デザートは濃厚なチョコレートケーキ。これにさっきの炒り米をかけた方が食感にアクセントがついておいしい。

全体に「イタリアン」というよりも野菜のおいしさが印象に残る料理。
あるいは山形物産館のレストランということであえてそのような料理にしたのだろうか。
実際帰りには階下のお店でぶどうとか買い込んじゃったし。

それにしても最近のレストランは安全とか体にいいとか、ちょっと強調しすぎじゃないか。
確かに安全や健康は大切だけれど、あまりこまごま言われるとはっきり言ってうざい!
おいしいものは単純に「おいしい」と食べさせてほしい。


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ムスタン紀行 5 カグベニ~ツェレ

2011-09-03 16:56:19 | チベット文化圏
8月9日

カグベニの宿を8時に出発。
  
村を出てカリガンダギ川沿いの乾いた道を行くと、すぐに「ここより先、アッパームスタン」の警告看板。アッパームスタンは特別許可証を持っていない限り、外国人は進入禁止なのだ。

 しばらく行って振り返ると川のまがった先にカグベニ村、その奥にニルギリが見えるがこの時期ではなかなかすっきりとその全容を見せてはくれない。

  
乾ききった道をまただらだらと進み、緑が見えてきたらそこが次の村、タンベ。


 門をくぐった村の中はカグベニ以上に土と石造りの家が密集して建てられている。

  
水道場では羊を解体し、おじちゃんたちが腸詰を作っていたが、今日は何かのお祝い事だろうか。

   
村のまわり、川沿いにだけ豊かな緑の畑が広がり、リンゴの木が植わっている。子供たちがくれた青リンゴは固くて酸っぱくて、自然な味がした。

  
さらに乾いた道をたどって、次の緑はチュクサン村。
  
入り口の門の上には魔よけの羊の頭が飾ってある。

 
この村のこじゃれたロッジで馬を止めて昼食休憩。
  
先に到着したキッチンスタッフが用意してくれていたのはインスタントラーメンと揚げパン。
こういうところで食べるインスタントラーメンって、なぜかとてもおいしい。

 
昼食の後は村の横を流れる川を馬でザブザブと渡ってしばらく石ころだらけの河原を行く。

  
崩れた大岩の間を流れる川を鉄橋で渡り、振り返ると高い崖の上には人の手になる穴が並んでいる。この穴に丸太をつっこみ、その上に板を渡して道を作っていたものと思うが、どうやってあんなところに穴を開けたやら。

この河原からは瓦礫の急坂を上まで上がらなければならない。
 これがなかなか、きつい、きつい。

 そしてたどり着いた本日の宿泊地、ツェレ村は標高3100メートル。到着時間14時半。 

  
Bishal Guest House のシャワーは共同だけれどちゃんとお湯も出るし、簡素なお部屋も意外なほど暖かく快適。添乗員は部屋でネズミと格闘したといっていたけど。

  
屋上から見る、これがツェレ村の全景。お向かいの屋上では杏子を干している。

 
来た方を振り返れば村の下をカリガンダギが流れ、その向こうに見えるはずのニルギリは厚い雲に覆われている。
日中は晴れたり曇ったりでそこそこの天気、でも夜になったら雨が降り出すパターンがこの後ほぼ毎日続く。

 村には見るものもないが、ゴンパだという縞模様の建物の鍵を管理人にあけてもらう。
  
中はまるでパーティーの後の公民館のようだが、村人の信仰を集めているのだろう小さな観音様がかわいらしかった。


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